3.11 から一年が経ったけれども、まだまだ被災地周辺には、仮住宅でなんとかその日その日の命を繋いでいる人たちがいる。昨年の4月から始めた、僕ができるミニマムな支援金募集スキーム、実はずっと続けている。有志の方から申し出のあった支援金をある口座に振り込んでいただき、そこから一切の経費も抜かずに全額を被災地で炊き出ししているシェフに送る。それだけのことだけど、とうとう総額一千万円を超した。
この間、いろんなことがあった。大船渡で先頭突っ走っていたポルコロッソのシェフである山崎純ちゃんは、「さんさんの会」の組織形態がいろいろ変わってきたことで一線を退き、いまは自分の店の建て直しに奔走している。先日、写真をみたらずいぶんと痩せた。今年こそポルコロッソに食いに行ってみたいものだ。
そして、岩手県南の金ヶ崎町名物、金ヶ崎バーガーを創り出した「サバービア」の及川シェフ。彼が音頭をとって、若手料理人を中心に集団炊きだしが数回行われた。クリスマスメニューやケーキ類の充実で、さぞかし被災地の人たちも心が温まったのではないかと思う。そして彼は、この活動にいったんの区切りをつける。「終わり」を決めるのは始めることより難しい。そんな中、ひとまずは自分の店の経営に立ち返ると決めた彼を僕は支持する。
というわけで、継続して支援金を提供する相手がまた、ロレオール伊藤シェフだけになると、ちょっとお金が余ってしまうかなと思っていたら、ちょうど素晴らしい人に巡り会った! それが、この豪快にフライパンをあおる原田シェフだ。
一ノ関と沿岸部の間くらいにある千厩(せんまや)地区。ここの老舗レストランといえば「あさひや」だ。
地元で識らぬもののいないこの店、ご馳走フレンチに始まり、ガテン系の若者も腹一杯になるカレーピラフなる名物料理まで多彩なラインナップを誇る店だ。
ちょうどこの日は、平泉レストハウスという施設で、「いわいの食財応援シンポジウム」というイベントを開催。そのシンポジウムの講演&コーディネーターとして招かれていたのだ。シンポの後は、県南地方の食材を使った料理を、いろんなシェフが披露するという場。
一ノ関駅内にある「カフェ・モンテ」からは、一ノ関ミートという養豚屋さんが生み出した豚肉料理がズラリ!
ソーセージとローストポークを、「エゴマスタード」という、エゴマ入りマスタードで食べるのが実に旨かった!
会場になった平泉レストハウスの料理人さんも、どんぶりモノなどを出品。
銀座カンセイの坂田シェフは、この日の朝に東京を出て夜に帰るという強行軍で、ローストビーフを!
あと、僕が気に入ってしまったのが、「きんいろパン屋」という、毛越寺門前にある直売施設「あやめ」の中にあるパン屋さんだ。ここはなんと、地元で生産された小麦とブドウ天然酵母でパンを作っているとのこと。食パンも旨かったが、この弁慶のわらじパンというのが実に最高。切っているのでわかりにくいがわらじの型どりで、中にはチーズと漬物!この漬物も直売施設で作っているものだから、すべて地域食材というわけである。
しっとりした、岩手の小麦特有の香りと漬物がコリッとくる歯触りがたまらなくマッチ。これは素晴らしいモノでした。
んで、もちろんここに「あさひや」原田シェフも登場!
これらの料理で、来場者も腹一杯!僕も我慢して少しずつ食べてたけど、わりと腹に溜まった。なんで我慢して高というと、、、それはこれから、「あさひや」へ向かうからなのだ! 以下、次に続く。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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