2013年5月15日 from 食材
「工房じあぶら」の小野寺君から、4種類の菜種油が届いた。このブログでもお伝えした、岩手県の大東町で菜種油の焙煎・搾油をする、まじめなひとたちである。
■日本が世界に誇ることができる圧搾菜種油の中でも、岩手県大東町の「工房地あぶら」のものは屈指の美味しさ。
http://www.yamaken.org/mttest/archives/2011/09/post-1783.html
http://www.yamaken.org/mttest/archives/2011/09/post-1785.html
彼らは自家栽培した原料も絞るが、他所の産地から「搾油してくれ」と頼まれる委託業務も行っている。今回、小野寺君のつぶやきで「4種類の油できた、ひとつは試験栽培品」というのがあったので、ちょっとでもいいから舐めたい!とメッセージを送ったところ、許可を取って分けてくれたのだ。小野寺君、ありがとう!
ご覧のようにもうできあがり段階で色が違う。キザキノナタネやななしきぶはこれまでも栽培されてきた品種だが、東北96号とキタノキラメキは初めて耳にした。
菜種は、どんな菜の花の種でも油にしてよいわけじゃあない。野生種のなかには人体に悪影響を与えるエルシン酸やグルコシノレートが含まれるため、これらを含まない品種が開発され、利用されてきた。
けれどもそうした安全性の問題だけではなく、味わいにバリエーションをもたせた品種って無いものか?と思っているのだけれども、どうも焙煎する側の人間からすると「そんなに品種では変わりませんよ」ということだった。僕は2社の搾油担当者からそう聴いているが、どうなんでしょ!?
で、この4種、東北96号は他とまるで違う!これは味も違うんじゃないの?ということで、タメしてみたい。、、、実はまだ試せてません。余裕が無くて、、、
それはともかく、油、大事ですよ!
先日、油問屋につとめる油ガール(?)の青木えまちゃんが久しぶりに会社に遊びに来てくれたのだけども、その時も「いかに日本人が油のことをしらないで使ってるか」について盛り上がった。
そもそも油にバリエーションがあって、どんな意味があるのかを識っている人が少ない。そして時間が経ったり加熱しすぎで酸化した油のもつ毒性などについても識っている人が少ない。よく社員食堂とかの料理人が、「この油には旨みが溶け出してるから、捨てちゃいけないんだ」と、継ぎ足し継ぎ足し使っているというのをよく耳にするけど、これはヤバイ。旨みよりも酸化油の害の方が大きいでしょう。
そして、今の日本の植物油の自給率。たった2%である。それなのに、日本人のカロリー源としては第三位にある。
米、畜産物、油脂類という順番なのだ。ああ恐ろしい、日本人はこんなにも油を採る民族になってしまった。昭和35年からの拡大スピードの凄いこと。(出典は農林水産省)
安全性とかいろんなことがあるけれども、僕はそれより油の味を大切にしたい。いま、我が家にはいわゆる「サラダ油」はない。菜種油(圧搾)、米油(溶剤抽出)、大豆油(溶剤抽出)、オリーブオイル(圧搾)があるだけだ。それらを料理の内容によって使い分ける。どの油も単なる加熱の媒介役ではなく、フレーバーを愉しむためにあると思っている。
中でも一番使うのが菜種油だ。ハチミツのような香り、腰の強さ、どれも素晴らしい。さて小野寺君が送ってくれた4種はどんな違いがあるだろう。楽しみである。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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