2013年9月17日 from 出張
宮崎名物である鶏の炭火焼きを食べさせる店は多々あるが、地頭鶏を使った炭火焼きをメインに、様々な創作料理を出している「ぐんけい」はなかでも有名な店だ。その若旦那である黒木君が「ぜひやまけんさんに食べてほしいものがある」というので、伺った。
一体なにそれ!?というのがこのレバテキ。
実はこれ、クローズすることになった(執筆時点ではすでに閉店)店舗のオリジナルメニュー。何でクローズするの?お客さん入ってないの?と聴いたら全然その逆で、他の店舗が繁盛して忙しすぎて、マンパワーが足りなくて閉めるのだという。
しかしこのメニューはここにしかないんですよぁ、ということで、なくなる前に食べて欲しいと言うことだったのだ。
契約農家から搬入される地頭鶏のレバーの中から、白レバー的に脂ののったものを選んで使うというコレ、実にじつにじつに素晴らしく美味しい! レバーといっても、飼養密度の非常に低いぜいたくな飼い方をしているから、鶏のストレスがない。それがレバーの味にダイレクトに出るのだ。えらくクリアなお味です。酸味のあるネギダレとよくマッチしてます。
せっかくだからいろいろ食べさせてよ、と気になるのを一通りチェック。
雑炊。んー ちょっと具材が入りすぎて、味の輪郭がぼやけてますな。野菜ってけっこう個性強い味が出るから入れすぎない方がいいですぜ。
そして、期待せずに「コレ食べて欲しいんだよね」と出てきたのが地頭鶏ラーメン。ふうん、とおもって一口啜る、、、
えっ ええええええええええええええええええ
なんじゃこりゃ!?
このスープ、すげーーうめえっ
この時、3人いてそれぞれで少しずつ分けたので、足りないっ
もう一杯くれ!
うーん やっぱりすげーー旨いスープだ!
麺はできあいのだろうからそれなりだけど、このスープがあまりに素晴らしい!
地頭鶏専門店らしく、とうぜん無化調である。地頭鶏のガラだけで出したことがわかる清々しい、キレのいい味だ。その代わり、どよーんと強い濃厚さはない。けれどもブロイラーでは絶対に出ない、非常に芯の強い綺麗なうま味がある。
同じ地鶏品種でも、スープにしたら最強に旨い比内地鶏とはまた違う路線だ。地頭鶏のスープってそんなに僕は評価していなかったんだけど、こんなに旨かったんだっけ!?いやビックリ。
このラーメンは他店舗でも出しているらしいので、ぜひメニューを見て、あったら注文してみて下さい。
以降は、ジャッジモードをぬけて、地頭鶏をひたすら喰らいました。
存外に美味しかったのがこの地頭鶏ソーセージ。いけるじゃん!
地鶏というのは、国産若鶏つまりブロイラーに比べると、飼育日数にも寄るけれども3~5倍のコストがかかるものだ。だから売値だってそれくらい高い。けれども、国産若鶏では出しえない味わいが確実にある。それをきちんと評価してあげなければ、よい鶏肉は皆無になってしまう。
ぜひ、月に一度は地鶏を食べようネ。 宮崎に行ったらぜひ「ぐんけい」を。都内だったらAPカンパニーの「塚田農場」かな。
黒木君、また逢いましょう!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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