昔ッからの盛岡冷麺の味を色濃く残す「もりしげ」は色んな意味でやばいスポット! 必食の名店である! そしてコラゾンカンパニーの本部にて、冷麺製造の現場を観た!

2010年2月20日 from 出張

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今回は久しぶりに盛岡に連泊した。3日連続で、しかも毎日違う相手先との単発仕事だったので、その仕事の時間以外は自分の仕事と休憩に使うことが出来て、身体のコンディション的にはとてもいい出張だった。

僕の仕事で、出張先で連泊をすることはあまりない。単発の地方出張がベースなので、長くても2泊。それも、だいたい朝から晩までぎっしりスケジュールが設定されていて、終わるともう身体の潤滑油が切れてしまった状態になり、何も出来なくなることが多い。初めての人と会ってコミュニケートすることはエキサイティングであると同時に、非常に消耗することが多く、夜は抜け殻状態。けど、二次会・三次会まで参加しなければならないとなると、もうホント倒れそうになるのである。だから、よく知る相手がコーディネーターの場合は、一次会であっさり終了させてもらい、ホテルでもくもくと原稿を書く。

しかも今回は運動も出来た。今回は駅に隣接しているメトロポリタンホテルに宿泊したが、目と鼻の先にフィットネスジムがある。そして宿泊者は500円で一日利用できるのである。先週の出張時に一度行ってみたのだけど、ちゃんとフリーウェイトのスペースもあって、プールもきっちり25メートル。素晴らしい!ということで今回はジム用品も持参して、トレーニングできた。出張中は移動が車になることが多いので身体がなまる。案外、身体を動かさない方が変に疲れるので、こういう環境はありがたいのだ。

で、適度に身体を動かしてから昼飯を食いに行こうと思った。短角牛生産者との集いで知り合ったステーキハウス「和かな」にでもいくか、それとも超定番だけど白龍でじゃじゃ麺を食べるか、と思っていたが、ふと脳裏をよぎったのが、コラゾンカンパニーの工藤君が「僕らが目指す冷麺は「もりしげ」っていう店のものなんですよ。あれが盛岡ナンバーワン!」と言い切っていたこと。

よし、もりしげに行こう! 場所を聴こうと思って工藤君に連絡したら「あ、午前中は空いてるんで、一緒に行きますよ!」とホテルに迎えに来てくれた。 うーむ 理想的な展開。

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もりしげは駅からはちょっと離れた国道沿いにある。歩いていくのはちょっと無理かな。道々、もりしげと工藤君の関わりについていろいろ話を聞いた。

「僕が初めてもりしげにいったのは15歳くらいの時ですかね?まだプレハブ建てでした。もともと、食堂園の職人さんだったのが、改装を機におやめになって、自分の店を建てたわけです。製麺機も昔々のごついものを使ってます。いまは店を構えたんですけど、すっげー汚い(笑) やまけんさんが「岩手県北の食材カレンダー」に載せていた、二戸市浄法寺の「大昌園」みたいな感じです。壁にもたれかかったら、なんかすげー染みがついちゃったり(笑)。けど、最近は壁紙張り替えました(笑)」

うーむ 大昌園とタメを張るってのはすごいな、、、 店内が不潔な店は美味しくない!という話がよくあるけど、どうもこういうローカル食については当てはまらないんだよね、、、

「ちなみに店は、「あの店潰れてるんじゃないの?」っていうようなぼろぼろの外観ですよ。店も人を雇わないで家族でやってる。でもねぇ、マジで旨いんですよ!」

そりゃぁ期待ができるぜ!ちなみに人を雇わないのは、味を一子相伝で伝えていくためらしい。

さて、こんなロケーションにもりしげがあります。

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うん、たしかにこのサビサビの看板だとみんな「やってないな、こりゃ」と思っちゃうかもね。

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みよこのいかにも「やってないです」感が溢れまくる入り口。すげーぜ!

