こんなスーパーがあったんかい!?と驚く品揃えの「いととめ」を経由し、丹後市の至宝と飯尾彰浩君が絶賛する「縄屋」にて、地のもの料理の真髄をありがたく味わう!

2014年4月21日 from 出張

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京都の日本海側、宮津の海っぺりにある飯尾醸造でお酢テイスティングまで終了し、今宵の宴へ。飯尾君が「ぜひ案内したい店があって」というのが、丹後市にあるので、しばしドライブだ。

「その途中に、これまた絶対に寄っていただきたい店があるんです」

というのがこの食品スーパー「いととめ」だ。

 

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道の駅のような外観。一見すると何の店かわからないのだけれども、ここはものすごいワンダーランドであった!

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あれ、ここは宮崎市のフーデリーですか?それともフードオアシスあつみですか?と思うようなニッチな調味料まで充実の品揃え!

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カレー関連商品やスパイス、そして水煮缶に至るまで、他のスーパーじゃあまりみかけないものが満載である。こ、これを宮津の人達が買うのかいな!?

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もちろん、手造りプリン界の有名メーカーである島根県のわたなべ牧場プリンも置いてある!そう、カラメルソースのスポイト容器がセロテープでとめられてる、あれね。

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野菜も在来品種があったり、いろんな産地からおもしろいものをとりよせている。そしてちょっと感動してしまったのはこれだ!

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なんとなんとなんと、ちゃんとジャガイモを紙袋に入れて販売しているではないか!

「これじゃあ中身が見えないわ~!」

などというなかれ。ジャガイモは光に当たるとすぐに緑化が始まる。だってジャガイモは茎なんだもん。茎にデンプンが溜まったのがイモなのだ。だから光に当たると光合成を始めてしまうのだ。そして、ポテトグリコアルカロイドという毒が生成されてしまう。第一、旨くなくなる。ちなみにこの写真に写っているメークインは緑化スピードがべらぼうに速い品種である。

だから、アイルランドなどジャガイモの本場ではこうして遮光性のある包みでジャガイモを覆って販売するらしい。この店、すばらしくちゃんとしているということなのである。

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このスーパーの社長さんである廣野さん。

「あっ、やまけんさん。ブログはねぇ、ずーっと前から読んでますよ。うん、前の方がおもしろかったしね」 あっ スミマセン、最近ぎっちり文字を書き込む余裕が無くて、、、(笑)

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この店、お客さんの勉強会に力を入れているそうだ。チラシを見ると、包丁をもってお造りを切る教室とかオリーブオイルのテイスティングまでやってるみたい。この方向は正しい!

いまの消費者は、都市部に近くなればなるほどに料理をしなくなってきている。けれどもそれが進展すると、この国は加工食品の国になってしまう。食品業界は、生の野菜や魚や肉を買って、刻んで煮たり炒めたりして食べる人をもっと真剣に増やしていかなければ、衰退してしまうよ。これ、切実な実感。

で、明日の朝ご飯用にいっぱい買いました(笑)

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いや~ この店舗、もっとゆっくり観てみたい! お塩のコーナーにキロ4500円の塩があるからなにかとおもったら「金箔入りなんですわ」とかね。おもしろすぎる!

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■いととめ http://www.itotome.net/
〒629-2503 京都府京丹後市大宮町字周枳(スキ)1670
0772-64-5295

またぜひ寄らせていただきます。

さて、ホテルにチェックインしてすぐにお料理の部へ。飯尾君イチオシの店、「縄屋」だ。

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■縄屋 http://sakananawaya.blog.fc2.com/
京都府京丹後市弥栄町黒部2517
0772-65-2127

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圧倒的に素敵なしつらえに一同ため息。

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今日はほんとうは休業日だったらしいのだが、飯尾君が頼み込んで開けてもらったとのこと。彰浩君、剛腕ありがとう!

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最近個人的にはまってるシードルで乾杯。北海道の増毛のものでした。

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二色のアスパラガスと、貝ががなんだったっけ!?スミマセン失念してしまいました。胡麻ダレが香ばしい。

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お椀はタケノコと、ハマグリ出汁に海苔とみせかけワカメだったような気が。うーん最近、料理の中身をきっちり覚えられん。歳だろうか!?今後はできるかぎりメモすることにしますね。

どちらにせよ、とてもギリギリの塩梅で素材の味わいと香りを引き出している。

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お造りは鱒とちかめ金時鯛。

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ここのスタイルとして、ソースのように仕込みをしたしょうゆタレがからまっていて、サラダのように野菜が一緒に皿にのってくるという。

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鱒の脂のノリと香りの芳醇さが素晴らしい。チカメキントキのお造りももっと食べたい、滑らかな肉質だ。

立派な、肉厚なイサキの塩焼きに、山のセリを刻んだものがまぶされ、、そして傍らにはホタルイカのお焼きが配される。なんでこんなアイデアが浮かぶんだろう!?

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この一皿はセリの香りの鮮烈さもあって忘れがたい一品。パリパリの皮とホクホクした身肉、どちらかというと淡泊な味わいにセリの香りが立体的に立つのだ。それとホタルイカのお焼き、もっと食べたいですよ。

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バイ貝の瞬間燻製とクレソン。

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このクレソンも鮮烈な香り。バイ貝の薫香とうま味と合わさると、アブラナ科の刺激がアクセントになってとても佳い。

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てんぷらで嬉しかったのは、のびる! 山野草がふんだんに使われるのがこの店の特徴らしいが、のびるは最高だなぁ。根元の部分と葉の上部が分かれて上がっている。葉の上部は香りが強くて、一瞬ギョウジャニンニクかと思ってしまった。

そして〆のご飯が! この日、最高の一品がこれ!

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わらびのタタキご飯だ。茹でたわらびを包丁で細かく叩いてトロトロのとろろのようにして出すこの料理、ぼくは山形県の庄内地方で美味しいのを食べたが、あちらでは味噌やニンニクを入れて濃い味のものにしていた。

縄屋のほうはもっとあっさりした味わいで、ワラビの野趣溢れる香りと粘りを前面に出し、食感を味わえるようにあまり細かくしすぎないタタキ加減にしたものだ。いや、旨い!思わずおかわり二杯(笑)

甘味はレンコン餅のぜんざいにお抹茶をかけて。これまた美しい色だ!

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いや、飯尾君がプッシュするだけあって美味しい。しかもごくごく自然に、この地の山と海の味わいを盛り込んでくれている。調味料も含め、だ。

店主は吉岡さん。最初から最後まで寡黙な人なので、あまりお話しが好きじゃないんだろうと思って遠慮して僕も話しかけなかったんだが、、、

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最後、見送ってくれたときにポツリというんだもん。

「僕、ドライエージング肉、食べたいです、、、」

えええっ!?

「専門料理、毎号読んでます、、、」

ええええええええええっ!?

なんだよ~ だったらはじめから言ってくれよぉおおおおおおおおおお
もっと仲良くなれたじゃん!

ということで、また行きますぞ。 きけば、冬はアナグマなどの獣肉を鍋にしてくれるという。うーむ、アナグマ最高だからね。食いたい。

また飯尾醸造に仕事で行けるように、なにか用事をひねくりだそう。そう思った一夜でした。飯尾君、吉岡さん、ご馳走様でした!