2009年10月19日 from イベント,市場人との対話,首都圏
今週の日曜日は久しぶりにゆっくりできた。 ウィークデーは出張がガンガンはいるので、できるだけ週末は仕事を入れずにしないとバランスがとれない。けど、現実的にはそうもいかず、なんだかんだと用事が入って休めないことがほとんどなのだった。
土曜日は、僕が所属する青果物流通研究会の例会。
民間種苗会社の谷川さんから、種苗会社の現状と、在来種の種はこれからどんどんコストがかさみ、もしかすると無くなっていくかもしれないというお話し。
そして後段は日本経済新聞の樫村さんの話。同紙に連載されている「日本の農力」の主力となっている人だ。日経新聞に対しては、自由化路線支持の流れの中、農業に対して非常にバイアスのかかった報道をする大手という印象を持っていたが、この人は実に小気味よくずばずばと農業の直面する問題と課題と未来に対する考察を話してくれた。数年前までの日経の農業面はあんなにひどかったのに、ここんとこ徐々に方向が修正されている?と思っていたのだが、こういう人がいるからなんだろうか。
で、研究会メンバーは日曜日に日比谷公園で開催される「土と平和の祭典」に参加。
このイベント、シンガーの加藤登紀子さんが協力しているイベントだ。そして、我が青果物流通研究会は加藤さんの夫で数年前に亡くなった藤本敏夫さんが設立した団体。そのご縁もあって、研究かいに参加している仲卸さんが取扱品を持って集まり、テントの一角で野菜や卵を販売したのである。
熊本県の天水から、夏みかんと温州みかんの掛け合わせ品種「肥のあけぼの」を持ってきていた生産者団体「マルヨ青果」の面々。青年部副リーダーの上村さんが、外国人に対して立派な英語でプレゼンしているのが頼もしかった。
名古屋北部市場の仲卸「山武」は、渥美半島のミディトマト、ゴボウを持ってきていた。このゴボウがやたら太くてよかったので、思わず買ってしまった。
ちなみに前日、赤松農相が名古屋北部市場を視察。「産直で中抜きする大手スーパーが多いらしいが、市場の機能を発揮することも重要だ。」と、イオンなどを牽制するような談話をしていたそうだ。これは実に重要な話。
みな、中抜きは世の中のためと思っているようだが、中抜きなんて非効率な商法は、本当は社会コストを引き上げるものだ。卸売市場という物流拠点を使う方が何倍も効率的な取引になるのだから。赤松さん、流通関係者にとってはいいアピールをした。
横のブースにはなんと大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、PALシステムと、知った顔ばかり並んでいる。ちょっとした同窓会のような感じで、沢山の人と再会した。
山形県は米沢のファーマーズクラブあかとんぼの面々が、置賜風の芋煮を出していた。米沢牛がたっぷり入って300円。トロケルような芋がごろんと入っていて旨かった。キノコが入っているが、現地では「キノコはイラね」「白菜入れろ」「それは邪道だ」などということで真剣なけんかがおきるほど、具に対するコダワリが各地で違うそうだ。
和歌山から来ていた「みかんの会」津田君と上田君は、持ってきていた温州みかんを最後はたたき売りして完売。お疲れさん。
「こんなイベント誰が集まるかぁ、って思ってたけど、東京だとこんなに人が集まるんだね!関西だったら終わり頃になって、おばちゃんが「安くなった?」って集まるくらいだよ。やっぱり大都市は違う!」
とビックリしていた。そう、そんなものなのだ。こうした都市型マルシェは、とにかく農村と霧離れていればいるほど成功する。逆に言えば産地が近い場所だと当たり前すぎて成立しない。
莫大な補助金がついたマルシェ・ジャポン・プロジェクトというのが走っていて、赤坂サカスだとかアークヒルズ、みなとみらいなどでマルシェを展開しているようだ。さてこの動きは定着するんだろうか。
そんなことを思いながらビックカメラ有楽町店B2Fのカメラ売場へ行き、ライカM9が欲しいなあとつぶやきながらレンズの価格にビビる。
歩いて有楽町から銀座に抜け、インズに入っている喫茶北欧にてホットサンド。
コンビーフキャベツとハム卵が旨い。
ピコでコーヒーを飲み、歩いてジムに行き、ウェイトを挙げてプールで泳ぐ。久しぶりにフルの休日。さて、仕事しますか!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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