2013年7月24日 from
OLYMPUS OM-D ZD50mmf2.0マクロ 白レフ使用
熊本に拠点を置く、九州随一の製菓・製パン界の卸である丸菱さんの仕事をしている。そこのヨシダさんと議論しているのが「九州スタンダードのうどんってどんなだろう?」ということだ。というのも、僕はどうやら一生分のさぬきうどんを食っちまったようで、最近ではコシのあるうどんがちょっと苦手になってしまった。
いま僕がいちばんうまいっと思うのが宮崎うどんである。うどん麺はやわやわであり、汁はいりこベースで甘辛濃い。宮崎でも昔から朝飯からうどん屋に入るというのが当たり前の風景だったそうで、実にオリジナルなうどんの世界だ。
九州の他の県はどうなんだろう?
福岡はさらにコシがないと聞いていた。たしかに空港近くにある、むちゃくちゃでかい座敷が拡がっているチェーン店のうどんはコシなしでこれまた好ましかった。
では、熊本は? これが問題提起なのである。
「いろいろ考えたんですが、ここなんかオレが思う熊本のうどんなんですよねぇ〜」
と連れてきてくれたヨシダさん。
え?これすっげー安直っぽいチェーン店でないですか?
と思ったが、違ったのである!
地方に行くと戸惑うのは、幹線道路のロードサイドにある、比較的大きな店で旨い店が多いと言うことだ。もしこれが東京だったら、ロードサイドにはチェーン店ばっかりで、旨いのは奥の細い道に入って駐車場のない店みたいなことになるので、ロードサイド店なんか入らないぜ!というのが判断基準にもなっている。実際、千葉の外房に向かうロードサイドに、いかにも旨そう!という十割そば屋があるのだが、ここが地雷だ。ぶちぶち切れるへたくそ十割が出てくるまで50分もかかり、しかもお高いので、店を出るときに入店しようとしてる人に「ここやめた方がいいョ!」と言ってしまいたくなるような店アリ。そんなのが結構多いのだ。
けど、地方では事情が変わる。まずお店自体が東京と違ってそんなにたくさん無い。従って幹線道路沿いであってもチェーン店ではない店が建っているケースが多いのだ。そしてだいたいは車社会だから、アクセスがよくて駐車場が広いところじゃないと成り立たない。ということで、地方ではわりとロードサイドの立派な構えの店でも旨いということが多いのだ。
ということでこの「わらじや」に入ると、ムムッと思うところアリ。11時の開店後すぐという時間にも関わらず、女性の一人客がズズズッとうどんを啜っている。しかもオバハンではない、わりと若い女性である。むー
なんかオレ、楽しみかも、と思いつついなり寿司をオーダーし、OLYMPUSのOM-DにZD50mmマクロを装着。
ぬっ 熊本のいなり寿司には具材ははいらんのね!?
「そーですねぇ、はいらんとですねぇ」
ヨシダさんの熊本弁はスゴイ。ちょっとなぞることもできないくらいの強烈な地元感である。ここに文字起こしするのも難しいので普通に書くが、実際には強烈な肥後なまりであると想像して欲しい。
ちなみにうどんはあったかいの、冷たいの、具はいちおう月見やら肉やらあるけど、好きなのをどかどかと足すことも可能。ということで俺はエビ天、ゴボウ天、肉という偉大なる三連星。
やはりいりこベース、関東よりは少し甘めの出汁に、うどんは意外につるつるつるりんと滑らか。そんで、コシはないとヨシダさんいいつつも、ちゃんと芯の方に弾力を感じます。そして西日本の肉うどんといえば牛肉を甘辛く煮たやつ。それから染み出てくる旨み汁も絡んで、美味しい!
しかしこんな暑いなかで熱いうどん食ってたら汗が出て仕方がない!ということで、体と心を冷やすために冷やおろしうどんもオーダー。
横にあるのは丸天。
冷水で引き締めた麺はやはりあたたかいうどんよりもコシが感じられる。しかしさぬきうどんのようなブリンッというコシではなくて、シクーッと歯がめり込んでいくようなコシといえばいいんだろうか。
いやー美味しかった!
ということで熊本うどんの一例を今回識ったわけだけど、おそらくこれみてる熊本人からすると「いやいやいやナニいっとっと!?」
と異議申し立てもあるだろう。ぜひ私に整調熊本うどんを教えて下され。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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