2012年8月 1日 from 出張
さてようやくこの店のことを書くことができる。というのは、すでに昨年から僕は札幌は北大正門前の味覚園で肉およびホルモンを食べ、その味に驚愕していたのだけれども、これはちゃんとライティングして撮った写真を載せたいな、と思って寝かせてきたのだ。
その最初の衝撃のことも書いちゃおう。2011年6月、北海道はまだ結構肌寒かった。ホクレンの仕事で講演をした後、毎度仲良くさせていただいているT参事が「よし、じゃあ味覚園だ!」と連れて行ってくれたのだ。
「焼肉屋は一杯あるけどね、本当に旨いホルモン食べようと思ったらここだよ。食肉処理状で内臓をとるところから社員を入れて、すっごい温度管理をしてるんだから!」
という。実をいうと、僕にとってホルモンは、舌なめずりするほど食べたいという食材ではない。いや、旨いホルモンは大歓迎だけども、どうも美味しくないというか、生前の牛や豚の住環境の悪さが透けて見えるような、臭いホルモンにたまに当たるのが嫌だからだ。
けれども、この味覚園で僕は衝撃を受けてしまったのだ。
これは北大の正門の向かい側にある「札幌北口店」。
炭焼味覚園コンセプト紹介ページ
これが味覚園のWeb。僕も今知ったんだけど、通常の味覚園と、炭火焼きの専門店の味覚園を二つあるらしい。
店内に入るとすぐにご覧の「厳選牛熟成中」の冷蔵庫が。鮮度が命のホルモン以外の、寝かせた方が旨い肉をここで熟成中。もちろん真空パックをしてのウェットエージングだが、きちんと時間の経った牛肉を食べさせてくれるのだ。
なんとこの日、ぼくを囲む会専用メニューが作られていた。 味覚園を運営するライフコーポレーションの坂口社長は、この前にTさんから紹介していただいていたのだ。
で、ほどなく運ばれてきたのが「元祖氷締めホルモン」と「丸ホルモン」。
「やまけんさん。ホルモンはね、温度管理が命なんです。うちは処理場で、でてきた内臓をすぐにビニール袋にいれて氷詰めし、冷やし込み(急速冷却)します。これをできるかできないかでホルモンの鮮度が大きく変わるんですよ!」
そうして手をかけた丸ホルだが、僕は正直言ってそれほど期待してなかった。だってまあ、ホルモンだろ、、、おれはそれほど好きじゃないしね、と。
ところが、、、俺はもうビックリしましたよ。マジで旨い!ホルモンは内臓だから、例えば腸管を食べるのであれば、大なり小なり腸に特有の匂いがついているものだ。それはまあ仕方がないと思って食べる。 しかし! ここのホルモンは本当に臭みがない!
そして、運ばれてきた極厚の牛タン。
こいつの旨さがもう、、、信じられないほどだったのだ。しかも、ここは肉だけじゃなく、タレの味がまた美味しい。
漫然とタレを作るのではなくて、「これこれこういう味にしようと思って」と坂口社長が明確なイメージで語るのだ。なるほどこれは素晴らしい!
それに、オリジナルのにんにくなんばん。
これが試行錯誤の末に完成したというもので、タレに溶かし込んで食べると最高!
にんにくととうがらしを寝かせて自前で作っているそうで、これが味を深めるのだ。
もう一つここの名物が「塩玉焼き」。つまりタマネギ焼きだ。
こいつが、おかわり必須の美味しさなのだ。
そして、ホルモンではない精肉は、、、
まあ、やっぱりA4クラスの黒毛がくる。この肉には、醤油をムース状にした、その名も泡醤油というものを載せていただく。
どこまで凝ってるんだ!という感じの、薬味やタレの作り込み。この店は断然、肉類の旨い店なんだなぁと実感したのである。
さてこの味覚園、全道内に展開しているのだけれども、本拠地はタマネギの大産地である北見市である。このたび、雑誌の取材で北見を訪れることになったので、行って参りました。もちろんホクレンTさんもご一緒!となれば味覚園の坂口社長もご臨席!偉いことになってしまったのである。
こんな大人数になったのは、タマネギ産地のJAさんも一緒だから。計12名のパーティーである。
でましたスペシャルお品書き!
最初のおつまみから既に旨いんだけど、、、驚いたのが海産物。
「やまけんさん。このもずく食べてみて!」
なんと網走産のもずく!網走でももずくとってたのね!?
「沖縄名物のもずくというイメージがおおきいでしょうけど、こっちのもずくは太くて繊維がしっかりしてて、旨いんですよ!」
おおっ たしかに繊維がギュッと引き締まっていて、ワカメのようなしなやかさ。噛みしめた時にキュッと歯触りがするのだ!北の海のもずく、これはまた美味しい!
肉の皮切りはこれ、坂口社長のお薦め、北海道産サフォークの生ラムだ。
焼き色のついたサフォークを、特性の酸味の立ったジンギスカンダレにつけていただく。サフォーク種特有の、ほどよいクセのなさ。旨さのみが残る端麗な味わいだ!
さて、そこに並べられましたよ、主役級と言ってもいい名物「丸ホルモン」!
側面に焼き色をつけ、縦において脂を適度に溶かす。もうね、この丸ホル、とにかく最高なんだよ!これなら永遠に食ってられる。
しばれ野菜に、、、
北見産たまねぎのサラダ。
大ミズダコの炙り焼き!
そして、、、この時点でこんな凶悪な皿が出てきたのである!
いやーん もうここまででお腹いっぱいなのに~ん なんて言わないゾ!
厚切りタンの悦楽!
卓上が炎上中です、、、
だめ押しのホルモン!
〆はなんと豚骨冷麺。薬味に葱だけじゃなく、タマネギも載っている!
。
いやもうさすがにくえねぇ、となるまでいただきました(といいつつ、前に居た方が手をつけなかったので、二杯いただきました)。
下の写真の僕の左後ろに坂口社長の奥様ご登場。お美しい方なんです、、、マジで年齢不詳。
いやー食った食った。
とにかく、俺の狭い体験の中では、北海道でくった焼き肉で一番旨いのは味覚園であることは間違いなし!とにかく丸ホルを食べに行ってみてください。坂口社長、またご一緒しましょうね!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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