2010年12月29日 from 出張
さて十勝の夜は、一次会を生産者さんらと共に鍋を囲んで喧々がくがく。十勝の農業関係者さんはみんな面白い!そして独自の発想をもってやっておられる方が多い。いわゆる農協系統出荷をしている人もいれば、そうしたところから離れて独自の流通をもってやっている人もいる。広い面積と土壌に恵まれているが、冬期は雪で全く生産が止まってしまうという十勝の風土の中で、何らかの事業を切り開いてきた人たちだけに、アクが強くて面白い。
そんな中で、これまで僕もずーっと味わい続けてきたのに、初めて生産者にお会いするというものがあった。
「牛トロ」である。
この食い倒れ日記に繰り返し書いてきている、帯広の夜は必ずここへ行け!の店に「金ちゃんの店 吟寿司」がある。この吟寿司の看板商品というかネタが牛トロ寿司なのだけども、その牛トロというのは一枚肉を切り出したものではない。僕も初めてこの店を訪れたときにはよく理解していなかったのだけども、ここの牛トロは面白い商品だった。
元となる牛は、ボーンフリーファームという肉牛生産集団が、エサや飼い方を非常に工夫して育てているものだ。写真をみると、くまもとあか牛なども飼っているようで、一度みに行きたいと思っている。
■ボーンフリーファーム牛トロのWeb
http://www.gyutoro.com/story/index.html
エサの配合が掲載されているが、ここのエサに使われているアースジェネターという製品は、かの和牛コンサルタントである松本大策先生御用達の逸品で、これを与えた牛の肉の脂は、いやな香りや味がしなくなる。
そんでこの牛を、衛生面に非常に配慮しながらカット・凍結・粉砕し、シート状にして冷凍したものが牛トロという商品なのである。この商品を開発し、販売をしている十勝スロウフードという会社の社長が藤田さんだ。
彼とはメールでのやりとりをしたことはあるけれども初めてお会いした。で、「やっぱこの二人なら、金ちゃんに会いに行かないとね!」ということで一次会終了後、吟寿司ののれんをくぐったのである。
やっぱり、十勝の寿司といえば金ちゃんの握りである!
十勝の寿司界のプリンス、ケンちゃんもお元気!
「あんまり遅いからもう閉めようかと思ってたよ!」
いやーゴメンナサイ。牛トロ寿司お願いしまーす。
「牛トロだけでいいの?」
ん、そう言われるとなぁ、、、じゃあサバとシャコと穴子とタチも!ということで結局かなり喰ってしまった!
さてそして満を持して出てきたのが牛トロ寿司!
ちなみに十勝スロウフードの牛トロを使って握りを出している店は他にもあるそうだ。その多くが、単にこの牛トロをカットして握りのネタとして使っているというもの。しかし!吟寿司の牛トロ寿司はそうしたものとは一線を画している。金ちゃんが開発した、秘密のミソがあるのだ!これをチョイとシャリのうえに噛ませて握ったのが牛トロ寿司。このミソが存在することで、牛トロの透き通るような透明感のある脂と赤身部分の旨味が、ドカーンと膨らんで美味しく感じられるのである!
こちらは牛トロを軍艦にした牛トロ巻き。これにももちろんミソがたっぷり。過去ログにも掲載した牛トロ太巻きは、魚介類と牛トロとミソをどかーんと巻き込んだ超ゴージャス版だ。いやー やっぱり変わらず旨い。
藤田さんもしみじみ「金ちゃんに使っていただいて本当に助かってます」と漏らしていた。やっぱり、メーカーがいい商品を作っても、それを伝える人が居ない限り軌道に乗っていかないからね。金ちゃんとの関係は大事にしてあげてください。
そんな吟寿司でこんなのを発見!
牛とろ金ちゃん丼!?すげー 喰ってみたい。
ところで最近、吟寿司には中国や台湾からの客が多いそうだ!
「なんか、向こうで出てるこんな雑誌にも載っちゃったんだよ」
「飲食男女」!すげー名前だ(笑)
向こうから観たら北海道はものすごーくブランド価値の高い旅行先。吟寿司の味はクッキリはっきりしているので、外国人には非常に受けるだろう。
金ちゃん、おそくなってスミマセンでしたね!美味しかったです!また来年もよろしく、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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