2013年12月 2日 from 首都圏
週刊アスキーに連載中のインタビュー対談記事で、「富士酢」の飯尾君と「巽醤油」の梶田君に来てもらった。近日中に掲載されると思うので、ちかくなったら改めて告知しますね。この二人、東京農大の醸造学科出身で、しかもたった一年違いでかぶっているにも関わらず、まだ会った事がないという。なので、終わったらめしに行こう!ということになったのだ。
インタビューの収録はいつも新宿のホテルなので、新宿近辺でどこか、、、ということで、「古月 新宿御苑店」へ。ここは、辻調の出身シェフがやっているということで最初は辻調の小山先生に連れていってもらったのだった。それも「友達たちと食事会をしていたら、いつか渡辺まりなさんと一緒にめしを食えるかも!」という趣旨のヘンな食事会(笑)だったのだが、あれ今はどうなってるんだろう?
その後、この古月御苑店を支えてきた前田君がなんと独立&御苑店ののれんを買わせてもらったそうで、いまこの店は前田君のお店である。しかも、しかも!開店当初から来店客の目を「おっ」とひいていた紅一点、美人シェフの本田さんが、、、なんと「前田」姓に変わっていたのだ!ひええええそんなのアリかよ!前田ぁああああああああ!!
むかつくので「富士酢の飯尾醸造と、いま一番乗ってる醤油醸造の若手を連れて行くから、富士酢プレミアムと、梶田の再仕込み醤油で料理して!」という無理難題をふっかけておいた。
そんなこんなで古月。
あっ E-M1用のフラッシュ持って行ったにも関わらず、トリガーとなる外付け小型フラッシュを忘れた!こういうとき、内臓じゃないと困るんだよなぁ。ということで地灯りでの撮影ですが、いい感じです。
前菜は蒸し鶏の山椒ソース、ホタテの麻辣ソース、子豚の頭の香菜和え。
ついで酔っ払い蟹、ピータン豆腐、クラゲ甘酢和え。
もうこの時点で別皿に富士酢プレミアムをすこし入れて、上海蟹につけて食べてるんだけど、この相性が最高!ためしに中国の黒酢をもってきて同じようにすると、黒酢の風味が濃すぎて全部そっちに行っちゃう。プレミアム富士酢は素材の持ち味を殺さないで美味しくさせる魔法のような調味料なのである。
旨い料理を肴に、若き二人の醸造家が意見を交わす。
ここでは書けない、むちゃくちゃ刺激的な業界話が展開されたのでありました。
エビと秋の実りの炒め物。この中にある小さいキノコは菌床椎茸なんだけど、徳島県の「ちいたけ」というもの。
小さいけれどもこれで成熟した大きさなのだ。先日、栽培風景を見学させてもらったばかりなので嬉しい。
さて、この日いちばんの好評を得たのがこの料理。
ナマコと魚の浮き袋の醤油煮込み。
「いやぁ、梶田さんの再仕込み醤油を使わせていただいたんですが、美味しい醤油ですねぇ、、、中国の醤油って、色は濃いけど、カラメルの色が濃いだけで、ぶっちゃけ旨みはあまりないんですよ。だからこれ、凄く美味しくできました、、、」
とのこと。マジでこれ旨い!
魚の浮き袋は戻すのにものすごく手間がかかる。その甲斐あって、実にトゥルトゥルとした、肉より美味しい脂身という感じだ。これにもちろん富士酢プレミアムをかけると、もう極上。
「旨い!」と二人も大喜び。
火を入れ直して、醤油タレが焦げるくらいになったのをもう一杯。旨い!
さて充実の点心のあとは、酢豚と穴子のニンニク煮込み。
酢豚はケチャップ使わず、富士酢プレミアムで仕上げた清純派な味わい!
そしてしっかり形が残りながらもホロッとした食感に煮込んだ穴子が、ニンニクの風味で上品さとパワフルさを兼ね備えた味になっている。
「お食事、鴨そばと麻辣豆腐、それとヤマケンさんのリクエストで、上海カニミソチャーハンをご用意してますが、どれをお食べになりますか?」
おいおい前田君、「どれを」ってのはやめてよ。どれも食べるに決まってるじゃん!
鴨そば、やはり仕上げに富士酢プレミアムを少量かけると、淡い上湯スープにビシッと旨みが加わって最高!
上海蟹のみそをごってりつかったチャーハンは俺のリクエストです、ハイ。
みてくださいこのまっ黄っ黄の色!これ、イメージは梶田商店がある愛媛県大洲市の郷土料理「蟹めし」です。
仕上げはもちろん、麻辣豆腐。これも普通のバージョンではない。京都の一休寺で作られている発酵食品「一休寺納豆」を、中華食材のトウチの代わりにつかったもの。こっちのほうが薫りが強いのである。うーむ旨い、旨いがもう入りません(笑)
食後のお茶は、なんと武夷山の岩茶。
この時でてきたピーナツケーキ!?が出色のできばえ。
ピーナツを砕いてキビ粗糖と混ぜて固めたという手造りのデザート。
今日は全ての料理が素晴らしいできばえだったなぁ、、、感動。それにしても、富士酢プレミアムと梶田再仕込み醤油のパワーが光った。全部じゃないけど、日本の調味料を使うと中華は、実は日本人好みになるといってもいいんじゃないか?
そんな事を思いつつ、飯尾君と梶田君のお二人に感謝の夜だったのでした。前田君、ごちそうさま!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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