2014年1月24日 from
Nikon D800 Tamron90mmMacro SB900 SB700
「ラーメンサラダ」と聴いて違和感を覚える人は、北海道にあまり行ったことのない人だろう。茹でたラーメンにドレッシングをからめて野菜や魚介などと一緒に盛りつけた料理で、北海道の居酒屋にはほぼ必ず置いてあるメニューだ。逆に北海道の人は「ラーメンサラダ」は全国にあるものだと思っていることが多い(これはマジ)。
その発祥の地はきちんと明確にあって、名門・札幌グランドホテルの一階にあるビアレストラン「ビックジョッキ」である。1985年、この店が4月にオープンしたのだが、なにか目玉料理をということで初代シェフが考案し、7月からスタートしたという。これが大ヒット!で、まわりが真似をするようになったということだ。
昨年、週刊フライデーの連載をしている最中に、このラーメンサラダを取材させていただいた。しかしその直後に編集長が交代、がばっと連載のリニューアルがなされ、僕の連載も一年経たないうちに終了することになってしまった。ホテルの広報の方には申し訳ないのだが、掲載できなかったのである。
ので、ちょうど札幌にいるんだし、掲載してしまいます。
元祖ラーメンサラダは、紫キャベツにニンジンの細切り、水菜にレタスにミニトマト、ピクルスになったキュウリ、茹でエビにムール貝などの魚介も盛り込まれている。しかし大事なのは、この麺が、盛られる前に特製のドレッシングソースをたっぷりとからめられているということだ。
マヨネーズベースなのだが、ほんのり和の風味もかおる。安い居酒屋だと、キューピーのゴマドレッシングをそのまんま使ったようなのが出てくることが多いのだけれども、さすがは元祖、まったく違う。
麺にしっかりとした味がついているから、生野菜を一緒に食べてもうすまらないのだ。よく伸びるソースである。
このドレッシングソースはマヨネーズ(もちろん手造り)と中華っぽいあじのものと二種類のベースがあって、それを段階的に麺にからめているそうだ。麺も特注で、試作時は鬼のようにいろんな麺を作らせて選んでいったらしい。しかしラーメンサラダが大ヒットして全道的に拡がったことで、製麺屋さんとしてはとてもありがたい。ということで、なんと北海道の製麺業界団体から、グランドホテルに対して感謝状が贈られたそうだ!
味のかなめになるのがピクルス。キリッと酸味とハーブの香りがするピクルスも自前で漬け込んでいるそうだ。
この味付けは初代シェフが決めたもので、そこから一切味付けを変えていることはない、という。この味を忠実に受け継ぎ、いまビックジョッキを守っているのが10代目シェフの浅野聡さんだ。
ということで、もし札幌を訪れる機会があるなら、いちどは食べて欲しい味である。ちなみにビッグジョッキでは、ご家庭でもラーメンサラダを作ることができるオリジナルドレッシングを販売していま〜す。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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