2014年5月 7日 from 食べ物の本
そう、まだこんな仕事する前の社会人なりたての時、江戸前そばが大好きになっていろんなところに食べに歩いていたとき、そば屋の本棚にかなりの高頻度で置いてあった分厚い雑誌「そばうどん」。食の総合出版社である柴田書店が出している雑誌だけれども、なんと「年刊誌」つまり一年に一冊だけ出るという雑誌だ。もちろん一般消費者向けの雑誌ではなく業界向け。
だからページをめくると、広告には「総火造りの名品ここに有り! 鰐屋そば包丁」とか「ストレートスープにはやっぱりかつおが最適!京鰹特選だしかつお」とか、「十割そば製麺機めんぞう」とか、とにかく業界向けの広告ばかりである(笑)
内容もマニアックなものなのだが、今年度版から僕も執筆陣の一角にいれていただいた。誌面もだいぶ刷新というか、以前のものよりも「先鋭的」になろうとしている気がする。いや、気がするだけじゃなくて、編集長が若くなってだいたんに誌面を替えようとしているので当然である。
んで、「なにやろうかあ」「そばでなにかおもしろい動き、、、」と言ったときに、ハイッと手を挙げてやらせろ!と言ったのがこの企画だ。
そう、新橋や虎ノ門からほど遠い(笑)、愛宕で営業している「港屋」が産み出した肉そばは、もはやいっときのブームとはいえないほどに定着した感がある。こいつの徹底研究をやろうじゃないの、ということである。
Nikon D800 24-70mmf2.8
すべてのブームを産み出したのは、この「港屋」の店主である菊地剛志さんだ。僕がこの店に通うようになって、アスキーから出版したムック「食い倒れ日記東京編」にも長編インタビューを掲載したんだけど、そのときから今に至るまで、いささかのブレもない。
この冷たい肉そばの基本フォーマットは、どこの模倣店であっても守らざるを得ないほどに完成しているのである!
この港屋の肉そばに迫るべく、5ページもの誌面を割いてます。もちろん撮影もテキストもぜ~んぶ僕が担当しました。
しかしこの特集ページでは、タブーといえるかもしれないけど、いわゆる港屋リスペクト系の店舗の中から、これは生き残ってるよねというのを4店舗ピックアップ!
じつは港屋以降、ババババッとスゴイ勢いで模倣店がでまくったんだけれども、だいたい1~2年で撤退していった。どだい模倣店なんて、続かないのである。その理由もこの特集の中で考察しているのだが、その中で独自路線を敷いて生き残った店もある。
そんな店の紹介も含め、かなりもりだくさんな内容になっている。ぜひお買い求めいただければありがたいです。といって、おそらく大型店以外は店頭には置いてないから、立ち読みのしようがないんだけどね(笑)
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このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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