2012年11月21日 from トルコ Republic of Turkey
当たり前のことだけれども、トルコではコーヒーを頼むと、トルコ式コーヒーが出てくる。とはいっても識らない人が多いだろうから解説。
トルコで一般的なコーヒーは、豆は通常のコーヒー豆で、トルコ産ではない。というかおそらく気候的にできないのだろう、輸入豆である。これを焙煎した後、ごくごく細かい微粉に挽いたものを煎れる。その煎れるシーンを今回撮影するのを忘れていて、帰国してから「ああっ忘れた~」と慌ててしまった。残念!
日本では挽いた豆をペーパーやネルなどに入れ、上から湯を注いで抽出するドリップ方式が一般的だ。最近ではコーヒープレス機も流行ってきているが、トルコ式はまた違う。
トルココーヒーは、小さな銅製の鍋に極く細かく挽いたコーヒー粉と水を入れ、煮出すのだ。砂糖はこのとき一緒に鍋に入れなければならず、あとからスプーンで足すということは一切しない。だから、注文時に「サーデ(ブラックで)」または「オルタ(砂糖入り)」などオーダーする。旅の途中から僕らが「サーデ」とか言えるようになると、トルコ人のサービスマンはみな微笑んでくれた。
上の写真はイスタンブールのホテルで出てきたコーヒー。このような小さなデミタス状のカップでいただく。上に泡がたっているが、これが大事らしい。ビールの泡にうるさい人がいるように、トルココーヒーでは泡の存在が重要なのだそうだ。煮出しているというとやたらに濃そうなイメージがあるが、そんなことはない。もちろん紙で漉すドリップ方式よりもいろんな成分が抽出されているけれども、煮出すことで酸味など抑えられるのか、呑みやすい。
呑んでいくと、だんだんと下に溜まっているコーヒーの粉が口に入ってくるようになる。ドロドロの層にあたったら、呑み終わりだ。
この呑み終わった後のドロドロの粉で占いができる。カップのうえにソーサーを置いて蓋をして、ひょいとひっくり返す。カップの底が冷えるくらいまで置いたら、カップを元に戻す。このときソーサーとカップのふちの双方についた模様を観て占う。僕は二度観てもらったが、その二度どちらにも「月の形が出ている。象も見える。」とか色々言われたが、とりあえず「むちゃくちゃいいことが起きるぞ!」というありがたい所見。誰にでもそう言うんだろうなと思ってたら、一緒に観てもらってた青木君は今ひとつな所見だったので、おおっと思ってしまった(笑)しかも「何か大きな動物を飼ってるか?」というので、「おおおお、牛を持ってるよ!」と言ったら、ニヤリとされた。どうやら動物と話している模様がでていたらしい。
で、イズミールのこの夕べの散歩で、焙煎所に連れて行ってもらったのだ。甘い甘いロクマを食べた後、ちょうどいい。
「おおー!よくきたね!うちはとにかく老舗だからね!」
と迎えてくれた社長さん。お店のWebもちゃんとあります。
■kucukavci
http://www.kucukavci.com.tr/
上の写真の左上に架かっている写真を見て欲しい。三人写ってるけれども、左側がこの社長さんの若い頃で、後ろがお父さん、右がお爺さん!いま息子さんが頑張っているらしいので、4代にわたるコーヒー屋さんなのだ。
「焙煎してるからとりあえずみてけ!」とばかりに入れてくれる。
と、本当にこの、奥に長~い店の奥に焙煎機があり、豆を煎っている!
焙煎機はプロバットですか?んなわけない!!焙煎機も純トルコ産のものだそうです。
残念ながら豆はトルコ産じゃないけどね、といいながら色々説明してくれるんだけど、よくわからない。僕としては全量がアラビカ種なのか、ロブスタ種も混ぜるのかなど聞きたかったのだけれども、もう少し語学力が必要だなぁ。
さて深煎りされた豆を、超微粉に挽いていく。
できあがりはこうだ!
まってろ、お土産用に詰めてやるから!と、袋詰めしてくれる。えーと、この日ぼくらは一銭も使ってません。いきなり行ってるぶしつけな日本人に、なんでみんなこんなに優しいのか。
そんなわけでコーヒー豆をいただいたのです。本日帰って呑む予定。社長さん、どうもありがとうございました!ご馳走になります!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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