2011年11月11日 from 首都圏
うーむビックリしてしまった。僕の事務所は三越前駅から歩いて6分ほど。三越前はちょっと上品な人たちも集まるけれども、オフィス街でもあり、安い店も多い。そんなアンビバレンツな立地に、見慣れない路麺店ができていた。
富士越カメラというライカ好きが集まる店があるのだけど、その隣の隣。
「そば蔵」という店が10月末くらいから空いている。そうかできたのか、と思い、入ってみる。立ち食いそばとカレーだけは、メシを食った後でも入ってしまう習性があるのだ。
入店前に食券を買う式。天かす・ワカメ・ねぎはご自由にいれてください方式。ふうむ、、、初めての路麺店では、かき揚げ蕎麦で総合力をみるのが僕のやり方だ。ここでかき揚げに期待するのは、天麩羅としての美味しさではなく、あくまで蕎麦を美味しくする調味料としての役割だ。
けれども入れ放題具材が充実してるからなぁ、と思ってメニューを見ていると「焼き豚蕎麦」と「ベーコン蕎麦」というのがある。ふうん、、、こういう亜流のを出してくるということは、ちょっとした「売り」なんだろう。気になるな、、、
と逡巡しながらも、焼き豚蕎麦にした。500円也。そして入店。
いやーーーー ビックリしましたね。なんとここ、押し出し製麺方式の生そばである。「焼き豚蕎麦ですね!」との声の後、一人分の蕎麦玉を製麺機にキュッと入れ、セットしてボタンを押すとニュオ~っとトコロテン方式で麺が出てくる。それを手にとって、鍋の中へ。2分半ほど茹でた後、あら熱をとる冷水へ。そこからまたざるにあけて流水でもみ洗い。それを白い磁器のどんぶりに計量して入れる。そこで奥の方に「麺あがりました」の声をかけた。どうやら奥では焼き豚を炙っているらしい。
次に冷たい麺を温める工程。湯にさっと入れて小ザルにあげ、どんぶりも湯で温める。蕎麦をどんぶりに戻して別容器に温めてあるつゆを張り、奥に行くと具材が皿に盛られて渡される。そのチャーシューを載せてできあがり。
「おまちどおさまでした!」
汁を一口飲む。甘辛でやや甘さが勝つ。
これに葱、天かす、ワカメを投入。焼き豚は立派で、しかもへんなハム的焼き豚ではなくきちんと焼いてる焼き豚のよう。その表面がカリッと炙られている。
麺は中太。 、、、旨い! あわててバッグに忍ばせていたオリンパスE-PM3を出して撮影。食べかけで汚くてゴメン。
いやビックリした。この店、旨いわ。
食べ終わってから店のあんちゃんが「いかがでしたか?汁は合いました?」と聴いてくる。少し甘いね、と伝えた後に、探りを入れる。
「10割じゃないよね、外二八かな?」
「いえ、、、うちは7:3です。」
うん、そうか。 小麦を2~3割いれた蕎麦の方が伸びがよくて、のどごしも楽しい。路麺ではそっちのほうがいいシーンも多い。もちろん10割も旨い。京橋のめぐみ屋なんかもいい味。つまりはどちらもアリだ。
ここは近いうちに再訪しよう。それにしてもこんな蕎麦が500円で食えるとは、、、ボリュームも十分だった。末恐ろしい時代になったものだ。
さて、これからまたもや宮崎へ行ってきます。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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