いや美しいお芋です。細身だったこともあるけど、栽培方法もいいのだろう、すんなり早い時間で火が入った。
実を言うと、サツマイモやジャガイモ、クリなどのホクホクしたものはそんなに得意じゃない。こういったでん粉質のものは、でん粉が糖化して甘くなるからだ。けれども、たまに食べるとこんなに美味しいものもありませんね。
この品種の名前は「花魁(おいらん)」。日本いも類研究会によれば本品種は明治初年にはすでに九州地方で成立していて、関東へも渡ってきていたらしい。かなり歴史のある品種ということ。
紫芋のようにドダーンと全部が紫というのではなく、中心部がほの紫に染まるのが通常のパターンらしい。先のエントリで断面をみせた個体は、ちょっと派手なものだったかもしれない。
アントシアンの色素は加熱するとぼけてしまうが、そのボケ具合がいい感じのマーブルになる。
いもをくれた伊藤さんの言葉。
先のメールにも書きましたが
「おいらん」です。 いも おいらん で検索すると
結構出てきます。
「花魁」とかいてあるものもありました。
ほっそりして、紅が差したような内面
ふかすともっちり・・・・妖艶ですなぁ
つくりにくく収量が低いのであまり普及していませんが
戦後から60年以上も大事にされていた意味もどこかにありそうです。種苗登録がひらがなか漢字どっちなのかはわかりません。
食べてみてね
食べました。ホクホク感は抑えめのネットリ系品種ですね。というより「シットリ」と言った方がいいかな。実にたおやかな、名前の通り美麗な印象を受けます。強く前に出てくる甘さではなくあくまで控えめ。そしてなんともいえない風味があって、食べていて飽きません。
いいものをいただきました、、、ごちそうさまでした、伊藤さん!
その伊藤さんとの対話で、有機農業とそれをとりまく誤解の嵐の話を、あとで書きたい。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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