先々週、長崎への出張にニコンD600を試用させてもらった。D800と比べて大幅に軽量なボディにもかかわらず、視野率100%(つまり写真に写る範囲をすべてファインダーで確認できる)を確保。
そして2400万画素というのは実に程よい画像サイズ。D800の4000万画素はすごいんだけど、そのままTiff画像に仕上げて週刊フライデーの連載原稿として送ると、デザイナーさんから「こんなにデカくなくていいんで」といわれちゃう。2400万画素はCPUにi7搭載のマシンスペックならとりあえず不満無く現像処理ができる。
シャッター音は、D800よりもD600の方がぜんぜん好き。「ゾシッ」という低い音であまり響かない。ミラーメカニズムも含めD800よりコンパクトなのだろう。シャッター音が大きいと被写体に走る緊張が違うので、これにはかなり好感。この写真なんかも電車内で撮ったが、横のボックスシートに座ってるおっちゃんにも警戒心を与えない(笑)。これは大事なこと。
ちなみにこれは、諫早駅の売店で朝飯に買った「大村寿司」。
錦糸卵ふわふわの下は椎茸の甘辛煮が乗っている。
もひとつ、練り物の揚げたのが色々あって楽しい長崎で、「おおっ!」と思ったのが「ちゃんぽん揚げ」。マジでちゃんぽんの麺とか野菜が天ぷらになってる!いやーこれは、ジャンクな味だけど旨いです。
ただし、D800と一緒に使ってみて、いくつか戸惑うことがあった。例えば、日中シンクロで純正スピードライトのSB900を発光させようとする。晴天下でフラッシュを使う場合、光の量が多くなりすぎるからF値を大きく絞るか、もしくはシャッタースピードを速くするか、どうしようもなければNDフィルターで全体の光量を下げるしか無い。
D800の場合は、たしか1/4000秒くらいのシャッタースピードでFP発光をすることができた。けど、D600では1/250秒までしか設定できない!これはサービスセンターに問い合わせても「できないんですよ〜」ということだったので、仕様なのだ。でもまあ、1/4000秒だと調光もできないし、だいたいにおいて日中シンクロではF12以上に絞るのでいいのですが。
あと、背面のボタンの数が価格相応に少ないので、僕が割り当てたいワイヤレスフラッシュの調光機能を割り付けることが出来ない。まあこれはある意味、特殊な機能なので一般的には問題ないんだけど。
そんな感じでいくつか「ん?」と思った機能もあって、やっぱりD800はフラッグシップには届かないものの、高級機なんだな、と実感。やっぱサブ機としてD600買うってのはなしかな、と思いました。D800E買う方が理にかなってる。
けれども、もし今までコンパクト機やAPS-C機を使っていた人が、「そろそろフルサイズ買うか!」と思っているのであれば、間違いなく買いだ。写りはすげーいいんだから。しかも高感度、いい。いまからお見せします。
仕事の後、諫早のホテルの窓から外を見たら、近くにいいかんじの河原が。結構、鳥がいるようだ。70-200mmレンズに1.7倍のテレコンを着けてD600に装着し、肩から下げて歩いた。
いままで、テレコンなんて使ったこともないし、今後も使わないだろうと思っていたけれども、とっても便利なものだと開眼。
なにがいいかって、通常の70-200mmだと最短撮影距離が意外に長くて、思うように被写体に寄れない。それが、テレコンを着けると焦点距離は伸びて、最短撮影距離はそのままだから寄れる。
今回はそれを利用して、料理写真を200mm×1.7倍で撮ろうと思って持って行ったのだ。アメリカ人の料理写真専門フォトグラファーの本に、200mmを使うと書いてあったからだ。
でも、その結果は「うーん、、、」という感じ。圧縮効果がありすぎて、こんな詰め詰めの構図になっちゃう。しかも望遠だからボケが大きく、絞ってもピントはこの中の一皿に限定されてしまう。
なので、僕の用途にはあまり合わないかな、という感じ。
だけど、鳥を撮るにはいいですね!ていうか、もともとそういう用途だもんね。料理で使おうってのがおかしいのかもしれない。
ちなみに、実は等倍でみるとすこしぶれてます。これくらい縮小したらあまりわからないけど、それだけ暗かったということ。
70-200mmf2.8には効きのいい手ぶれ補正が内蔵されているのでかなりのところまでいけるけれども、三脚があったほうがよかったかもね。ま、でも野鳥写真は俺には無理だな!
とりあえず結論として、1.7倍テレコンは買う方向で考えてます。D600は今回は見送りかな。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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