2010年8月23日 from 口蹄疫を考える
農政ジャーナリストの会という組織がある。農と政治に関わるジャーナリストが名を連ねる組織で、僕も長いこと在籍させていただいている。月に一回の勉強会があって、集中的にあるテーマに関する人を呼んで話を聞くのだが、この数ヶ月のテーマは「口蹄疫」。
ただし、原則的にオフレコで話を聞くことになっていて、これまでもあまり書けなかったのだが、今回はなんとオンレコ。それも話者である篠原孝さんの希望でオンレコということ。さすがだ。
篠原さんについては過去にも書いたかもしれないが、、、農林水産省のキャリアとしてGATTウルグアイラウンド交渉などに従事し闘った後、農水省直轄のシンクタンクである農林水産政策研究所の所長になられた。いまは普通に使われている「環境保全型農業」という言葉は、この篠原さんが作った言葉である。
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篠原さんが政策研所長だった時代、僕は農産物流通のベンチャー企業へ転職したてで、ある人の紹介で篠原さんに会いに出かけたことがある。そのとき、僕の経歴や話を聞いた篠原さんがまじまじと僕をみながら放った一言に、僕は心底びっくりしたのだ。
「君、うちの研究所に転職しなさい。それがいい。いや、そうしなきゃダメだ!いますぐその会社辞めてて来なさい。」
ムチャクチャである。だって俺、転職したてだもん。 もちろん丁重にお断りしたけど、それ以降ことあるごとに「あのとき来いって言ったのに」と何回か言われた。ホント、ありがたいことである。
(ただし本当に研究員になってたら、いろいろ問題を起こしてすぐに辞めていたことだろう(笑))
その後、いきなり篠原さんが政治の世界に出馬(長野一区)されると聞いてこれまた驚いた。見事当選して民主党議員になられたわけだが、その後は有機農業推進法の立法に関わった以外、農林水産政策にどのようにコミットしているのか、あまり伺えなかった(僕の情報収集が足りないだけだが)。
それが、赤松農林水産大臣体制が崩れた後、いきなりの副大臣招集である。うーん このタイミングでか!とちょっと首をかしげるところもあるけれども、でも嬉しくなったのも事実である。識っての通り口蹄疫の現地対策委員長になり陣頭指揮を執っていた立場から、今回の会では話をしてくれたのだった。
要点だけ備忘録的に書いておく。
※ただし僕の理解が及ばず、篠原副大臣の意図と違うことを書いているかもしれないので、あらかじめお断りしておく。
まだまだいろんな話があったのだけど、僕の耳に残ったのはこんな感じ。中でも最後の「日本の超過密型畜産はオカシイ」というくだりを聞いて、僕は安堵した。
ああ、やっぱり篠原さんは篠原さんだ。この、浮世離れしているとも言われそうな態度を、ぜひ貫いていただきたいと強く願うのだ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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