2012年5月28日 from 出張
熊本に来ております。 空港に着くと、イケメン食い倒れ熊本大使のS村隊員が迎えに来てくれていた。
「さっそくですけど、昼食は馬ホルモン煮の旨い店と、イワシフライの旨い店のどちらにしますか?」
な、なんだよ~魅惑的な二択じゃないかよ~でもまあ、ここんとこ肉が続いているので、これはもうイワシかな、ということで連れて行ってもらったのが、熊本県庁のすぐ横!ほんとに、敷地から出ている小径を数歩というロケーションにある「みむろ」へ。
結果的にこの選択が大正解! 人生有数のイワシフライに出会うことができたのだ!
大通りから熊本県庁に至るエントランスは、木々の並木美しい憩いの場。それを左側にひょいと曲がると、ほぼ県庁関係者向けとしか思えない店が並んでいる。
その並びに「みむろ」という、一見すると普通の家?という風情のお店が。
ここが、昼にしか営業しない定食屋さんなのである。しかもその品揃えはかなり偏っていて、、、
フライものと焼肉定食という感じ。しかしこの中で重複して出てくるキーワードが”いわし”なのである。いつもの僕ならミックス定食である。しかしS村君がわざわざ「イワシフライの店」というのだから、それはなにか意味があるのだろう。ここは日替わりBのイワシフライ定食600円にGo! それに、ニラ入り卵焼きもつけました。
12時半を過ぎていたので、店内は一巡して少し空き席ができていた感じ。それでも賑わっていた。そして、お母ちゃん達がもりつける皿には、たしかにイワシフライが載っている率が高い。しかもですよ、そいつがどかーんとでっかい存在感のあるフライなのだ!
ちなみに少しおもしろいのが、卓上調味料類。
フライ中心の品揃えの店の常として、ソースは当然。その横には地元企業だろうか、ヤマア醤油。その隣にお酢、、、しかもとうがらしが二本入ってる。実はこれがこの店最大の特徴となるのだが、このときはつゆ知らず!
はい、先に小鉢~、と出てきました。冷や奴、高菜漬け、切り干し大根ときちんとした小鉢です。それに、ニラ卵焼き。これだけで定食みたいだ。
そしておっつけ来ましたイワシフライ!
どかーんと来ましたぁ!
一目見て思ったのが、分厚い! ちょっと珍しいくらいに厚みがあるイワシフライである。マイワシなんだろうけど、頭をとってこのサイズだから、これはかなりいい型のイワシではないだろうか。そしてこの店の特徴だと思うが、衣がびっちりまんべんなく着いている。ふんわりパン粉だとこうはならない。比較的濃度の高いバッター液を作って、そこにくぐらせてまんべんなくパン粉づけをしているのだろうと推察。この手のフライはソースを染み込ませて食う、素材より衣が旨い系のご飯の友なんだよな。
味噌汁とご飯で、これが定食の全景なり。
さあ、いただきまーすと食べようとしたら、OM-Dで写真を撮っていた僕にお母ちゃんが、
「あら、どこからきたの?」
あ、東京です。
「まー! じゃあ、食べ方教えてあげなきゃね。イワシフライにはソースじゃなくてね、、、」
と言ってるその眼の前でS村君がソースをかけているところだった!
「ああっ ソースじゃダメなんですか!」
「ううん、ソースでも美味しいんだけどね、けどうちのは酢と醤油を掛けて食べるのが美味しいのよ。」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
酢醤油!? それが卓上調味料の秘密だったのか!
ということで、たっぷりと醤油と酢を掛け回していきます。
衣に酢醤油が染み込んだのを見計らって一口がぶり。 この厚みのイワシだからさぞかしと思った通り、食べ応え有り!ざくりと言う食感、噛んだ瞬間からイワシのジュースと香りがブハッと漏れ出してくる。酢醤油を吸ってもカリカリ感の残った衣、そして酸味とすっきりした塩味の醤油が絡み合って、、、
旨い! こいつは旨いゾ! フライとしての身上はじつにストロング。けれども食べ方はアッサリという絶妙のマッチングなのである!
ニラ入り卵焼きもじつにお袋の味で美味しゅうございます。それにつけてもこのイワシフライはご飯のおかずとして実にストローング!
あまりに旨いので、単品200円のイワシフライをもう一本オーダーしちゃいました。
ソースを掛けて、比較検討使用かとも思ったが、そんなことをするいとまはない。
極めつけに旨いな、これ、、、
僕が旨いウマイを連発していると、お店のおかみさんらしいお母さんがやってきて、こう言うのだ。
「もしかしてダンチュウ観てきたの?」
えっ dancyuにのったの?
「そうそう、小山薫堂さんが書いてくれたのよ~」
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
それ、観た記憶があるぜ! そうか、薫堂さんがコラムで書いてたあれかぁ! そうかそうか、熊本県は薫堂さんがPRの仕事でズポッと入っているのであった。先を越された、、、(笑)
それにしてもおかみさん、実にいい感じなお母ちゃんである。
「あのね、女の子に人気のつみれ揚げ。ゴボウとタマネギ、あとはイワシだけ。美味しいから食べて!」
これ、もう立派なおかずである。ご飯大盛りにしておけば佳かった!
カリッホクッと割れて、中にはゴボウの風味とタマネギの甘さが溶け出してる。美味しい。
いやー 最高だねここ。 薫堂さんの後を追いましたが、実に気に入りました。県庁に来たら、またこの店に来よう。昼しかやってないのが残念なくらいだ。
しかしここでちょっとした疑問。イワシフライの定食が600円だが、ミックスフライにはイワシフライも入ってトンカツもあって700円と書いてあった。もしイワシフライが1本まるごと入っているのだとしたら、ミックスフライ定食はすんげーサービス定食なんじゃないか?
次回、この謎を解きに行きます。うぎゃー楽しみ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
本サイトの著作権はやまけんが保持します。出版物・放送等に掲載される場合はご連絡を下さい。トラックバックはご自由に。