撮影:シグマ DP2Quattro マニュアル 1/100 f5.6 ストロボ使用
以前にもこの鳥山さんの作るパンについて書いたが、実は会ったことがなかったんである。「やまけんさんにね、逢いたいんですよ」とズッと言ってくれているのは、彼と僕の周りの共通の知人(これがまた、やたらと多いのです)から聴いていた。それに僕だって逢いたいと思っていた。けど、なぜかいろいろ日程とか合わなくて、メシ会とかパーティーとかですれ違っていた。そしたらようやくである。
「明日、パンもって事務所に伺いたいんだけど!」
ということで、パン持ってきていただきました!
鳥山さんは茨城県で、セブンイレブン向けのパンを専用につくる会社であるリバティーフーズ社の社長をしている。でも彼のfacebookを観ていると、パンのことじゃなくて例えば養蜂に興味が出て、自分も蜂箱をかって養蜂家になってしまったり、酵素ジュースばっかりつくってたり、熟成肉に興味を持ちすぎて経産牛を一頭買い取ろうかと本気で悩んだりと、ものすごい食に対する煩悩多き人であることがよーく滲み出てくるのだ。俺も同じだから、同類のことはよーくわかる。
いやー やっと会えた!と握手。鳥山さんがもってきてくれたのが、このソーセージIN熟成フランスだそうだ。
「いま、パン屋の業界では低温長時間熟成ってのは普通にやられてるんです。間違いなくパンが美味しくできます。けど、それをコンビニ向けの大量調理でやるのはかなり大変。例えば生地が大きくなると、外側と中側、表面と中心では醗酵スピードが変わるので、ムラができちゃう。それをなんとか解決して、どうにかパン工場でできるように工夫してるんです。」
そのソーセージIN熟成フランス、バゲット生地の中にマスタードと立派なソーセージが入っているものだ。裏面表示をみるが、セブンイレブンの商品は添加物表記が実に少ない。
「何か秘密の薬とか使ってるんじゃないか、ていう業界の噂ですけど、ホントはどーなんです?」と聴いてみたが、「いやそれがマジで使ってないんです」という。徹底したクレンリネスで賞味期限の保ちを実現しているのだそう。
撮影:DP3m
冷めている状態だと、生地が締まっているので少し硬く感じるが、それでもシットリ焼けている。低温長時間熟成のたまものか、生地の味わいがあって、軽くて薄い感じのなんちゃってバゲットとは一線を画す味だ。
「でもね、これオーブンとかトースターとかで暖めてもらうともっと旨いんですよ。」
というので、鳥山さんが帰ってからトースターで3分ほど軽く温めてみる。
うおっ おおおおおおおおおおおおおお
これは旨い!
温めることで引き締まっていたパンの生地が活性化するのか、すべての分子結合が緩んだ感じで生地の香りや風味が持ち上がってくるのだ。そして食感もふんわりした感じに。なによりよいパンの香りが濃くでてきて、素晴らしい! 美味しいじゃないのぉ、、、
「じゃ、そろそろ俺、半蔵門にいかないといけないんで」
と、30分そこそこでお帰りになる鳥山さん。いやマジで熱くて行動力のある方だなぁ。今度は絶対に腰を据えて呑みましょう。鳥山さん、どうもありがとうございました!
なお、この「ソーセージIN熟成フランス」は、来週からセブンイレブン各店舗で発売になるそうだ。あ、でもリバティフーズ社が製造したものかどうかはわからない。どうやったらわかるのかな?鳥山さんに聴いておきます。もし茨城工場で生産されたのをみかけたら、ぜひ買い求めて、そして家のトースターやオーブンであたためたものをお食べ下さい!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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