2010年7月27日 from イベント
僕の会社では、一般向けではなくシェフや料理マスコミの人たちだけを招待して開催する食のセミナーを、ほぼ毎月のペースで開催している。昨日は、岩手県北部の重要な作物である「やまぶどう」をとりあげた会だった。会場は、東京ガスのゴージャスなキッチンスタジオ「スタジオ+G (プラスジー) 銀座」。最初は座学、その後、一階上がって料理デモンストレーションと試食という、2フロアを使わせてもらった豪華な会になった。
それにしてもヤマブドウである。
この果汁をつかって、料理人を唸らせてくれ!という難題にとりくんでくれたのが、ラトリエ・ドゥ・ジョエルロブションの飯塚シェフだ。
「やまぶどうかよ~ うーん、、、 牛肉とかさ、わかりやすいお題にして欲しいなぁ!」
とぶつぶつ言いながらも、がちっとやまぶどうの味が際立つ、そして6種類のやまぶどう果汁それぞれの特製を見事に活かした料理を作ってくれたのである!
前菜:
フォアグラのロワイヤル 軽く泡立てたパルミジャーノ 紫雫のエッセンス
(紫雫ゴールド)
フォアグラのロワイヤルはいうなれば茶碗蒸し、その上にほんのりやまぶどうジュースを詰めたものを挟み、うえにパルミジャーノの泡をふんわりと盛る。
「これは僕も驚いたんですけど、普通はポルト酒を間に挟むんですね。けれども、やまぶどうの味はポルトに匹敵する強さがあるので、十分いけます。そして重要なことなんですけど、コスト的にもこちらのほうがお安くなりますね(笑)」
おおっとなるほど!さすが料理人としての視点である。
メイン:
佐助豚バラ肉のやまぶどう煮込み たかきび粉のパンケーキを添えて
(大野旬味だより、紫雫ゴールド)
佐助豚は二戸市の久慈ファームが育てる良質な銘柄豚。そのバラ肉を大野のやまぶどうジュースで煮込んだものに、紫雫ゴールドを煮詰めたソースでいただく。いやーこれ絶品。
これにも佐助豚のベーコンがみじん切りになってソテーされたものが入っている。そのせいか、たかきび独特のクセとベーコンの燻煙香があって、野太い味になっている。
デザート:
三谷牧場のフロマージュブランのムース やまぶどうのジュレと供に
(やまぶどう冷凍果実)
デザートのフロマージュブランは、16頭のジャージーを放牧で育て、生乳をチーズに加工して販売する三谷牧場のもの。いぜん、別のテーマでセミナーをしたときに、飯塚シェフがここのチーズをみて「ん?これなになに?面白いなぁ、、、」とものすごく興味をひかれていたものだ。念願かなってこの日はデセールに。この日、生産者の三谷夫妻も来ていたのだけど、「こんなすごいシェフに料理していただけるなんて!」と感動しまくっていた。
会が終わって、スタッフ一同で試食させていただく。
「トンポーローだな、まるで」と笑う。たしかに!
今回、スタジオ+Gを使わせていただいたのはこれが初めてだったけど、非常に素晴らしいスタジオだった、、、今後もぜひここでイベントやっていきたいと熱望。
皆さんお疲れ様でした!ご来場いただいた皆様もありがとうございました!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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