びっくり仰天、キクラゲはこんな風に栽培されていたのかい!? 陸前高田のきのこのSATO販売株式会社を訪ねる。

2010年2月15日 from 出張,食材

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キノコ類は菌茸(きんたけ)類と呼んで、ちょっと野菜とは別枠で扱われている。なので僕もあまりキノコについては造詣が深くない。だから、河野社長から「キクラゲ観に行こう!」と言われて、え?キクラゲ?と驚いた。そして初めて、キクラゲの菌床栽培風景をこの眼で観ることになったのだ、、、

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きのこのSATO販売株式会社の斉藤哲夫さん。実は設計事務所が本業なのだが、そこの社長さんがキノコビジネスをやろう!ということで始めたそうだ。Webをみたら、2008年度の東京ビジネスサミットというイベントで賞を受賞しているようで、けっこうメジャーになりつつあるんだろうか。しかしそれにしてもキクラゲの菌床栽培は初めてだなー だって、キクラゲは中国からの輸入がほとんどだからね。

まずはシイタケの菌床栽培風景をみせていただく。

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この丸太をぶった切ったように見えるものが菌床(きんしょう)。おが屑やふすま、コーンコブという飼料用コーンの芯などを原料にしている。これら原料を破砕し混合したものを、ブロック状に固めたのが菌床だ。

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キノコの菌床栽培は、この菌床に種駒というキノコの菌を固めたものを打ち込み、一定温度と一定湿度に置いて発生させる。

原木栽培では、ホダ木と呼ばれる原木を切り出し加工し、一定期間「伏せ込み」という期間をおいておかなければならない。半年から一年くらいかけて伏せ込み、低温にさらしたり水に漬けたりすることで感応させ、発生させる。原木の取り扱いは労力がかかり、栽培のスパンも長く、また外気のコンディションに左右され、不確定要因が多い。そこで菌床栽培が普及しているのだ。

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究極的には、味の面で菌床シイタケは原木シイタケには敵わないけれども、もちろんきちんとした菌床栽培ものは十分に美味しい。原料となる菌床の素材に何を使うかで、業者さん達は切磋琢磨をしている。

「さて、じゃあキクラゲをみていただきましょう!」

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

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なんかすげぇええええええええええええええええ

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変なものじゃありません、あくまでキクラゲです。でも、乾燥していないので、すっごくプニプニしていて重量感のある質感で迫ってくる!

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生のキクラゲってこういう形なのね、という感じ。サルノコシカケではないけど、通常はああいった下を向いた状態の耳のような形状なのだそうだ。

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おみやげに、キクラゲをいったん収穫して、洗浄・冷蔵したものをいただいた。

「刺身感覚で召し上がっていただいてもいいですし、、、」

ということ。実はこの後、陸高が誇る和食屋「しらかべ」にて、この生キクラゲ料理を戴いたのである。

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陸高産りんごと生キクラゲの黄身味噌和え。キクラゲは、中華料理のタンメンとか野菜炒め煮入っている、あの貧相なものとは全く違う!プルンプルンとした、絶妙な弾力の物体だ。お菓子のグミ系の歯触りとは違って、全域で歯触りに差があって、一定しないのだ!それが実に不可思議な印象で心地よい。美味しいというとちょっと違う、実に珍味である。

ちなみに別皿で菌床シイタケも出ました。菌床ものとしてはかなりレベル高い味じゃないだろうかと思いました。

ちなみにこの商品、やはり超こだわり系の中華料理店でひっぱりだこらしい。そりゃあそうだろう、今のところ、ここしかないんだもんね、、、頭が下がりました。実に勉強になる視察でした。ご馳走様でした!