口蹄疫 とうとう恐れていたことが起こってしまった 宮崎県内ほぼ全域に拡がってしまいつつある。これは、本当に九州全体に波及する恐れがある。 僕らにできることは「予算いくらかかってもいいから封じ込めよう」と言うこと、そして「宮崎県産お断り」という風評被害を無くすこと。

2010年6月10日 from 口蹄疫を考える

まだ公式ニュースには載っていないと思うが、とうとう宮崎市内を含む数カ所での疑似感染が出たもようだ。ここまでよく保ったとも思うが、結局全域に拡がっている。そして、このウイルスには潜伏期間があることを考えると、まだこれでは終わらない可能性が高い。事態は最悪の状況に向かいつつあるけれども、それは「宮崎県にとっての最悪」であり、それを超えると次は「九州にとっての最悪」、そして「本州」、「全国」に波及する可能性がある。

まだこの口蹄疫の問題を大事と受け取っていないメディアがあるようで、口蹄疫がらみのニュースはだんだん枠が小さくなり、責任問題追及とかそういったところに収束していくような方向性だ。けれども、そん~な話ではないからね。この日本から数兆円の産業がスパッと消えてしまう可能性の大きい話なんだからね。

何かが消えて、新しい何かに転換されるという話しではない。畜産という大きな産業に携わる生産者、ブリーダー、飼料メーカー、配送業者、と畜業者、精肉業者といった人たちのメシの種が瞬間的に消えるということだ。これらに携わる膨大な人数が仕事を辞めざるを得なくなった時、それを吸収できる雇用の口はあるのだろうか?多くの失業に伴い、地域に落とされるお金も減り、消費が減退するだろう。

「たかが畜産という産業が無くなるだけだろう?」と言うくらいの認識しか無い人は、考えを改めた方がいい。いろんな意味でこの国にとって大きな致命傷になる可能性が大きいのだ。

だから、口蹄疫の撲滅については予算はいくら使ってもいいよ、いいから早く封じ込めしよう。という世論はとても重要なことなのだ。政治問題や家畜愛護の問題をどうこう言う前に、まずそこだろう。

そしてもう一つ、宮崎県の経済は畜産以外のすべてがいま停滞している。先日も書いたとおりホテルや旅館は、宿泊キャンセルからイベントの中止で大変なことになっている。飲食店もまたしかり。宮崎県内では自治体の会議までが中止になっているらしい。

それに追い打ちをかけているのが、他地域での「宮崎県産お断り」の波だ。牛・豚肉とは関係のない青果物でさえ、超大手スーパー(名前を書いて非難してやりたいが、さすがにそれはしないでおく)が「半額にしてくれないと売らない」などと圧力をかけていたりする。食肉市場では宮崎ナンバーはお断りとなっているらしい。気持ちは分かるが、、、

政府の補償がどうなるかまだわからんが、牛・豚関係以外には回らないだろうというのが大方の予想。宮崎県人が全員干上がってしまったら、この国の良心が問われるよ、と思う。

この問題は、都道府県どこで起きても不思議はないのだ。自分の住む街にそんなことが起こったらということを15秒でもいいから考えて、スーパーや飲食店に宮崎産のものがあればそれを褒め称え、なければ「なんで仕入れないの?」と詰め寄る。そんなことだけでも後押しになると思う。

ちなみに
同じ九州は福岡の繁華街では、宮崎県産の素材を使った料理が割びきになり、かつその料理の価格の何割かが義援金に廻るというような支援をしている店が100店舗超えているらしい。九州の痛みは九州がわかるってことか。でも本当は、食料の自給にほとんど貢献していない東京のごとき存在が、食糧基地である地方を率先して支援するべきだと思う。

まだ終わってないどころか、これからが本当の危機です。書くことしかできないことがいらだたしい。