2013年4月22日 from
今週末はひさしぶりに熱が出て、ずーーーーーーーっと寝てました。
出張の多い人生を送っていると、溜まった疲れが原因か、ある程度の期間に一度ドカンと熱が出る。木場に住んでた頃は、最後の方は2ヶ月に一度はそんな感じになっていたのだが、引っ越してから少しましになった。12月に住み始めてから初めてなので、まあよかったと言うべきか。昨日の朝に超絶な悪寒を感じて、今だいぶ良くなってきたので、早いほうです。
そんな体調の悪いときでも僕は普通に飯を食います。消化にいいものとかそんなの心がけたことありません。だって胃腸の調子とは別だもの、、、
とはいっても写真のしゃぶしゃぶは本日ではありません。しばらく前のモノだけど。
友人の平井君が送ってくれたドライエージングビーフ盛り合わせの中に、なんとしゃぶしゃぶ用肉が。そう、彼の会社がなんとしゃぶしゃぶレストランの大手に、DABのしゃぶしゃぶ肉を提供し始めるという。
「かなりね、旨いんですよ」
というのに「えええ〜マジかよ!」と反応していたので「ほれ喰ってみろ」と送ってくれたのだろう。長島農園の、とうが立ち始めたルッコラとともにいただきます。
ほれこんな感じ。
A5の肉なんて、という言い方をすると、肉に関わる仕事をしているひとから「なんて」って言い方は無いでしょう、と怒られる。つい先日も言われました。
けどね、いま日本の肉の成績評価としてはA5が一番最上級とされているわけで、言ってみれば野球におけるジャイアンツでしょう?絶対的赤身肉軍団である短角や褐毛の応援をしてる人間が"A5なんて"と遠吠えすることくらい、そんなのに目くじら立てないでよ、と思っちゃうね。
で、そのA5の肉の何がいやかって、やはり脂ですよ。
だからこの脂を適度に溶かして洗い流して、なおかつサッパリとした酸味をあたえるポン酢で食べるしゃぶしゃぶという食べ方は、A4,A5の肉に非常にマッチしたよい食べ方だとおもう。
赤身肉は、筋繊維なので加熱すると大なり小なり硬くなる。けど、筋繊維の中に脂が細かく入ったA4、A5の肉の場合、湯の中でしゃぶしゃぶすると、その脂が溶けて流出し、その流出した跡はスポンジ状態の肉になる。だから、肉質がどうこうではなくて、構造的に柔らかになるのである。これは、短角の肉だとあまりマネが出来ません。
(ま、そうはいっても短角のしゃぶしゃぶも旨いんだけどね。)
しかしもう一つの逃げ道というか方法論があるかもしれない。実はドライエージングをすると、うまくいけば、飽和脂肪酸が不飽和脂肪酸に変わるという話がある。本当かどうかまだ僕はわからない。そういう分析結果があるということだ。もっといろんな実験を重ねていかないと信頼できるかワカラナイし、もともとの牛の個体によっても変わるだろう。
けれども、信頼できる関係者からの話をきくにつけ、そうかもしれないとも思う。
今回の平井君熟成のA5肉も、しゃぶしゃぶだからということを抜きにしても、かなり脂のくどさが抜けていた。ちなみに山形は米沢の黒毛和牛です。脂の探求はまだまだ続く。
それはともかくなんですけど、最近いちばん腹が立ったこと。
日本ではサントリーが出している、フランスオリジナルの炭酸飲料オランジーナ。僕はこれが大好きで、よくやったぜサントリー!と思って賞賛していた。果実のパルプ入りであること、オレンジだけではなくマンダリンなど、風味のある果汁をブレンドしていること、そしてなによりちゃんとした「砂糖」で甘みをつけていること。原材料表示に誇らしげに「砂糖」と書いていたのに天晴れと拍手していた。
本当にちかごろ、日本の清涼飲料水でのみたいと思うものが無くなってきた。どの飲料も砂糖ではない果糖ブドウ糖液糖、アセスルファムk、スクラロースなどの甘味料を使用するようになってきているからだ。
これらの糖類や甘味料は、人体に対する有害性をいろいろ指摘されている。だが、それに目くじらをたてているわけじゃあない。そうではなくて「美味しくないんだもん」というのが最大の問題なのだ!
砂糖しか入れてないものと果糖ブドウ糖液糖のもの、甘味料のものを並べてみればわかる、といってもそんな比較実験はなかなかできない。けれども砂糖の直線的なビビッドな甘さと、それ以外ではまったく違うのがわかるはずだ。
果糖ブドウ糖液糖は、ブドウ由来の糖分と思ってる人が多いようだが全然違います。家畜の餌用であるデントコーンを原料に、非常に複雑な科学的処理の結果生み出されるシロップ。その甘さは砂糖より少し弱く、ライトな風味といわれる。現在の国際的な相場から観ると砂糖より安いので、清涼飲料水で使用されることが多くなった。
でもね、果糖ブドウ糖液糖と砂糖じゃあ、味のガツン度が違うんだよ! だからこそ、「甘すぎない方がいい」という嗜好に傾いてきた近年では使われることが多いのだろう。
しかしこの「甘すぎない」が問題だと思うのだ。甘すぎないことによって「控えめだから大丈夫」と摂り過ぎる人は居ないのか?甘すぎないことで潜在的な意識下で満足できず、逆にストレスが溜まってないか?
他の甘味料だってそうだ。最近のダイエット系ドリンクの味は総じてヘンだ。甘さを感じるけど、動物的な欲求が満たされないヘンな甘さに感じる。
だから僕は、たま〜に『ガツン』と甘いものを食べて満足する方を好む。うちの嫁さんがゼリーが好きでよく「買ってきて」と頼まれるのだが、スーパーなどでゼリーを観るとき必ず表示をみて、果糖ブドウ液糖ではなく砂糖を使用しているものを選ぶ。ゼリー以外でもそう。
オランジーナはその点、砂糖しか表記されていなかったから、2ヶ月に一度くらいは飲んでいた(まあそれくらいの低い頻度だったんだけど)。
ところが!
先日の宮崎出張にて、いつも世話になっている担当女性職員のFちゃんにねぎらいの意味も込めて「オランジーナ、いい清涼飲料水だから飲もう」と缶入りのを買ったのだ。」そんで偉そうに「これはね、実に好ましい飲料でね、裏返してごらん。ホラこの甘さはね、、、」
砂糖なんだよ! と言いそうになってぎょっとする。砂糖の次に果糖ブドウ液糖と書かれているでは無いか!
なんだよぉおおおおおおおおおおお
サントリーさんよぉ、あんたも軍門に降ったのか。
もう買わない。以上、終了です。
さーて明日はたまりに溜まった原稿を書くぜ!このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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