2010年11月 6日 from 日常つれづれ,農家との対話,農村の現実
いま、山形に来ています。やっぱり蕎麦がうまい!
けど、このエントリはそうではなくて、先日走り書きしたTPPについて、メールでの反応。
まずは、農工大の客員教授、福井先生。
さて、TPPの件 この呆れてしまう議論 特に前原氏は大臣の器ではないですね・・・
先日、商工会議所の部長級の方々と議論をしました。
理解いただいたことは 次の三点でした。
1.農業を業だけの視点で議論すること自体ナンセンス
2.農的営みによる 食料の安全保障は別物としてとらえるのは当たり前
3.農的営みによる 治山 治水が 国土の保全となっていることも別に考えるこの点で、私は 国土安全保障省をつくり 国土の保全、そして食料の安保などを一括で責任を持ち、10~20兆円ぐらいの予算を計上する必要があると指摘したところ賛同いただきました。
例えば、上流部の農的営み 治水 治山に大きく貢献する農的営みには 例えば一反当たり200万円ぐらい支払う(これは、ある意味山間地のじいちゃん ばあちゃんの半公務員化とでも言えるかもしれません)
そして、段階的に 100万円 50万円と貢献度によって直接補償をする。
また、食糧安保につても 検討するなど 革命的な措置が必要だと思います。
尚、ギリシャの時代 プラトンがアリストテレスに質問した答えが面白いですよ。
国家にとって一番大事なものは何か?
当たり前だろう 食糧だ 食料を自国で確保することが 国の一番最初にするべきこと。
といった問答です。
次に農家。おなじみ三浦半島の長島勝美君。
ブログを読んで、
確かに書かれていることは納得します。なんの対策を講じずこのままで良いわけではありません。
前原さんの言われる通り、農業以外の産業もこの国にとって大いなる財産であるのは間違い有りません。農家は少なくなるとお思います。でも真の農業者は増えると思います。
ドイツネタで申し訳ありませんがEC加入後(EU前の話)のドイツもそのような状況に飲み込まれました。
農家という家族単位の生産者は淘汰され減少しました。
このような産業構造の中のドイツに研修へ行ってそれを肌で感じることは実は私のテーマでもありました。
今でも日本の農業人口とドイツの農業人口を比べると日本の方が多いんですね。
国土は98%、ドイツの方が少し小さいのですが、自給率9割をしめるドイツの方が従事者はすくないんです。農業は経済活動だけを評価するモノではないと思います。
農業は文化です。芸術性もあり生産性もある。
しっかりと管理された田畑はやまけんが知っている通りとても美しいモノです。
それが生態系を保存しているところもあります。
コウノトリやトキを復活させても日本の農業が無くなれば彼らの生存する場所も失います。
決して絶滅危惧種だけの問題ではありません。一生産者として、私はこの日本国民を信じます。
TPP加入してもかまいません、でも日本文化や原風景を守る国民性が私たちにはあるはずです。
ドイツ人を妻に持つ私が言うのも変ですが、日本で根付いた農業は他国では出来ません。ここでしかできないんです。
TPPに反対はしません、でも他産業者や国政、国民が農耕民族である原点をいかなる形で守るのかその責任を負う覚悟があれば良いと思います。
もちろん私たち農業者も変化を迫られます。
その変化に柔軟に対応できる知識や技術を持ち合わなければ成りません。
私は今は国民よりも同業者の方を信じていません、変化に耐えうる人は少ないと危惧しています。新規参入が増え農業に活力を持たせることが今の農業に求められていると思います。
ドイツに研修へ行くと決めてから、このような問題がいつ来るのかと思っていま
した。
私にとっては遅いくらいです。
生き残れる農業していきたいと思います。
いろんな意見がありますね。もっとどしどしどうぞ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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