しかし、知る人ぞ知る存在で、客が切れることはあまりないそうなのである。ドアを開けると、おかみさんに工藤君が「どーもー」と挨拶して奥の座敷へと上がる。入り口脇にはJA系の職員だろうか、作業着を着た男性が冷麺をすすっている。

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なんか、綺麗になったなぁ~ やっぱり壁紙が変わったからずいぶん清潔感が増したなー  と呟く工藤君。そうね、印象としては、この店内だったら、そんなに汚いとは思わないよ。

それにしてもメニューが脱力しちゃうほどに安い。冷麺は500円。大盛り200円増し。そして焼き肉セットやホルモンセットというのが850円。350円の差額かよ!

「ここではホルモンをお奨めします。焼き肉はちょっと、、、うーん」 以下略(笑)

さて冷麺とホルモンのセットを二人前頼むと、コンロに火がつきこんなセットが運ばれてくる。

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カクテキの壺は食べ放題だそうだ。

「これが常にコンディションが変わるんですよ、つけはじめのあっさり味の時と、つけ込み期間が長くなってすっぱめの時とかで、冷麺にどれくらい突っ込むかが変わるんです!」

ふふ、なるほどなるほど。

「第一、冷麺自体もあたりはずれがありましてね。ぬるいかんじの時もあれば、きっちり冷えて引き締まってるときとか、差があるんです。でもね、そういうのも含めてここの店が好き!ていう人が多いんですよ!」

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このホルモンが存外に美味しい(笑)もちろんB級感溢れる旨さなんだけど、350円?と疑ってしまう量だし、しっかりめしが食える。あ、先の写真に加え、白飯が一杯でてくるのであります。

「おまちどうさまー」

来た!これがもりしげの冷麺だ!

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ご覧の通り、麺が半端無く太い!

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つまみ上げようとするとグアッと握力がかかるような重量級の麺である。

「この麺、押し出し製麺機の昔のを使ってるからか、こんな太さなんですよ!」

まずはプレーンの状態で麺をすすり込む。 むむむ、ドゥアッと歯を押し返す強い弾力!製麺時にでん粉がα化することで得られるこの強烈なコシ、実に強い!

んで、スープが濃い!濃ゆいのである!! 意外にも、煮込み肉片を摘んでみると鶏のようなので、濃ゆいけれども牛だけのベースではないらしい。大昌園のような白濁感のある感じではないが、トロリと肉のアミノ酸が煮詰まった感じのスープだ。そうか、このスープでないと、強烈な化見応えの麺を食べきるだけのエンジンにはならないわけだ!納得。

「これにですねぇ、まずはカクテキを汁ごと投入します!」

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「そしてよーく混ぜます!」

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

これはうまーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!

キムチの汁が加わったことで、味が重層的に立体化した!辛味はそれほど強くないので、汁も多めに入れて調味するのが俺の好みに合う。いやーこれはスゴイ!

「あっと忘れてた、胡麻胡麻」

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「コショーも入れると世界が変わります」

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これに酢をお好みで入れて、もりしげ冷麺の4段活用である。

いやー 手を加えていくと本当に際限なく味が変わる。この辺はお好みでドーゾ。

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ゆで卵は黄身をはずして、黄身を汁に溶くようにするとスープがマイルドな味に。そして、黄身をほじくり出したあとの白身をスプーン代わりにして汁を飲むのが吉、というところまで工藤君に教えてもらった。うん、これこそが郷土の食文化だ。もりしげに思春期から来ている人間ならではの奥の深さである!

いやーマジで旨かった。 いままで食べた盛岡冷麺のなかで文句なしにピカイチである。大昌園食堂の冷麺も旨いのだけど、ここは発祥の地・盛岡に敬意を表して、この店の冷麺がいまのところ僕の仲でも一番ということにしたい。

美味しい盛岡冷麺は、それをおかずに飯が食える。つまりスープにインパクトがあるものが僕の好みなのだな、と思う。

さてこの後、コラゾンカンパニーの本部に招いてもらったんだけど、それはまた後ほど。今日は土曜日なのに仕事なのですよーーー 早く家に帰って寝たい。