朝一便で高知龍馬空港に到着。この空港には、日本でおそらくここだけという風景がある。それは高知大学農学部による、土佐あかうしの放牧場。空港のロータリーの外周、レンタカー会社の事務所が並んでいる道路の向こうは、もうあか牛の放牧場なのである!
空港との距離は、こんな感じ。ホントに目の前なのだ。
いつも放牧されているわけではないけど、日中は高い確率で20頭程度の母牛と一頭の雄牛の一群をみることができる。ここを通る人のほとんどが気づいていないんだけど、僕はここを観光スポットにしたほうがいいんじゃないかと思っているくらい、愉しい場所だ。
この牧場を監督する、高知大学農学部の松川先生を訪ね、中から放牧場へ。
こちらはだいたいメス牛が仔牛を産み終わった状態。それほどは気が立っていない時期らしい。ちなみに土佐あかうしはほとんど本交と呼ばれる、放牧状態でオスが実際に種付けをすることはない。普通は採取した精液を人工授精でつけていく。けど、この大学の農場では実験のため、放牧での本交を行っているのだ。そういう意味でもものすごくマニアックな場所。
昨年までいた、厳つい顔だけど優しい雄牛は違う場所へ引き取られ、新しいオスが来ていた。
名前は百合伯(ゆりはく)。なかなかに面白い血統だそうだ。
生まれたてのバンビちゃんも。
牛を囲む愉しいひととき。
「この牛たちはちゃんと出荷して大学の収入にしています。それだけじゃなくて、このキャンパスでコメもフルーツも野菜も栽培してるんで、飲食店をやれば名所になると思うんですけどねぇ」
と松川先生。それ、すごくイイ! 学生が働く、高知県の特産品レストラン&カフェができるじゃん! ぜひ、ぜひ、実現してもらいたいものだ。
昼ご飯はちょっと市内のはずれにあるという「桜館」。公文さんが連れて行くのだからもちろん土佐あかうしを焼き肉で出してくれる店なんだけど、ここに名物カレーがあるそうなのである!
なんというか、すごいカレーなんですよ!というのがよくわからず来てみたのだが、メニューを見て確かに笑った。
「野獣カレー」である! ええっ それって猪とか鹿とか熊とか? いえいえ これが土佐あかうしカレーなんです。あかうしが野獣?
そうではなかった。この「野獣」とは、「野獣のごとくに食べるカレー」だったのである!
どっかーーーーん!
肉が!
デカイのがごろんごろんごろんである!
しかもしっかり旨い! スネやウデなのかと思ったが、公文さんいわくもうちっと高級な部位の端っこをごろんとデカイ角切り状態で煮込んである。しかも、柔らかすぎずしっかり食感が楽しめ、なおかつ旨みもまだ肉内に閉じ込められたいい状態である!ルーはとろみ系で、スパイス感を追求するカレーではない。それがまた白飯に合うんだ!
カレーだけではなく、あか牛のホルモンも食べられる。マルチョウにホルモン、
極上ハラミにタン。土佐あかうしのタンが食べられるチャンスはそうそうない。貴重な店だ。
この店、土佐あかうし一筋の嶺北畜産から肉を仕入れている。ということはすべてメス牛!素晴らしい、こんな店があったのか!
実は肉を食べながらずーっと悩んでいた。
「もう一杯食べたい、、、」
俺はこのリビドーと必死に戦っていた。が、あっさり負けた。
「カレーおかわり!」
喰いました(笑)
さすがに、カレーおかわりしたのは珍しい。しかし最後まで飽きることなく食べられた。しかも昨日の夜、また食べたくなった。
俺の中の高知県カレー王座、暫定一位は間違いなくここである。桜館の野獣カレー、喰うべし!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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