僕の短角牛・国産丸のハラミをありがたくいただいた。神楽坂しゅうごにて、感動のひととき。これでまた明日からがんばれる!

2011年6月13日 from 食材,首都圏

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撮影:リコーGXR+50mmF2.5マクロ

先日、と畜センターに出荷した国産丸は、翌日にと畜・解体され、枝肉のまま10日間ほど吊した後に部分肉解体されて熟成に入る。僕の場合、小売り販売するわけではないので、肉の色が暗くなっても問題は無い。だから長期熟成で30日程度は寝かせることになる。従って、通常の正肉が口に入るのは7月以降だ。

しかし、内臓についてはそうではない。内臓はフレッシュさが命だから、解体後すぐに依頼のあった店に直送し、残りは全て冷凍してある。で、今回内臓肉のフレッシュが食べられるのは、東京は飯田橋の「神楽坂しゅうご」だけである。届いたその日に広瀬しゅうごシェフから「むちゃくちゃ旨いッスよ!」という連絡が来た。お客さんにも好評なのでいつまであるかわからないという。僕は明日・明後日と高知出張なので、もしかすると口に入らないかも。うーん

ということで、本日無理をして行ってきた。

 

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飯田橋駅の東口(かな?)からずんずん神楽坂方面へ登っていったところにひっそりたたずむ神楽坂しゅうご。

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坪数が小さいのにいつでも満員御礼のスゴイ店だ。しかも狭い調理場なのに、驚くような料理が出る。

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「これです、これがハラミです!」

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おお、存在感のあるサガリだ、なんかすごく赤く感じる。

「こいつがハラミです」と、サガリより細身になるサガリもここに着いていた。

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これに加えて、レバーが到着しているのである。

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まずは、ヤングコーンのパン粉焼きの上にハラミの筋の部分をカリカリに焼いたのを載せた前菜。

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ん、脂の香りがいい。国産丸は、デントコーンサイレージに加えて小麦のふすまとくず大豆を餌に食べさせている。グラスフェッドではなく、穀物も適度に給餌するという方式だ。しかし、サシはできるだけ入れないで赤身肉の美味しさを追求するのが久慈市山形村のやり方。どんな味になるのかとドキドキしてしまう。

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今日もみるみるうちに大入り満員。早めに頼んでよかった!

「はいっ これが国産丸の肉三点もりです。左下がサガリ、上がハラミ、右下がレバーです!」

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うーん、にくっ肉っおにく!である。 内臓肉の範疇であるハラミもサガリも、食感は正肉に近い。でも、どちらも全く熟成をかけていない状態、いったいどんな味がするのだろうか。

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結論。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお もんのすごく 旨い!!!!!」

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いやビックリしましたね! さちの肉のサガリも旨かったのだけども、メスだったからきめ細かさ、色っぽさが前面に出た味だった。国産丸はオス去勢牛なので、繊維の太さもあり旨みもダイナミック!噛んだ瞬間に、脂ではなく肉汁がジュジュッとしみ出てくるのだ。その旨みジュースの濃さが、さちの時より一段上のような気がした。

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とろけるような柔らかさのハラミにくらべ、ハラミはキュッと締まった肉質。しこん、しこんという歯ごたえが楽しい。

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そしてレバー。

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広瀬シェフ的には「ちょっと使いにくい部分もあったんですけど、今日の側はいいなぁ」とのこと。部位によって今ひとつの部分もあったらしい。しかし申し訳ないけど、今日のレバーは実にクリアな味。臭みありません。

いや、元気が出た! 昨年もさちの肉を初めて食べたとき、泣くかと思ったら逆で、もりもり力が湧いてきた。やっぱり牛のような大型動物の肉をいただくという行為は、とてもありがたいことなのだ。これをエネルギーに変えて、いまから必殺の原稿執筆です。

あ、そうそう、この日の神楽坂しゅうごのカウンターには奇跡のように知己が集まった。

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真ん中の二人が8月1日に開催する赤肉サミットを手伝っていただくK女子ご夫妻。そして両脇の男子は僕の隣に座った二人。その片割れ(左)が「やまけんさん!久しぶり!」と声をかけて来るではないか!なんとむかし、無二路にてパスクワリーノを招いてのオフ会を開催したときに来てくれたAさんだ。示し合わせてないのに、なんでこんなメンツが集まるのか。

ありがたいひととき。そして僕はオフィスに戻った。

実は先日、ある読者から強い調子のメールが届いた。いわく、最近のおまえのブログは牛の話ばかりだ。牛は本来、草を食べるもので、大豆を与えるなどいいことではない。補助金をつけて貧困にあえぐ国に送った方がいいのに、ナニを喜んでいるのだという内容だった。僕は、自分の名前や立ち位置を名乗らないメールには原則的に返信をしないのだが、あまりに内容に腹が立ったので返信をした。そうしたら、このメールをくれた人はなんと野菜専業の農家さんだった。

僕にとって農家は範とする存在である。その方からこんな風にみられていたか、とガッカリした。俺がやってるのは、自国内の飼料を食べることで、他国に迷惑をかけない畜産を推進することなんだけどなぁ、、、と。

そのガッカリ感は今日に至るまで引きずっていたんだけど、それが吹っ飛んだ! ありがたく食べて、それが自分のエネルギーになり、その力を世の中に役立てるために使っていくしかないのだ。もちろん鶏や豚よりもカロリーを必要とする牛を食べるという行為はエゴだ。けれどもそのエゴを、俺は肯定しようと思う。

ではこれから原稿書きます。んで、明日・明後日は高知にて、県知事と土佐あかうしの強力・優男に会ってきます。