2012年1月17日 from 日本の畜産を考える
本日、土佐あかうしの「強力(ごうりき)」が出荷となりました。試験場で日々世話をしてくれている松崎さんに電話したところ、出荷に立ちあった尾石チーフは「涙ちょちょぎれてました」とのこと。そうだろうなぁ、、、
上の写真を撮った時に 「わしゃぁ、こいつを出荷しとうない、ずーっと世話していたい」
とつぶやいていた。ご覧いただければわかるとおり、強力は尾石チーフにはすごくなついていた。目がギュッとつり上がって、なかなかに勇壮な顔立ちの強力なのに、こんなにかわいらしい顔になっているのは初めてだ!
ちなみに「よく牛農家さんは、自分の牛を出荷する時につらくないの?」という質問をする人が居る。答えは人によって違うだろうけど、やっぱり多くの農家さんが「とてもつらい」と言う。感情移入したくないために名前を呼ばない人もいるくらいだ(名前自体は、登録のため、どんな牛でもつけなければならないのですが)。
松崎さんが、強力の出荷直前の写真を添付してきてくれた。
11月後半の写真よりも、胸部あたりの厚みが増している。うん、ようやく肉牛らしくなったかな。
そして、皆様にお詫びしなければならないことがあります。この強力の肉を、一般のみなさんにも食べていただこうと、短角牛のように焼き肉セットを販売する予定だったのですが、、、
「やまけんさん、アカン、もうすごい勢いで売り切れてしまった!」
という連絡が三谷ミートさんから! 実は、この強力と優男は、普通と違う育て方のため、全部をちゃんと売ってあげないと試験場に迷惑がかかる。そこで、三谷ミートさんに頼んで、最低ラインである枝肉1キロあたり1450円という単価で契約取引してくれとお願いをしたのだ。
ということは、この肉が売れ残ったら、こんどは三谷ミートさんが損をする。だから僕は営業マンになって、いろんな料理人に売り込みをしようとした。その第一弾で、10人ほどの料理人さんにメールしたのだが、、、 その一発でほぼ売れてしまったのだ!
ありがたい話なのだけど、一般向けの焼き肉セットつくれない! 申し訳ありません、僕の自分の食味用のもやっと確保できたくらいなので、ご了承いただければ幸いです、、、
2月に出荷と成る、もう一頭の優男は大きい牛なので、今回のようなことがないように、しっかり一般向けの肉も準備します!
ということで、出荷の報告と、お詫びでした、、、強力、ありがとう。しっかり食べさせていただきますね。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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