宮崎出張、魚と肉の二連戦。

2011年5月27日 from 出張

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今回の宮崎では、宮崎県のさかなを振興する協会で開発中のドレッシング三種の試食評価と、西都市でEMO牛という肉牛肥育をしているところへ視察。

 

まずは宮崎のさかなを振興する協議会にて、開発中の「鰹専用ドレッシング」を試食。○○専用というのはいいですね、今は「何にでも使える」という汎用性よりも、どこの何に合わせると美味しい、と言う方がニッチ感があって面白い。

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これは、鰹のたたき用のタレだけど、宮崎ではたたきとは言わずに「焼ききり」というそうだ。それはいいね、と思ったけど、タタキと何か違いがあるかというと、それほどはない。そこにもう一つ突っ込みどころがありそうな気がする。タレは出汁の効いたポン酢で、ただし柑橘をかぼす果汁で作っている。よい味だけれども、これだとオリジナリティはそんなに無いな、と思ってしまった。

それよりも僕が面白いと思ったのはこちら。

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カルパッチョというか、鰹の刺身を野菜に載せて、ドレッシングをかけていただきますという海鮮サラダスタイル。これに向けたドレッシングが非常によかった。タマネギベースで、油と酢の部分が綺麗に分離するタイプで、案の定ちょっと甘め。

「案の定」というのは、宮崎のドレッシングは甘めの傾向があるのだ。これは、このタイプのドレッシングとして宮崎県内では圧倒的に人気のある「戸村のドレッシング」がやはり甘いからだろう。戸村は焼き肉のタレで有名だが、ドレッシングもかなりのヒット商品で、何を隠そう僕も愛用している(笑)アミノ酸ばっちり入ってるけど、この味はちょっと中毒性が高いのだ。

で、上の写真でこのドレッシングをかけている開発担当者、料理人である彼の名字が戸村さん(笑)けど、戸村のドレッシングとは関係ありません。

このドレッシングはよかった。何がいいかというと、単に野菜にかけてもなぜか美味しくない。それが、鰹と野菜とを一緒にして食べると、やたらと美味しいと感じるようになるのだ。こういうチューニングが、ニッチ心をくすぐる。

もう一種は、こんな時代だからこそのユッケ風タレ。

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大型回遊魚である鰹には、血合いの濃い香りがある。それを逆手にとって、濃い風味のごま油とピリ辛のコチュジャンベースの味は、美味しくないはずがないという味だ。ただし、どのドレッシングも狙っている価格帯に見合う完成度ではなかった部分があって、少し指摘をしておいた。また改訂版を楽しみにしています。

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こんな風なあつらえでいろんな宮崎の魚食を勧めようとしている協議会だ。これからも応援していきたいと思う。

昼は西都市へ移動し、本部うなぎ店。

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西都市ではかならずつく呉汁が旨いのです。

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宮崎のウナギはバリンバリンの地焼きにこゆい甘ダレ。少し味が変わったと思っておやっさんと話したら、タレに入れる砂糖の分量と、醤油の味が少し変わってきているらしい。僕の好みからすこーしだけ外れていたので、すこしだけ変えて欲しい要望を出しておいた。さーてどうなるかなぁ。

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その後はEMO牛の有田社長と対談。ウナギ食ったのにまた肉をいただくことになった(笑)

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黒毛和牛だがほぼ無投薬、可能な限り粗飼料も与え、A3程度の肉を自分のところで販売するというスタイルは僕も共感した。3000頭規模だったが、口蹄疫で殺処分してしまったため、いまは一から飼い直し中。そのためこの肉は20ヶ月齢の牛を購入して、独自設計の餌で飼い直しをして35ヶ月齢くらいまで引っ張ったやつだそうだ。やけにあっさりしている味だと思ったら、なんと昨日と畜したてだという!それじゃあ、普通は味も素っ気もないはずなのに、十分に美味しい。てことは、熟成を3週間ほど置けば、この肉はものすごく美味しくなるんじゃないの?と驚いてしまった。脂質は穀物肥育の香りがブンブンするけれども、それにしても他の通常肥育ものよりはあっさりめだった。

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牛たちも、ずいぶんいい環境で肥育されていて、ゆったりした飼育密度のせいか、あまり神経質そうな黒毛ではない。いい感じでした。純粋EMO牛の復活を心待ちにしたい。

夜の部は後ほど。