JDBPの技術認定を取得した「肉匠もりやす」のドライエージングビーフ三種を食べる。

2014年6月 6日 from ドライエージングビーフ

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以前書いたとおり、日本ドライエージングビーフ協会では正しくNYスタイルのドライエージングを行うことができている企業に対して、技術審査会を経て認定を付与している。昨年の第一回目は6社が審査に臨み、5社が認定を取得した。

 

■日本ドライエージングビーフ普及協会にて、初のDAB認定の審査会を開催。いま「ドライエージング」を謳っている店の中で、ホンモノのNYスタイルのドライエージングはごくごく僅か!そろそろきちんと「熟成」と「NYスタイルのドライエージング」が違うのだということを明確にしていかなければいけないのだと思う。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2013/10/dabnyny.html

そのうちの一社が、埼玉県の所沢を本拠におき、西武百貨店の池袋・渋谷・所沢に精肉店を出店している「肉匠もりやす」だ。

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黒毛和牛専門店といってよい、肉の味を確かめながら売るむかしながらの精肉店。森安社長と一緒にNYに行ったが、誰よりも熱心に熟成庫の条件設定を確認されていた。

そのもりやす熟成の肉を、若手のK君から「食べてみて下さい」と分けてもらったので、試食させていただいた。

というのは、上記の審査会では僕はかなり辛口評価をしたのだ。それもあっておそらく「その後、バッチリです」ということを僕に確認させたいという思いもあったのだろう。

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ぜんぶ黒毛和牛で、上から未経産メスの29ヶ月のランプの54日間熟成。つぎに経産牛で101ヶ月ということは8歳。5産したけど6産目の種が付かなかったのを再肥育したのかな?その辺はわからないけれども49日間熟成。一番下が未経産メス29ヶ月のイチボ47日。一番上のと同じ個体かどうかはわからない。熟成日数が1週間違うので、別の個体だろうか。

どれも水分がかなりぬけていい枯れ具合になっている。どれもモモだがさすがは黒毛、十分に脂もあるので、フライパンになにも油をしかずに焼いて、余熱で火を入れた。

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ドライエージングにしやすいのは骨付きのロースとモモ肉で、黒毛の場合は特有のくどい脂をいやがる人が多いので、モモの方が人気が高いという逆転現象がおきる。今回いただいた肉どれも実に上質。ドリップとなる自由水はほとんど引き出されており、おだやかなナッツ香が口に入れる前から漂う。

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三種の食べ比べは圧倒的に経産牛101ヶ月齢のメスさんが一番、ぶっちぎりに美味しかった!牛の肉は経産牛のほうが断然、味わいが濃厚になりつつ上品になっておいしい。

さて一番上と一番下の29ヶ月齢の肉だが、どちらも違う個体のようだ。というのは、脂質がまったく違う。一番下のイチボは、脂の噛み方なども上々なのだが、その分ぎらつく油の風味が目立つ。美味しかったけれども、毎日食べたくなるようなものではない。

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ということで、やっぱり昔から言っているとおり「経産の方が断然美味しい!」という認識に変わりは無しだ。

森安さん、美味しかった! ということで、認定取得企業の情報はまたここでお送りしていく予定だ。