2011年7月 4日 from 出張
ホールフーズを出た後、むちゃくちゃたくさんの買い物をしたので一端ホテルに戻る。タケトラは「まだもう一件みたい店があるんで」と、地下鉄駅にタッタッタッタッと降りていく。かっちょいいなぁ、あいつまるでニューヨーカー?と川原・ヒライ両名とささやいていたのだけど、後でタケトラが「実は切符買うのが難しくて、列に二度並びました」と言っていた(笑)
川原君が「せっかくなんでMOMAに行こうと思います」というので、ガラにもなく僕も着いていった。歩いて数ブロックで到着。内部構造を知らないので難解なコンテンポラリーアートの階で時間を食ってしまい、ピカソやゴッホの原画のある階を回る時間がすっかりなくなってしまった!しかも、その下の階にはジャクソン・ポロックとか、写真芸術の階もあったのだ! うわーーーん 館内マップをみてから歩くべきであった、、、でも、アンリ・ルソーの「夢」の前で10分ほど立ちつくしてしまった。俺は呪術的なモチーフに弱いのだ。人生はマジックの連続だからね。
さて、夕食に向けて皆でバスに乗り、途中「ギャラガーステーキハウス」の外観だけ見学(笑)
なんでここで飯を食わないのかというと、コーディネーターのコジマさんの判断による。
「すっごく有名だけど、最近いい評判がないんだよね。ここは観光客がたくさん訪れる場所だから、いちげん客だけでやっていけるということも関係あると思う。」
ふむぅむ。
たしかにこのようにディスプレイされている肉の熟度は、色からしてそれほど高くないように見える。おっと今気づいたが、しっかり英語で「21日間ドライエージングシマした」と書いてある(笑) 実はアメリカでは日本よりも信じられないスピードで熟成が進むようだ。日本で21日間だと、とてもこうはならない。その最大の驚異は最終日に来るのだけれども、それはまた後で。
ということでみなで撮影のみして、とっととバスに戻ったのであった。すると、日本のドライエージングの雄、さの萬の佐野社長がニコニコしながら言うのだ。
「やまけんさん、昼、ピータールーガーに行ってきちゃいましたよ。」
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?
なんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おれはピータールーガーに一番行きたかったのに!
実は今回の旅程にピータールーガーが入っていなかったのでちょっとがっかりしたのだが、それは味が落ちたとかそういう理由があるのだろうと思っていた。で、きてみたらコーディネーターのコジマさんが「ピータールーガーは名店なんですが、バターをどっさり載せて絡めながら焼くので、味がスポイルされてしまう感があるんです。それに、サービスが悪いので、、、」と言う。
んーーーー そういう理由だったら、おれは食ってみたかったなぁ、、、だって、アンクルジャックも、デル・フリスコも、肉にすげー味付けしてたもん。ああ、残念。
でも、もんのすごくサービスが酷いらしい。予約なしで行ったら非常にぞんざいな扱いを受け、席に通されても皿を放り出すように置いていったり。日本人だからということではなく、他の席に対してもそうだったらしい。でも食いたかった!
実は僕がドライエージングという熟成法にあこがれを抱いたのは、「暮らしの手帖」別冊の「ご馳走の手帖」でドライエージングビーフのページがあったのを読んだことがきっかけだ。いま調べたら2000年発行だった。もっと前かと思ったが、まだ11年前だったか。それを、僕の農業の師匠である阿蘇の農園でテーブルに置いてあったのを読んだのだ。NYスタイルのステーキがあるということ、それがドライエージングという、肉を吊してガビガビにさせるものだということ。そしてピータールーガーのステーキがどかんと載っていたのだ。帰ってから自分でも買って、熟成肉のページを穴が空くほど眺めて味を想像したものだ。暮らしの手帖、いい雑誌だよなぁ。大好きだ。
ということで、ぜひ次回(があるなら)は、ピータールーガーも行程に入れてください、コジマさん!
さて、そうこうしているうちに本日の夕食、ヒルカントリー・バーベキューマーケットへ到着。
えーとですね
ウェイトレスのお姉ちゃん達がみーんな可愛いです! ヤバイ! もう男性どもはうきうきしまくり。
まあそれはいいとして。
アメリカ人が薦めてくるビールってなんで軽いのばっかり何だろう。このテキサスローンスターってのも、名前がカッコイイし、テキサスだし、きっとガツンとホップがくるんじゃないの?と思ってたら、すっげーライトぶり。あっけにとられた。ブルックリンラガーとか置いてないの?といったらあるという。なんだよ、あるなら早く出してよ。
それはともかく、大阪の焼肉界屈指の謎の人物、伊藤さんによる乾杯。このハンサム野獣男、本当に最高なキャラクターです。
つきだしのクラッカー&ディップに、コーンケーキが運ばれてくる。
サイドメニューのコールスロー、コーンクリームサラダ(?)、奥はチリビーンズ。
チリビーンズって本当に旨い。挽肉じゃなくて、キューブ状に切ったのが入ってる。豆も味がある。こういう純粋に食欲を追求させた味については適わない部分があるね。
さあそして、どがががーんとBBQが山盛りになって来ました!
手前からポーク、真ん中はビーフの、肩ロース?奥はバーベキュースペアリブ。
なんつっても真ん中の肉がこの厚さですからね、、、
これが一人前。いや、かなりボリューミーなんだよ!
これに、店によって違う、オリジナルのバーベキューソースを塗りたくっていただきます。
やっぱりこのバーベキューリブがいちばんの売りなのだと思う。ただ焼いただけではない、複雑な味にマリネードしてある。パパイン酵素のようなものも配合されているんだろう、肉が骨離れよくかみ切れるようになっている。想像したより甘み先行型ではなく、イケル。ちょっと燻製っぽい香りもするけど、これは燻してるんじゃなくて燻液を混ぜているんだろうなぁ。燻液は正直、好きじゃない。
けど、なかなかによいものですね、BBQ。なんか、江ノ島のトニーローマを思い出しちゃった。と言ったら、ツアーメンバーである、鎌倉のレストラン「珊瑚礁」の武内社長がブフッと笑っていた。江ノ島花火大会の夜、混雑する駅前で煌々とたいまつの炎が揺れていたような記憶がある。
そんなこんなで、この日は熟成肉ではなく、BBQを堪能。そういえばコジマさんによると、バーベキューは純粋にアメリカで生まれた料理なのだそうだ。納得、肉を旨く食べる技術の集大成なんだね。
水戸でステーキを焼いてる石崎君が「あのお姉ちゃんと写真撮りたいんですけど!」とアタックして、快くOKがでたのでワンショット。
楽しい夜でした、、、さて、いよいよ最終日。NYの有力なドライエージングビーフの扱い店が肉の熟成を委託している「マスター・パーベイヤーズ」を視察して、夕食はピータールーガーよりも上だと言われる「ブライアント・クーパー」である。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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