TPP参加後の風景はまだ見えないが、限りなく黒い霧が透けて見える。遺伝子組み換え作物や関連食品、そして日本の基準では認可されていない添加物を拒否できなくなる可能性が高い。いや、先方は確信犯的にそれを狙っているはずだ。

2011年10月20日 from

いま、三重県から帰る新幹線車中。無線LAN接続ができるのでありがたい。

さてTPPに関して、愛媛大学の野崎からメールが入った。引用可とのことだったので。

今月は世界食料月間で、米国では有機食品消費者団体が呼びかけて反遺伝子組み換えのキャンペーン「Millions Against Monsanto」をやってる。

Millions Against Monsanto
http://organicconsumers.org/monsanto/index.cfm

TPPになると遺伝子組み換え食品の規制も圧力がかかる。
米倉経団連会長の住友化学は、モンサントと長期契約して米国内でラウンドアップの改良版を売り、その見返りに日本で遺伝子組み換え推進という構図やね。

米国の遺伝子組み換え批判派と日本は共闘できるので、そっちからの「外圧」を作ることも必要。

海外のことをうらやましく思うことは、きちんと声を上げて抗議をする文化というか、精神があることだ。野崎が教えてくれたキャンペーンだが、ずいぶんと大きくて飛び道具を利用した、粋な「声」のように感じる。日本では生協組織やオーガニック系の団体などがこういうことをやっているけれども、どうも「運動くさいぜ」とみられ、忌避される傾向がある。日本人は「運動嫌い」「主張嫌い」になるよう教育されてきてしまったようだ。俺は運動好きだけどね。結局人生って汗臭いじゃないか。

それにしても遺伝子組み換え作物については、同じようなことを考えていたので空恐ろしいと思った。米倉経団連会長は不遜な輩だと思っていたが、なるほどモンサントと協業していたのか。

モンサントは総合化学メーカーで、ラウンドアップというのは同社の販売する協力な除草剤。そしてもう片方でモンサントは、ラウンドアップレディという、ラウンドアップをかけても生き残る耐性をもった遺伝子組み換え大豆を販売している。つまり、大規模にラウンドアップレディを播種し、雑草が繁茂したところでラウンドアップをブアッと散布すれば、耐性をもっているラウンドアップレディだけが残るという案配だ。

いいじゃん、遺伝子組み換えのおかげで経済性がグンとアップするじゃん、といった声もある(実はそっちが圧倒的に多い)。けれども、いろんな意味でこれは怖いことである。一つのことだけいえば、こうした遺伝子組み換えが今後も進んでいくと、ターミネーター遺伝子というもののが組み込まれ、次世代へつづく種を残せない種が出てくるだろうことが予想されている。種会社は毎年種を買ってもらいたい。だから、収穫した種を蒔いても発芽しないという性質を開発してしまった。モンサントはその最右翼と言われている。

いまのところ日本でも世界でもこうした遺伝子組み換えにはブレーキがかかっているけれども、研究と開発はずーっと進んでいる。正直な話、機密のベールに包まれているから、どんな性質の遺伝子組み換え技術ができているのかわからないくらいだ。

TPP議論が難しいのは「実際どうなるのかよくわからない」というところにある。けれども、放射能に対する態度と同じで、「よくわからない場合は、できるだけ避けよう」という姿勢をとるにこしたことはない。

ということで、米国やEUなどの遺伝子組み換え批判派とは仲良くしたいものだ、と思ったわけである。あ、そろそろ東京だ。今日は、三重県の食品スーパー「ぎゅーとら」で買ってきた伊勢うどんをメインに食べる予定。