これまでで一番美味しいくまもとあか牛を食べた! 熊本の菊池農場

2013年8月30日 from 日本の畜産を考える,食材

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熊本の菊池市で、くまもとあか牛の肥育をしている菊池農場から、7月に2キロほどの肉を送っていただいた。と畜してからの日数が一週間程度だったので、これはもっと置いておこうと職場の冷蔵庫内で保管し、ウェット状態でしばらく置いておいた。

以下、生産者の䑓(だい)さんの記。

個体識別番号 1338042700
平成23年8月1日生まれのメスを平成24年5月9日より肥育
飼料:
配合飼料(畜産農協) 6kg/1日
牧草 阿蘇外輪山の野草、イタリアンライグラス、青葉ミレット、飼料イネ(熊本産)
飼養場所 阿蘇一宮牛舎
枝重 391.9kg
格付 A-2

 

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と畜が7月5日で、食べたのが8月23日くらいからだから、もう50日以上真空パックの状態で寝かせている。僕の経験から言って、粗飼料を多給していればいるほど、ながく熟成させた方が美味しい。ドライエージング熟成を依頼しても、やはり穀物中心の肥育をした個体より、美味しくなるのに時間がかかる。

そう思っていたが、食べてみてやっぱりビンゴ。これだけ置いておくと、味わいの華が見事に咲く!サシが少ないことから、2週間程度の熟成ではうま味も十分に発揮されず、しかも食感がやや堅いと判断する人が多いはずだ。しかし50日置いておくと、赤身部分も実にヤワヤワ。

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脂肪部分にはやはり牧草に含まれた色素が影響し、若干の黄色を呈する。僕ら、粗飼料ずきにはこれこそと思えるものなんだけど。

2.5cm厚さにカットしたのを火入れする時、溶け出した脂を小さいフライパンにあけつつ焼いたのだが、その貯めておいた脂は翌日になっても全く固まらなかった!融点が非常に低いのだ。

火入れは極めてデリケート。肉塊を5回にわたって切って食べたのだが、実は三勝二敗。肉焼きには少し自信があるのだけども、赤身の、かなりねかせたやつは難しい!

しかしその味は素晴らしいものだった、、、いままで食べたくまもとあか牛の中ではピカイチだったと思う。実はこの菊池農場で、完全放牧・完全粗飼料100%のあか牛肥育に取り組む可能性があるのだ。いや、ここなら行けるでしょう。さていつ商業ベースになるだろう。

䑓さん、ご馳走様でした。時間かけちゃいましたけど、いただきました!