高知の畜産は「山」と共にあり 山地酪農の原点となった場所を歩く

2009年10月 3日 from

高知県は山間部に放牧して酪農を行う、いわゆる山地酪農のパイオニア的な存在がいる地だ。中でも早くから取り組んだのが岡崎牧場という、高知の市街地からすぐのところに位置する牧場だ。

先のエントリに書いた、写真入りの低温殺菌牛乳の鹿島さんが、DeerLandという加工所・スイーツショップの前で迎えてくれた。

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「3年前に畜産関連の勉強会でヤマケンさんの話を、娘と一緒に聴いたんですよ!」

おおっとそうだったか !ご無沙汰しておりました! 鹿島さんは岡崎牧場に婿として入った人だ。

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DeerLandと駐車場から出て歩くと、急な勾配の坂を上りながら農場を観ていくコースになる。高知市内から車でやってきて、アイスを買って牧場を見学して楽しむというのができるスポットなのだ。

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当初、山地酪農で放牧主体の酪農を実践していたが、乳価がどんどん安くなり、消費側が牛乳を大事に買い支えない状況になる中で、さすがに完全なる山地酪農を維持できなくなってきたという。それは牛乳のあり方が変わってしまったからだ。

「うちは傾斜がきついので、上り下りをする牛にとっては体力を消耗します。そうなると、乳量が減るんです。乳価が下がり乳量も減ると、経営が成り立たなくなります。ですので今は時期を限定して放牧に出しています。」

それはそうだろう、だってこんな傾斜なんだもの!

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でも、鹿島さんのところの牛の牛乳はとても質が良く美味しい。 部分的な山地放牧でも十分に牛の体調がよくなるのだろう。

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これが牛のご馳走である日本芝。

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木の根もとのえぐれているのは、牛が舐めてこんなになってしまったのだそうだ。

「ミネラルとかがあるんでしょうね、牛が好んで舐めるんですよ。」

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ちょうど、ひまわり乳業の集乳車が来ているところだった。ここが牛舎。

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フリーバーン牛舎という、仕切りのない開放型の牛舎。牛たちがめいめいに好きな場所で好きな体位をとることができる。微生物資材を使ってうまく発酵させているので糞の匂いはほとんどしない。

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ブラウンスイス種や土佐あか牛とくらべるとちょっと神経質にみえるけれども、ホルスタインも綺麗な牛だ。

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さてDeerLand店内にて手造りの乳製品をいただこう!

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左から奥様、娘さん、社員さん。やはり乳製品の商品開発は女性がやらないとね! 娘さんが手に持っているソフトクリーム、ごくあっさりとしていて僕好みのお味でした。あっさり味がいいんです、あっさりで。

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そしてお約束のプリン!

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島根のわたなべ牧場とおなじように蒸しプリン。生乳がいいとやっぱり美味しいですな。子供に食べさせていいお菓子ってこういうものだろう。ただしカラメルの味がちょっと濃すぎでバランスが少し悪い。これは今後、手造りのカラメルソースの開発をするそうで、早晩解消されるだろう。楽しみだ!

鹿島さんとの再会は嬉しいものだった。そして、鹿島さんがまた完全なる山地酪農に回帰できるような、消費側からの支えをできる世の中に、早くなればいいなぁ、と強く思った。

岡崎牧場の皆様、ご馳走様でした。またプリン食べに行きます!