2010年9月28日 from 出張
「高知県民がチキン南蛮っていわれたときに思い浮かぶのはね、宮崎の本場のものとは違うんですよ」
と、三谷ミートの専務に言われたのが、すごーく気になっていたのだ。
チキン南蛮はいわずとしれた宮崎県発祥の食べ物。このブログでもイヤというほど書いてきたけど、高知県バージョンというのは初めて耳にした!
「あの、宮崎のは、白っぽいマヨネーズベースのタルタルでしょ?高知のはね、マヨネーズにケチャップ足した、オーロラソースみたいなので、そんなに高級っぽいのじゃないんですよ(笑)」
きけば、この高知版のチキン南蛮の名店といえば、路面店では「鶏心(とりしん)」、チェーンであればお弁当やさんの「如月(きさらぎ)」だそうだ。如月といえば、高知県内を歩いているとどこにでもある弁当チェーン。店内にコンビニも併設されていて、チキン南蛮弁当を頼んだ客は雑誌コーナーで立ち読みして時間をつぶすというのが定番ということだった。
「如月はチキン南蛮弁当でもってるようなものです(笑)」
というのは本当なんだろうか。ぜひこんど、如月で買ってみたいものだ。
と思っていたら、県の仕事で行った今回、担当の山崎さんが初日の昼食を、路面店の「鶏心」に設定してくれた!
「昼になると激混みになりますんで」
と、11時半に店に向かう。以前は商業ビル内に出店していたそうだが、あまりに鶏心めあてで来る客が多すぎて、単店として出店したそうだ。
完全に鶏料理ばっかりのメニュー!
む、チキンナンバン定食はもとより、けっこうソソル品揃えだ。唐揚げとか辛子炒め定食とか、喰ってみたい。
しかしそれより僕の興味を引いたのが「チキンカレー」。わざわざインドカレーと書いてある。うーん
「まよったら喰え。 一食一会なり」
を格言とする僕としては、頼まざるを得ない! ということでチキンナンバン定食とチキンカレー!
程なくして運ばれてきたのがスープ。これがここの定番だそうだ。
そして、、、
どっかーん!
広角にして撮ったからスケールが縮小されているかんじだけど、でかいのだ、この一枚のチキンナンバンが!
かかっているソースは、三谷専務がいうとおりのオーロラソースのような、しかも固形分がほとんど含まれていないようなソース!
注目の肉はもも肉、衣もかっちりまとわせており、甘酢ソースが濃いめに絡んでいる。とってもジューシーな印象。たまらず口に運ぶ。予想通りの濃い味!甘酢の段階でかなりググッと唾液が動員される濃い~味。それにトマトっぽいうま味の強まったタルタル(というのかなぁ?)ソースが絡まる。なおかつ、鶏もも肉からジュッと汁が、汁が!
かなりの量の白飯だが、これは食えちゃうね!
他のテーブルの労働者風の若い兄ちゃんたちは大盛りご飯を頼んだようで、すげー盛りのご飯が運ばれてきていた。でも、このチキンナンバンなら、あの量の白飯でもいけちゃうねたしかに。
さて、チキンナンバンをやっつけている間に、カレーも運ばれてきた!
「まあ、インドカレーって書いてあってもね、地方にいくと全然インド風じゃないカレーが来るのがおおいよね」
などと思っていたのだが、それが大間違い!
手前の皿を見ていただければお分かりのように、赤く染まった油が浮かぶ、実に素敵な見栄えのカレーではないか! スパイス類の香りはだいたい、水ではなく、油でないと溶けださない。だから仕上がりがこのようにオイリーになるのが普通だ。
このカレーがですな、実に、実に美味しいのだ! いやビックリ。まさか高知の、しかもチキンナンバンが名物の店でこんな完成度の高いカレーに出会えるなんて、、、
「辛口」と書いてはあるが、それほど辛口ではない。それよりも本当に、カレー専門店に来たかのような味である。
しかもサラダの盛りもよければ、ドレッシングも旨い。なんとも、レベルの高い店である。
高知県畜産試験場のカレーマニア、恒石ぼーたろー氏はこれ、食べたことあるのだろうか?高知、あなどりがたしである。帰り際に会計をするおかみさんらしき方に「インドカレー驚きました」といったら、「この辺じゃああいうのやってる店少ないからね」と笑っていた。
いやー また喰いたい。あ、でも今度は「如月」のチキンなんばん弁当だ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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