2010年5月20日 from 口蹄疫を考える
昼頃、親友のNからメールが来た。
もう口蹄疫はそっとしておく段階を遙かに超えた。その重要性をメディアにちゃんと理解してもらう必要があると思う。中央のマスコミの報道はまったくだめだ。阪神淡路大震災の初期状態みたいに、危機が理解できていない。民主の失態隠しに風評被害対策が利用されている。
という内容のものだった。彼も農業関係者で、信頼できる友の言葉だけども、とりあえず目の前に本の執筆〆切があったので、そちらを優先して作業した。
さて一服、、、と思って、Nが「これをみてみろ、東国原知事の会見の模様がニコ動でやっている。このとき質問してるメディアがひどい。」と、アドレスを送ってくれた動画をみた。
まさしくぶっ飛んでしまった!
10分くらいの気分転換のつもりが、前編後編の1時間分を全部観ることとなってしまった。「ニコニコ動画 東国原 口蹄疫 会見」で検索すると出てくると思うので、時間のある人は観た方がいい。
僕は今まで東国原知事に対して、さほど感情移入してこなかった。けれども今回の会見を観ると、実にきちんとした知識を持ち、正当な対応をしていると感じた。家畜に関する膨大な法律条文を読み込み、理解をしているように思う。あまりにも裾野の広い畜産の世界のことを短期間で理解するのは難しい。ちょっとだけ足を踏み込んでいた僕などが考えるだけでも、すさまじい攻防が繰り広げられるであろう関係各所の調整、膨大にかかるであろう予算、農家の心情を勘案し、そして県の他産業への影響も配慮しつつ、口蹄疫対策を実行するというのは大変なストレスがかかることだと思う。
その知事に対して、マスコミの質問のレベルの低さはいったいなんなのだ。揚げ足をとろうとしているのか同じことを手を変え品を買えて延々と繰り返し質問したり、わけのわからないいちゃもんをつけたり、知事を怒らせてなにか決定的発言を漏らさせようとしているのか、とにかく不快だ。特に南日本新聞の記者と、朝日新聞の記者。
それに、、、全般的に、とにかく責任問題を追及し、誰かが悪いんですという言質を取りたがっているように見える。しかし、今の時点で責任とか犯人捜しは、しても意味がない。たとえば、赤松農相に責任があるとか、東国原知事に責任があるとか、現場の獣医師に責任がとか追求をして、その相手が辞めることになった場合、政治的にも行動的にも空白ができてしまう。伝染病はそんなことを斟酌せずにどんどん伝播してしまうわけだ。だから、すべてが終わってから犯人探しや責任追及をすべきである。
また、
「(全頭処分などのタイミングについて)ご決断されているのではないですか?それはいつ頃になりそうなのでしょうか?」
という質問も手を変え品を変えながら繰り返された。そのたびに知事、「またかよ」と内心では思っているんだろうけど、説明する。言えるわけないじゃん、そんな大事なこと、、、と思ってしまう。
まあ、そんな僕の怒りなど青いもので、もしかすると彼らはなんらかの政治的な流れの中で、意図的にあんな質問をしているのかもしれないですね。さらに大事に至らせて誰かが辞めざるを得ないように追い込もうとしていたりするのだろうか?
言語道断、そんなことで足を引っ張るのは辞めてほしい。いまは畜産農家と関係者のこと、他地域に伝播しないようにすることが重要だ。記者会見で知事の足を引っ張るのはもう辞めてください。
それにしても、記者もまさかこんな風に、自分の質問しているところが記録され世間にさらされているとは思わなかったろう。僕も驚いた。こんな大事な記事を担当している新聞記者が、こんなに阿呆なのか。昨日は、僕が食について信頼している朝日新聞の記者さんのインタビューに答えたばかりだ。この映像に出てくる、最初から最後まで同じことばっかり聴いてる、非常に不快な記者が同じ会社だとはとても思えない、、、まあ、怒らせることで本意を引き出そうとするテクニックもあるだろうけど、度を超してますな。
畜産業界の、僕の師匠的存在からのメール引用。
少なくとも、ワクチン接種、殺処分・埋却等一連の衛生対策が終了してから、次の飼育再開まで、少なくとも畜舎の度重なる消毒、ウイルス分離等の清浄度の検査、さらに囮家畜の飼育で、清浄化を完了して初めて本格的な飼育の再開になるわけですが、この間、少なくとも最も早くても6ヶ月、1年以内で再開できれば良いかと考えられます。 その後養豚では種豚の導入、交配、分娩、出産、肥育豚の出荷まで、1年半から2年。全体で収入があるまでざっと3年はかかるものと想定されます。 酪農・肉牛に至っては5年かかるかもしれません、この間の農家の生活保障を考えると暗澹たる思いがするのです。 この点からも行政の責任は非常に重いものがあります。
頼みますよマスコミさん。世の中を佳くするための報道をお願いします。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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