2009年11月 9日 from 首都圏
もうご存じの方も多いだろうが、惜しくも閉店したタンメン・餃子の名店である木場の来々軒と屋号も同じ、そして看板のデザインも同じ店が、永代通り沿いに11月1日からオープンした。
二ヶ月前くらいから複数の方々からいろんな情報がきこえてきた。
「どうやら熱烈なファンが、閉店したあとにオヤジに頼み込んで作り方を教わり、開店にこぎつけたらしい」
というのが僕の聴いた話だが、本当かどうかさだかではない。とにかく、昔のあの一族がリニューアルオープンするわけではない、と言うことだけは確かなようだ。いわゆるリスペクト系とでも言うのだろうか。
で、ようやく時間ができたので、昼時をはずして行ってきた。2時頃だけれども、店の中は満席。やはり近隣の人達が「おおおおっ 来々軒が復活!?」と駆けつけているのだろう。
店内で立ち働く人々は、まったく知らない顔。中華鍋を振ってスープを作っている人が一番年配のおじさんで、威勢のいい声でお客さんに「塩加減どうですか?」「ありがとうございましたぁああ またどうぞよろしくお願いします!」など声をかけている。このあたり、元祖の店とは全く違う(笑)
メニューはタンメン、餃子、ライスのみ。通常のラーメンとかは無いようだが、ファンが始めたということなら飲食店の経験があまりないのだろうし、絞った品揃えで始めるほうがいいだろう。
で、タンギョーを注文、ちゃんとタンギョーで通じた。
まずは餃子が出てくるが、、、参った。これは評価できるレベルじゃないな。二個、皮が破れて型くずれしたのが乗っている。それはいいとして、皮に十分な水分が含まれていない。餃子鍋に生の餃子を並べた後、湯を入れて蒸し焼きにするわけだが、明らかにその水分が足りない。加熱時間も足りないのだと思う。中の具材については、以前のレシピに近いということはわかる。けれども、全体的に餃子成立していない。改めて、元祖来々軒の餃子は完成度が高かったんだなぁと実感した。あと、ラー油が自家製っぽいのだけど、以前は瓶の下に大量に唐辛子などのカスが入っていたのが、新店ではなかった。ちょっと寂しい。ただ、これはまだ試行錯誤の途中なのだろう。作り手のあんちゃんが若くて、まだ手つきも練度が低かった。今後に期待したいです。
そしてタンメン到着。
んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スープの塩梅はやや薄いけど許容範囲。しかし、、、麺が! 麺が! これは来々軒の麺じゃねえな、、、太さはバッチリなのだけれども、ちぢれ方がなんとも作為的な感じ。しかもですな、なんか麺の表面ががっちり固まっていて、スープといっこうになじまない。元祖来々軒の麺は麺の表面とスープの境界領域が、もうすこしモヤッと柔らかくささくれ立っている感じで、その結果スープとよくなじんでいたのだ。けど、新店の麺はスープをバシッと弾いてしまう感じ。美味しい麺だと思うのだけど、とにかくいつまで経ってもスープとなじまない。
いくつかこの新生来々軒について書いているブログをみかけるんだけども、割と好意的に書いている人が多いのに驚いてしまう。これ、ほんとに来々軒の味だったっけ?
と、珍しく批判的に書いているけれども、オープンしたてなのだし、仕方のないことだと思う。ので、1ヶ月後くらいにまた訪れてみようと思う。ぜひ頑張ってください。
来々軒と名乗って、看板のデザインも同じにした以上、昔の客が望んでいるのは、あの元祖来々軒の味そのものなのだ。それ以下だと許せないのは当然だけど、それ以上にしてもらっても違和感がある。
あー あの双子ツインズおじさんのタンメンが本当に懐かしいぜ、、、
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