2011年5月17日 from 首都圏
そうだ、震災後のごたごたもあってまだ書いてないけれども、4月には恒例の長島農園タケノコ掘りをやったのです。その際に久しぶりに、シチリア料理「アルキメーデ」のキーコこと重シェフと会ったのだ。
「いやー もういろいろ大変だよね。そんでさ、うちもランチやることにしたよ。それと、夜は長島さんの野菜コースもやることにした。コース一本でガッツリ食べてもらうってのをやってきたけど、お客さんによってはそんなにガッツリ食べたくないてひとが居ることもわかったから、、、」
え、マジ? 今頃やっとわかったの? 遅いよ! とも思ったけど、ようやくまともな方向に気づいたか。そう、アルキメーデはシチリア料理の味は最高なんだけど、とにかくこの重の「たくさん食べさせて、ぐうの音も出ないほどにお腹いっぱいにさせちゃう」攻撃で、みな満腹を通り越して苦しくなってしまうのだ。それじゃぁ、なかなか「また行きたい」にならないじゃん。
ということで、すーーーーーっごく久しぶりに足を運んでそのランチをいただいてみた。夜じゃなくてゴメンなって感じだけど、その一皿目に感動した!
パニーニじゃん!
なんで感動したかは、僕が2005年にこのキーコと一緒にシチリアを旅行したとき、思い出に残ったのがこのパニーニだったのだ!
トッピングを指定すればどんな具材もプラスされていく、食いしん坊にはタマラナイやつ。ただしランチだから重が出すのはもちろん、ライトだ。でも、フォカッチャをグリルで焼き目つけたのでトマトとルッコラとちょっとしたハーブ、そして肉の焼いたやつ、、、
「それ、アレだよ。サルシッチャの中身だけ焼いたやつ。シチリアで喜んで食べてたじゃん」
あああああああああああああああああああああああああああ あれか!
コレがまた最高だったのだ、、、カリッとした焼き目のフォカッチャと焼きサルシッチャの組み合わせに、ルッコラなど葉っぱ類がアクセントになる。
「しげ、イイよコレ。パスタなしでフォカッチャをメインにしたランチってのもでもいいんじゃん?」
「うーん、それも考えたんだけどね。でもまずはパスタ食べたいって人が多いから、これでやってみるよ。」
ということ。たしかに、もっと食いたいと思わせるくらいがいいんだよな。ガッツリしすぎは駄目なのだ。それに、パニーニに小さな小皿に山盛りの白インゲン豆と野菜のくったくたに煮たのが入ってくる。
「これ、豆のズッパ。やっぱり、野菜ブームってのがあるけど、俺としては生で食べさせるんじゃなくて、煮込んで旨くなったのを食べて欲しいんだ。」
このズッパ、豆が入るのが実にいい!コクも出るし、食べた感が強くなるのだ。この前菜二種にパスタがつくのだから、これは人気出るんじゃないの???
じゃあ、写真は俺が撮ってあげるよ、ということで撮ってきた。単純にここからは写真をお見せしましょう。なお、パスタは実際に選べるものばかりです。
まずはくだんのパニーニと野菜と豆のズッパ。残念ながらこの日のパニーニの具はサルシッチャではなく生ハムですが、どちらにせよ旨し。
ズッパのスープが野菜ベースなんだけど滋味満載で美味しい。質実剛健なマンマの味ですな。
パニーニは、たまーに気まぐれに、セモリナ粉100%のフォカッチャになることがある、かもしれないそうだ。粉が倍の値段するから基本的にはしないらしいけど、そっちの方が旨いです。当たった人はラッキー、つうことで。
イワシとトマト、大粒ケイパーとオリーブのスパゲッティ。俺的にはこれがベスト!ケイパーとオリーブが入ってるのがプッタネスカっぽいところに、イワシまで絡む。すっげー旨いです。
季節もののボンゴレ?載ってるルッコラは長島農園のサルヴァティカ(野生種に近い)だから非常にビリッと濃い刺激がきますよ。
そしてこいつがまた旨いんだ↓。
カルボナーラなんだけど、パンチェッタやベーコンをメインに使わず、仔牛や豚肉の煮込みを使っているのだ。だから、燻製香があまりしないのだけど、逆にその肉塊の煮込み感が強く出て、ゴージャスに感じるのだ!
これ、ルッコラがやかましくてわからない!からルッコラを外すと、、、
シラスとボッタルガの、ほうれん草入り手打ちタリオリーニ。
これがねぇ、、、乾麺のロングパスタに慣れている舌には新鮮な、たおやかさがあるんです。重ってやつは、こういう繊細なものも出せるんだよなぁ。こっちで勝負しようよ(笑)
おまけ。ナスのインボルティーニ。
インボルティーニとは、なにかで巻きました、って意味らしい。今回はポモドーロのソースで味をつけたスパゲティを揚げナスで巻いている。一つ食べれば腹一杯になる、ちょっぴりジャンキーB級的なお味。おいしいよ。
と、こんなかんじのセットで1200円だそうだ。 1200円?ちょっと、安いんじゃないの? だってエスプレッソにビスコッティと、ちょっとしたケーキまでついてくる。
「まー 量的にがっつりしてないから、気持ちだよ気持ち。」
そっか、その分、お客さんが一杯来ることを祈ろう。
東急線の神泉駅改札を出て左に行き、階段降りたすぐそこにアルキメーデがある。夜に行って、食い過ぎて気持ち悪くなっちゃったよという人もいるかもしれないが(笑)、もう一度、ランチにでも足を運んでみて欲しい。きっとまたちがう魅力があるはずだ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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