2014年3月24日 from 出張
NIKON D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f13 1/90
長野県松本市といえば、鶏の山賊焼きが有名だ。名前からして野趣溢れるこの一品、『焼き』と銘打つが、油で揚げられた料理であることがほとんどだ。鶏肉をニンニク香るタレに漬け、衣をつけてカラッと揚げる。松本では多くの飲食店でこれを出すし、メディアに元祖的な扱いで出る店もある。しかし、そればっかりじゃあつまらない。できれば亜流というか、「え、山賊焼きでそこ選ぶ?」と言われるような店の方が面白いではないか(笑)
で、ここである。
この「源太」の大将は、塩尻市にあった、山賊焼きの源流といえる店で修行をし、松本で店を開いたという。
「なんでうちなんだよ。うちみたいな小さい食堂なんてよぉ」
としきりに謙遜する大将だが、山賊焼きの話になると舌が滑らかになり、面白い歴史をいろいろときかせてくれる。そう、山賊焼きの本当の源流、といえる店で直接教えてもらってということなのだが、限りなく書けない話がいっぱいあったのである(笑)
この素敵なお品書きを見よ!そしておすすめという山賊定食。普通盛りが580円、肉ちゅうもりが600円、肉大盛が700円、そして特大盛が950円。
もちろん迷わず特大盛である!
「いいのかよぉ、けっこう量があんぞ」
ええ、ええ、食べらんなかったら持ち帰らせてください。
山賊焼きに使うのはおおきな鶏胸肉。特大盛はそれが丸二枚分だ。秘伝のタレ(これが本当に味の唯一絶対の要素らしい)に漬けた肉にまんべんなく片栗粉をまぶし、油に投入。
どっかーーーーーーん!これが一枚の皿に盛られるのである。
皿の写真だけだとわかりにくいけど、この手と対比すればおわかりだろう。とにかく無茶苦茶なボリュームです。しかも野菜とかたっぷり。ゆで卵がなぜか特大だと二個も着いてくる!
ということで、これが肉特大盛り950円なり。大ぶりの鶏胸肉二枚分、ご覧のボリュームなのだけれども、秘伝のタレはニンニクたっぷり濃厚だが、意外にあっさりした味わいだ。
外側はカラリ、中はしっとりで、モモ肉とちがって脂がないせいか、意外に量があっても美味しくペロリと食べられてしまう。あと、写真でわかるとおもうがキビを混ぜたご飯なのが素晴らしい。
圧巻は付け合わせの量で、写真に撮るからオーバーに盛ったわけじゃない(笑)。野菜天ぷらや漬物、大根煮付けなどは全て自宅の畑で栽培したものである!
「だからこの値段でやれてんの。うちはずっと値上げもしないしね。」
という気持ちのよい店主ご夫婦の人柄に惚れた常連が多数なのも納得だ。
あまたある山賊焼き名店だが、真心の源太食堂にも足を運んで欲しい。美味しく満腹になることを保証する。
■店情報
お食事処 山賊焼き「源太」
長野県松本市北深志3-10-19
0263-36-1663
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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