2012年11月19日 from トルコ Republic of Turkey
さて、気取らないトルコの昼食をたっぷりいただいた後、腹ごなしに町歩きだ。実はこの時期、イズミールの町はある人の肖像画があちこちに掲示されている。それは、トルコ共和国の初代大統領であり、「トルコの父」と称されるケマル・アタチュルクのものだ。ケマル氏の偉業については、Wikiなどご参考にされたい。
実はこの翌日(11月10日)が、ケマル・アタチュルクが亡くなった日なのである。イズミールには夫人が住んでいた邸宅があり、いまもそこは記念館とされている。その庭でお茶を飲もうと足を踏み入れると、なんと幼稚園(?)の子供達がケマル・アタチュルクの肖像画に、思い思いの色で塗り絵をしているではないか!
※許可をもらって撮影しています。
これ、すごい教育だな。日本ではどんなに偉人だったとしてもごねる親がいるだろう。トルコとくにイズミールでは、本当にケマルを愛する人が多いのだ。
彼らが大きくなった時、ケマルの記念日には、やはり黙祷を捧げるのだろう。僕もありがとうケマル・アタチュルクと言わねばならないだろう。あなたの国は、日本にとても優しい。
このあと、ケマル・アタチュルクの夫人の邸宅記念館を見せていただいたが、あまりに荘厳な気配を感じ、シャッターをあまり切れなかった。近代トルコ人の歴史の始まりを感じる場所であった!
そしてまた、カルシヤカの町へ。
実は、昼飯を食った時点で、一度は車に戻るんだろうと思っていて、Tシャツ姿だったのだ。昼間のイズミールは暖かい。けれども、車に戻らないうちに日が暮れてきた!けっこう寒い中、ずーっと黒Tシャツ姿で歩いてたので、目立っちまったかもしれない(笑)
トルコの乾物屋さん。店先にはナッツや干し果物類が並ぶ。
どれも日本で買うと高いか、日本では見かけないようなものばかりだ。干しぶどう一つとっても、大きさや色、干し加減などが違うものがいっぱいある。そしてナッツ類の豊富さはものすごい!そうだよな、この辺は産地なんだもんな。
「ヤマケン、おやつを食べていきたいのだけれども、大丈夫?」
とシェブナムさんが聴く。いや、ハラは一杯だけど、断る理由はないよ! シェブナムさんが連れて行ってくれたのは、歩行者天国的なストリートの一角にある小さなデザート屋さん。
ここはあらかじめ話をしていたわけじゃなくて、いきなり行ったのだと思うのだけれども、むっちゃくちゃに歓待してくれたのだ!(ココ以外でもそうなんだけど、、、)
「おお、よくきた、よくきた、日本のひとたち、、、ぜひ食べていきなさい」
と、初対面の僕たちを抱きしめてくれたおじいちゃん。実はこの人、イズミールのスイーツ界では有名なErding Ergezenさんと言う。
■Sami Bey Pastanesi
1715 Sok. No:51/c
Karşıyaka Merkez, Karşıyaka, İzmir
+90 232 381 14 08
なんとこの店は1922年創業!ちょうど90年経っているわけだ。じいちゃんは75歳というから、その二代目というわけか。若い頃はオーストラリアに行っていたそうで、英語堪能。
「うちの店のことを取材してくれたビデオがあるから、みなさい」と言って、店内で上映会をしてくれる。
トルコの人気リポーターが店を尋ね、名物ロクマを食べるというものだったが、言葉はわからなくてもだいたいどこでもこういう取材映像は共通だな(笑)。だいたいわかった。
それにしてもみな笑顔が素敵な人達ばかり。三代に渡る家族でこの店を切り盛りしているのだ。さてロクマを食べよう!
ロクマというのは、とりあえず揚げドーナツのようなものだ。生地を作り、ドーナツ揚げ機のようなものですぽんすぽんと生地を落として油で揚げていく。上がったロクマに、特製シロップをドバドバドババババババと容赦なくかけていく。トルコ伝統菓子らしく、強烈に甘そうなお菓子だ。
けれども彼らのロクマはスペシャルだという。何がスペシャルかというとその生地と揚げ方で、シロップをドバドバかけても内部までは浸透しないという。この加減が絶妙な秘伝なのだ。
それではいただきます!
シロップしたたるロクマにかぶりつくと、揚げてから時間が経って冷えている(ロクマは暖かいのと冷たいの両方いけるらしい。この時間は揚げ終わっていたので冷たいロクマをたべることになる)が、外側の皮はカリンと歯触りが残っている!
上の断面を観て欲しい。乾いちまいとは本当にこのことだろう、上がっている部分と内部の白い部分との対比が鮮明だ。そして外側はシロップに浸食されているけれども、内部はたしかにシロップ漬けになっていない!だから、甘すぎることなく、生地の香りと油の美味しさ、シロップの甘さが絶妙なバランスで口中にて混ざるのである。美味しいお菓子だよこれ!
こちらはミニロクマ。コーヒー飲もうかと思ったら、コーヒーよりいいものがあるよ、と出てきたのがこれ。
いまもってこれがなんなのかわからないんだけども、お米か麦が原料になっているような、トロッとした甘酒状の飲み物です。濃い!シナモンの香りがびったしマッチ!
それにしてもトルコのおやつはハッキリしていて、「ほどよい甘さ」みたいなのはあまり考えてない感じ。甘いものは甘い!と主張してくる。だから、濃厚なトルコ式コーヒーが合うのだろう。ちょっと疲れた胃に、スイーツの甘みが拡がるのでありました。
アーディング爺ちゃん、わかれぎわに、「もう帰っちゃうのかよ、、、別かれたくないなぁ、、、」と目をしばたたかせる。おれたち、ほんの30分前に会ったばかりだよ!?でもなんでこんなに去りがたいんだろう?
トルコの人達の愛情は本当に深い。この店も、マスト再訪である!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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