2012年4月17日 from カメラ
敬愛する写真家・阿部秀之先生の個展が、六本木ミッドタウンの富士フイルムフォトサロンにて開催されている。今週の木曜日まで(あと二日!)なので、ぜひ足を運んで欲しい。上のJPEG写真なんかじゃ全然伝わらない、すさまじく高精細で、豊かな階調で、しっとりとしたヨーロッパの風景を見ることができる。いやもう俺はビックリしたもんね。やっぱり、デジタルとは全然違う世界が拡がっていた!
■阿部秀之写真展「ヨーロッパの街国」
http://stat.ameba.jp/user_images/20120301/01/abe-hideyuki/d3/82/j/o0800055011824631953.jpg
ずっと撮り続けているヨーロッパの街と、人々の暮らしがテーマです。
ヨーロッパは、たくさんの街国の集まりです。いくつもの異なる文化。新しいものと古いもの。さまざまなものが混在しているところに面白さがあります。
今回の写真は、すべての6×7判フィルムで撮影しました。仕事ではデジタルカメラを使うようになり、便利さと高画質に十分に満足しています。しかし、私はフィルムをやめることはできません。旅先で使いやすい中判カメラがほしいと思っていたところ、GF670と、GF670Wが登場して夢をかなえてくれました。ヨーロッパをブラブラする長旅とGF670は、とても相性が良いのです。
そう、この写真展は、富士フイルムが出している中判カメラ、GF670シリーズで撮影した作品で構成されている。
僕のごとき、素人に毛が生えたようなカメラ好きにとって、「中判」という言葉は甘美に響く。うわぁ、どんな風に撮れるんだろうなあ、と。PENTAXの645Dを週アスのテストレポートで触らせてもらったときなんかは、その超ド級の表現力にビビッタ。そしてデータの書き込みにすっげー時間がかかって、背面液晶に表示されるまでの時間にもビビッたけど、、、
注文入れて、到着を待っているニコンのD800は、とうとう3000万画素を超えて「中判を超えた」といわれているけれども、超えたのは解像度であって、表現力はまた違う話だよね。撮像面の大きさと焦点距離との関係で、写真のとれ方は変わるわけで、中判で撮った写真はやっぱり違う。ハッセル使ってる人には無条件にあこがれちゃうのだ。
で、この富士フイルムのGFシリーズは、単焦点レンズのついた中判フィルムカメラ。いまどき中判カメラを銀塩で出すとは、やっぱり富士フイルムは意地を通す会社なんだな、と思った。
それにしても今回の個展で飾られている写真の中に、なんか標識みたいなのがグワッとたこ足のように別れているのにぐぐっと寄った写真があって(何のことかわからないだろうけど、みればわかる)、この写真にやられた。粒子が見えるというか、空気感てこれをいうのか!と実感してしまったのだ。
六本木方面に用事のある人は、ぜひ行ってみるといい。なんてったって無償だし、その横のほうにはショールームがあって、この素敵な蛇腹式カメラを触ることもできる。
ありがたいことにこの個展を祝してのパーティーにお呼びいただいた。いろんな写真業界の重鎮からお祝いの言葉をかけられていたけど、そのどれもが愛に満ちたものだった。ほんと、素敵なお人柄だからね。
ということで、綺麗な写真が好きな人、絶対に後悔しないから行ってみてください!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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