忙しい、といっている割に、先週の日曜日だけは嫁さんを拝み倒して横浜のカメライベントであるCP+に行った。好きなもののイベントだと、疲れていても行く気になってしまう。なにせ今回は、ペンタックスの中判デジタルである645Dも実機が出ているそうだし、ワクワクである。
まずは、カメラグランプリの審査員でもあられる阿部秀之先生が熱弁をふるっておられるニコンブースへ。
阿部先生のお話は本当にわかりやすく、そして痛快だ!
・デジカメの製品サイクルは早過ぎると批判されるが、デジタル部分の進歩が早すぎるから、2年たつと全く違うものになってしまうからである。銀塩写真時代はフィルムの新製品が出たら画質が変わった。今はフィルムでなくデジタル部分の出来で画質が変わるのだ。
・ニコンの最近のモデル(D3以降)に搭載されているAF、ホワイトバランス、画像処理エンジンであるエクスピードの出来は素晴らしい!オートで撮影した方がいい結果が出る場合もあるくらい。
・アクティブDライティングによる暗部補正はお見事。常時使った方がいい。
・レンズ交換式カメラを買ったなら、レンズを買えてみなけりゃ意味がない。F値が2.8以下の大口径レンズの世界にチャレンジして欲しい。
というような内容で、観客も多く、笑いも交えながら楽しんでいた。僕としては3Dトラッキングという、一度フォーカスを合わせたものをずっと追尾してくれる機能が、マクロ撮影などの時にも使えるよというのが驚き。さっそく設定を変えてみた。
終了後、お疲れだろうに、携帯電話にかけてくださった。
「やまけん君、リコーの開発者さんを紹介したいから一緒に行こうよ!」
そう、リコーのあのレンズユニット着脱式カメラであるGXRを統括している方にお引き合わせいただけるというのだ!
じゃーん!
左が湯浅さん、右が藤森さんだ。
「先日は週刊アスキーでレビューしていただいてありがとうございました、こうしたらいい、とかいうことがあればどんどん言ってくださいね」
と仰っていただいたので、遠慮無く注文をつけさせていただいたのである。まず最初にいっておくと、このGXRに50mmF2.5マクロレンズであるA12ユニットを装着すると、もの凄い画質になる。
週アスに掲載したのはほんの小さい画像になっちゃったので、ここに再掲。
東京バルバリの小池シェフに作ってもらった、野鳩のラーメン(!)である。
メーカー名 : RICOH
機種 : GXR
露出時間 : 1/200秒
レンズF値 : F8.0
ISO感度 : 200
開放F値 : F2.4
みよこのギリッとした引き締まったピント部とボケの対比。ちなみに外付けのストロボを焚いています。これでブツ撮りできちゃうよー という感じ。
しかしながらですね、僕がいつも使っている、ワイヤレスで外部ストロボを発光させる仕組みがないのですよ。だから、ストロボのコントロールにはかなり苦労しました。ニコンやオリンパスのワイヤレスストロボコントロール機能があれば、カメラが被写体と発光量の測定をして、適切な明るさを照射してくれる。もちろんディフューザーとかをつけているから光の量が足りなくなったりするので、その時は少し強目に設定し直す。でも、これが非常に楽にできる。
それが、一からマニュアルでやらなければならないということになると、このGXRだと厳しい。なぜならA12ユニットは暗所でのAFがもの凄く遅い。テスト撮影するだけですごく時間がかかるのだ。なので、TTL調光できて、それをストロボに伝達する仕組みがあれば、初心者でもライティングを行うことが出来る。
そうすれば、コンパクトデジカメでも全くこれまでと違った写真の世界が拡がるはずなんだけど。そう言うお話しをさせていただいた。
これは今度出る、APS-Cサイズの撮像センサーを持つ単焦点28mmユニット。おそらく画質は無茶苦茶よいでしょう。
こちらは開発中だそうだけど、28-300mmの高倍率ズームユニット。こっちの撮像センサーはGR-Dと同じコンパクトデジカメサイズだ。うーん、それじゃぁ画質は期待できないんじゃないか、とつぶやいたら、「いえいえ これの原型となったCX3の写真をご覧下さい。」とおっしゃる。
壁面一杯に引き伸ばされた巨大なバラの花のプリント。え?これ、コンパクトデジカメで撮ったの?
うーん、ちと驚きました。もちろん最良の条件で撮っているのだろうけど、、、
というように、リコーのGXRシリーズはやっぱり見逃せない、と思った。個人的には、仕事で使う写真の焦点域は24mm、35mm、50mm、70mm程度だ。すでに50mmはあるので、その他の単焦点ユニットが出たら完璧だと思う。それにワイヤレスストロボのシステムが着いてくれれば、、、バッチリだな。純正ストロボを作るのは大変だろうから、ストロボメーカーのサンパックやニッシンと組んで出してみるとか、できないだろうか?
さてその後はオリンパスブースへ。マイクロフォーサーズの快進撃で大賑わいの大ブースになっていた。
レンズバーという、いろんなメーカーの古いレンズをアダプタ経由で着けさせてくれるサービスがあって、これをやりたかったんだけど、満員。残念!
で、目を引いたのがこの水中ハウジング商品だ。
これはよくできてる!中に入るのは、先日発売されたばかりのE-PL1。
これ、とてもよくできていて、内蔵ストロボの光を、ハウジング上部に装着した外部ストロボに光ファイバーでつなぎ、同調発光させられるようにしているという。なるほどぉ!
もしかすると水中撮影の世界でもマイクロフォーサーズはいいとこいくかもしれない。安価で至れり尽くせりのシステムになりつつあると感じた。まあ、俺はやらないけどね(笑)。行きつけのコーヒー自家焙煎屋であるピコの田那辺マスターがやりそうである。
さて今回一番、可能性を感じたのが、LEDを使ったライトパネル。いろんなメーカーが商品を展示していたけど、コメットとライトパネルズの商品がよかった!
http://www.bogenimaging.jp/Jahia/site/bijp/cache/off/lang/ja/pid/20536
暗がりでライトパネルを発光させて、E-P1を撮影。うむ、これくらいの大きさのものなら十分にライティングができるな。
問題は、料理を撮影するときの照射範囲だ。うーん これ、試用してみないと怖くて買えないなぁ、、、ディフューザーを使ったらもっと拡散光になるのかなぁ、それとも使えないほどの暗さになっちゃうのかなぁ、、、
など、など。会場を歩いていたら、dancyu記事でお世話になっており名取カメラマンがいらっしゃったり、実り多い一日でした。いい骨休みになりました、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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