2009年12月22日 from 出張
宮崎どまんなかプロジェクトというのが立ち上がったことは既報のとおり。その推進者であるレタス巻き元祖・一平寿司の村岡さんは、タリーズコーヒーの九州管内のトップクラスの店舗オーナーでもあり、シンガポールなど海外法人の立ち上げを手がけた超・やり手だ。
寿司屋を継ぐ前にアメリカへ渡り、古着屋ビジネスをしたりしていた経験が全て活きているのだろう。伝統的な寿司屋の一面と、革新的な飲食ビジネスの世界の双方向を行き来する達人だ。
「やまけんさん、この辺で一番ぼくが好きなチキン南蛮食べに行きましょう。なんかね、いつもここで食べちゃうんですよ」
というお店が、一番賑わう商店街である、その名も一番街をちょっと出たところにある「グリル爛漫」。
一番街のアーケードを出て30mくらいかな。
さて、実はこの店の前にきたときにちょっと既視感を感じた。前、きたこと無かったっけ???と思いながら店内へ。
グリルというだけあってチキン南蛮専門店ではなく、洋食屋さん。ハンバーグやエビフライが旨そうだ!けど、ここはきっちり焦点を絞っていかねば、、、
ちなみにここのチキン南蛮って、胸肉ですかね?モモ肉ですかね?と注文を聴きに来てくれた若旦那に聞くと「基本のチキン南蛮は胸肉ですが、モモ肉もお出しできますよ。うちは丸鳥を仕入れて店でさばいているので、どちらも使うことになるんです」という。
では、通常の胸肉のチキン南蛮セットに、別添えでモモ肉の南蛮をということでお願いした。ここのおやじさんは、あのチキン南蛮の老舗「おぐら」で修行していた人だそうだ。おぐらチェーンは緩やかな繋がりで、レシピはけっこうみな好みによって変えているらしい。それは僕が一番好きなチキン南蛮を出す、魚山亭宮崎空港店も同じことだ。宮崎では同じチェーン店でも味が違うというのが多々あるのかもしれない。
ところで宮崎繋がりでいえば、もうすぐ最終回になってしまうようだけど、週刊モーニングに連載中の東村アキコ「ひまわりっ」は激烈に面白い漫画だった。宮崎ローカルネタが随所にちりばめられていて、宮崎食をよく識る人には無茶苦茶に楽しめる内容だったのだ。中でも「宮崎のうどんにはさぬきのようなコシはいらない!」とか、大笑いした。その中で、チキン南蛮の胸肉が好きか、モモ肉が好きかという「踏み絵」で仲間かそうでないかを分けるネタがあるのだが、これが最高だ。ちなみに僕は両刀だけど、どちらかといえば皮むきモモ肉派である。
「おまちどうさまでした」
おおっとこれは胸肉。大きく拡げられた胸肉、向かって右側のほうはいかげそのように切れ込みが入っている。この辺、丸鳥を仕入れて自分で仕分けしているからか、カットの加減が面白い。
タルタルは、おぐら本店のいかにもコテコテマヨネーズ感タップリなものよりはソフトな感じだ。
ふんわり柔らかな胸肉に、酸味の強すぎないなんばん酢、ほどよい油分のタルタル。これはバランスの極地ですな。超バランス派のチキン南蛮です。
モモ肉も到来。肉の断面をみただけで繊維の質が違うのがわかる。
うん、この店では胸肉チキン南蛮の完成度のほうが高いですな。ひとつの環状の世界観を感じる。ランチとしていただくのに実によいチキン南蛮であった。
で、食べた瞬間にやっぱりと思ったのだけど、数年前に僕はこの店に入ったことがある、と確信した。仕事の後か先か、もしくは東京に帰る途中でフラッと「チキン南蛮だー」と立ち寄ったのである。うーん 食の記憶だけはどんなに深いところまでも探すことが出来るなぁ、、、
大変に美味しゅうございました!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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