東北のレストラン関係者の現況 石黒農場のその後とロレオール、被災地への炊き出し隊が頑張っている。

2011年3月27日 from 農村の現実

数日前にホロホロ鳥の石黒農場のレポートを掲載したが、石黒さんからその後の状況の連絡がきた。

山本謙治様

その後、御連絡しないで申し訳ございません。日々動き、もがいています。
ブログありがとうございます。反響あります。

飼料の件は、未だに入荷しておりませんが、なんとかなっております。やっぱり、小規模農場は弱いですね。

物流も未だにクール便の再開は、県内メドが立っていない状況なので、我慢できずに、本日、山形まで走り、震災後初めての出荷してきます。山形からなら、クール便扱ってくれるとの事なので。

皆さんから、あたたかいメールや電話いただいております。本当に恵まれた農場だと思います。
今から行くとか、餌送ったとか、必要な物送るとか数え切れない励ましいただいております。

注文も100店以上から予約が入っております。

岩手に来るレストランプランは、お堅い人に相談したら、止まってしまいました。平等性に欠けるとかで・・・
でも、ちょっと違った方向で進行中です。

それならば、独自でと思い、ロレオールの伊藤さんに話を持ちかけ、こちらはもうすぐ動きそうです。スピードが大事だと思う。

山形の奥田さんが、炊き出しキャラバンをしていて、月曜日から岩手入りするとの事、 ホロホロ鳥も使っていただけるようお願いしました。ラ・毛利さんも、熱い方なので、岩手に来ると言っておりましたが、奥田さんとスケジュールが合わず、次回持ち越しとなりました。

石黒農場では、ホロホロ鳥を使ってくれているレストランに、ホロホロ鳥を安く買ってもらい、その分を「美味しいものを食べる為の義援金」として、 プールしてもらい、第1弾として3ヵ月後をメドに被災者を招待し、各地からシェフに集まってもらい、料理してもらう会を企画しました。本日、商品と一緒に送ります。細かい事は、全くきまっていませんが、自分にプレッシャーをかけています。

岩手ツアーは、旅行業界のほうで動き出してくれています。その方のメールの一部。

「現地が落ち着いたら、行ってあげること、また その復興振りをみんなにつたえることが私たち業界につとめる人間の役目だと思います。」

ありがたいです。

今日は、久しぶりの売り上げです。正直、うれしいです。

石黒幸一郎

うーん 最後の「久しぶりの売り上げです」を読んで、グッと来てしまった。被災している人にも、家がない人もいれば、家も仕事もあり、食っていかなければならない人もいる。その人達をせめて、東日本に住む人たちで支えていかなければ、と思ってしまった。

さて石黒さんのメール文中に出てくるロレオールの伊藤さんからも熱きメールがきた。

山本謙治 様

無事でした!
震災後にメールを長々と書きましたが、ねぼけ眼で作業していたため、送信寸前に消去してしまいました。
その後、沿岸に炊き出しに行き、その光景をまのあたりにしてから・・・あまりにも・・・・・
何をどう伝えてよいかわからず・・・・・メールできず、遅くなりました。
現地の状況はというと、私の文章力では表現するにはむずかしく
軽はずみな表現になるといけないので、控えさせていただきます。

当店は内陸部にあるため、揺れだけですみ、グラス類、皿、一部備品とうの破損と建物は多少のヒビ、冷暖房の水漏れ程度でした。
大変な地震でしたが、おかげさまで当店スタッフまた皆の家族とも無事でした。
ライフラインも3日程度で復旧しましたのですぐ営業の準備はできました。
しかし、ガソリンと震災の影響で道路状況の悪化と流通が麻痺しているので仕方ありませんが、お客様が動きません。なんといっても精神的なダメージが大きいようです。

仕入の方はほとんど地場のものしか使わないので野菜は問題ありません、ただ、肉は県内の流通でもクール便が動かないとだめです。岩手は広すぎます・・・
魚は残念ながら壊滅的です、海に魚はいますが獲る手立てがありません。しかし、被災した沿岸ではもう動き出している人たちもいます。家も船もながされても・・・・・

炊き出しは、これくらいなら自分もできると思いスタッフに言ったところすぐにいきましょうということで・・・
店の体制は整いましたがお客様が動けないので、今までお世話になった方々へのせめてもの恩返しです。
私も県水産関係や工業技術センターの関係でいろいろと関わってきたので出来る限りの事はしたいと思います。これからしばらく炊き出しは続けようと思います。

先週、今週は気仙沼、志津川、歌津、石巻に行ってきました。避難所ではこども達が本当によく働いています。
よくよく、こども達をみると体を動かして何かを紛らわせているようなところも感じます。ほんの少しだけ垣間見せるその姿をみると胸が締め付けられます。これからが避難所生活もストレスがたまり大変になると思います。

今は庄内アルケッチャーノの奥田君と一緒にいろいろまわっています。われわれシェフ連合も長期的なスパンで考えています。
炊き出しのための食材提供をしてくれるメーカーさん、生産者さんが増えてきています。

そして東京あたりからも炊き出しに同行させてほしいと言ってくれるシェフの方々がいること。とても心強くおもいます。
ただ、永いお付き合いをお願いしたいので、現場をよくみていただき、復興していくなかから生まれてくる生産物を少しでも買って使っていただけるようにお願いしていきたいと思います。

先日は辻口シェフもわざわざ来てくれました、しかも3t車にラスクを満載して2万5千個も。多忙なスケヂュールをぬって夜通し車をはしらせて・・・ありがたいです。来週は大船渡・小石浜と釜石のまだライフラインがなにひとつ復旧していない小学校でやってきます。

今回の震災による影響と原発の追い討ちで日本の経済も変わるのでしょうね。
食に関してもスローフード、地産地消という言葉もだいぶ聞きなれ、飽食の時代からの転換期にきたのではと思っていました。
食に関わるすべてのこと、様々な問題を整理し本当の意味でお互いを思いやる仕組みに少しづつでもいいから変わっていくことを切に願っています。まさにやまけんさんの言うエシカルで。

これから復興にむけて歩みはじめますが、岩手あるいは東北の食を発信しつづけていこうと思います。三陸沿岸は地形的に交通網もよくないですが、来県していただいて食事をしてもらい買い物をしていただくのが一番のことだと思います。やまけんさんも東北のものを買う機会がありましたら、なにかひとつでもいいですから上乗せして買ってくださいね!

われわれも単なる支援ではなく一緒に歩んでいけたらと思います。先日、石黒君と別件で連絡をとりました。すぐに取組みをはじめましたので、それについては、また報告します。多忙な毎日をお過ごしと思いますが、どうかご自愛ください。

ロレオール 伊藤

炊き出し隊が頑張っている状況はテレビなどでも観ていたが、東北部のシェフ達(東京も)がどんどん向かっているようだ。現地に入っていない我々は、せめて伊藤さんが書いておられるように「東北のものを買う機会があれば、上乗せして買う」を実行したいと思う。

ご両人、状況に負けず頑張ってください!こちらでやれることがあったらすぐに連絡を。