2009年9月22日 from 出張
今回の北海道はそもそも、登別の加工食品メーカーさんたちとの商談・商品開発相談会という仕事だった。当地の商工会がらみの組織が僕と百貨店の丸井の食品バイヤーである溝口さんを呼んでくれて、地域メーカーの商品に関しての相談にのるというものだ。
うらで動いてくれたのはもちろん、「ラーサラ三郎」の大ヒットの主役である望月製麺所の泉田社長だ。
空港から会場をめざしながら、昼食はもちろん望月製麺所のラーメンを食べたいので、登別の「鉄平」へ。
前回食べられなかった醤油味を所望。
いやここのラーメンが旨いのですよ。僕がラーメン喰いたいって言うのは本当に珍しいんだけど、、、
無化学調味料でキレのある味を出していて、再仕込み醤油の深い香りがとてもいい。でもなにより、麺が旨い。望月製麺所の麺は道産小麦にこだわっている。グルテン少なめの食感と風味重視の麺だからだ。
いやー旨かった。店長、また寄りますワイ。
さて商談会。いろんな製品がでてきてこれがまた楽しい。一件40分という時間が果たしてもつのか?と当初は溝口さんともども心配していたのだけど、そんなのは杞憂だった。どの商品もストーリーがある! 詳しくはここでは書けないけど、、、
面白かったのはこのうずらの玉子製品。
国内ではここしかないという、完全に外部からの病原菌が入っていないうずら農場のオーナーさんだ。元々、大手養鶏生産者組織の飼料担当者だったので、飼育のノウハウは全て持っている。その人が、「ここはすごいぞ」と目をつけたうずら農場。
とくに右側のうずらの玉子の燻製が実にいい。類似商品は多々あるが、これは半熟なのだ! しかも使っているのは塩のみ。あとは燻製するだけ。これは言い商品です。
とまあ、そんな感じでいろんな商品開発の相談を二人で受けた。商品開発のコンサルはあるけれども、このようにまとめて一日でいろいろなメーカーさんの相談に乗るのはかなり疲れる。けれども、実に面白かった。溝口さんは百貨店のバイヤーの視点から、現実的にどうすれば購買できるのかをアドバイス。僕は、世の中的にどんな要件を持っていて欲しいか、荷姿はどうか、といったことをアドバイス。
「二人で全国行脚して『鑑定団』みたいなのやろうか?」
と溝口さんが言う。うん、それ、ニーズもあると思うし、やりたいですね。地域の商工会さん、ニーズあれば声かけてください。
さて合間におやつを食べに、山の上の泉田家へ。
奥様お手製、ラーメンサラダ。ものの数分でできてきたのでビックリ!おかひじきのシャキシャキした食感が実にいい。
そしてこれは開発中のカレーラーメン。
ん、もう商品化していいくらいの完成度!
さてこの後は溝口さんと僕とで講演。フルに話して疲れたが、二人で事に当たると分散できるので助かったのだ。いつも一人でやってるからなぁ、、、
さてこの日のクライマックスはこの後の打ち上げだ。
「やまけんさんは、普通の店よりもご当地らしさのほうが大事だと思いまして、急遽焼き鳥屋へいきます!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
この地の焼き鳥といえば、室蘭焼き鳥である! 「やきとり」といいながら、具材は豚肉!間には長ネギではなくタマネギが刺してある。これを甘辛しょうゆダレで焼き上げるのが、労働者向けの堪らない味なのだ!
結論からいうけど、スゲー旨い!
タレが普通の室蘭焼き鳥とまったく違うんですよ。なんだか不思議な酸味がある。果物?ようわからんけど、この酸味がクセになるのだ!
もちろん炭火。
「最近は室蘭でもガスで焼く店が多くて、いやなんだよねー 気持ち悪い匂いになるんだよ」と泉田さん。
ほいっとタレにつけて、「精肉」が出てきた!
うーん
素材の味とかそんなものをブワッと吹き飛ばすような照り照りの外観。いいですのう!
それに注目すべきは黄色いカラシ。
「俺、大学で東京に出て焼鳥屋いってビックリしたもん。鶏肉だし、カラシがついてこないんだもんね。」
と真顔でいう泉田さん。いや、東京に出たことがある人達みんなが頷いている。
まあとにかくこのタレがすばらしく旨いのだ。水飴と醤油とみりんで煮詰められただけじゃなく、なんだか清涼感のある甘さと酸っぱさ。これ、なんなのよ!?
「それだけは言えないのよねぇ」
とおかみさん。うーんそうだよな。
もちろんタレ焼き以外も旨い。
「はいよ」
と山ワサビ。ツンと来て旨い!
「これ食べたら明日、大変よ!」
といいながら出してくれたギョウジャニンニク。
「これ食べると寝られないよ」とか言われるモノって結構嘘が多いが、これは確かに大変。それは匂いが、、、
食いも食ったり28本。これ私の戦果です。
しばらく前の朝日新聞週末版「Be」誌上で、B級グルメランキングをやったのを覚えている人もいるだろう。実は僕も選者の一人だった。室蘭焼き鳥はトップ10に入ったのだけど、もしこの店と早めに知り合っていたなら、もう少し点を入れてしまったかも知れないな、と思ったのであった。
この店、マジで旨いです。泉田さん、皆さん、ありがとうございました、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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