2009年7月 7日 from
吉祥寺にはその昔、たまに遊びに行っていた。日本におけるインド音楽の伝道師である若林さんというシタール&タブラそれにもろもろの民族楽器奏者がいらっしゃって、伝説の店であるラオヤというライブハウスに足を運んでいたものだ。その後ずーっと経ってから、タブラ教室にしばらくおじゃましていたのだが、今はもう時間が全くなくて足が遠のいてしまっている。
そんな中、ひょんなことで縁ができた。そういえばまだ京都編がすぐきの途中で書きかけになっていて飯尾醸造編までたどり着いていないけど、お酢蔵のある丹後は宮津に行った。3度目になる飯尾醸造訪問では、富士酢のファンである10名近い一行が集ったのだが、その中でひときわ暖かく輝く存在が、料理研究家の木村信子先生だった。
どんなセミナーや講演でも、聴衆が最後まで身じろぎもせず笑いも感動もしなければ、話者は孤独にさいなまれてしまう。そんなとき「うん、うん、そうよね」「えええっ本当に!?」「まあ、、、素晴らしいわ」などと相づちを打ってくれる人がいたら、もうそこに視線集中、リキを入れて話をしてしまうだろう。まさしくこの、素晴らしき受け手こそが木村先生である。
彼女が聴衆として参加している食のセミナーでは、みていなくても彼女の席がどこだかわかる。話者の話がスペクタクルにさしかかると「まぁ、そうなの!」「ホント!?困ったわ」「そうだわ、そうだわ!」と絶妙な合いの手が揚がるのである。いやあれは「愛の手」と書いた方がいいんじゃないだろうかというくらいに最高な合いの手。歌舞伎座でプロが「成田屋!」などと声をかけるような感じだ。
飯尾醸造における蔵見学の最中も、話者の視線は木村先生に釘付け。もちろん訊きっぱなしではない。ご自分の教室の生徒さんに熱心にいい食材を広める尖兵としてものすごい活動をされるのである。
その木村先生が営む料理教室「イノサンク」にて、花見(もうどれくらい前のことか!)をしたのであった。
井の頭公園を抜けてしばらく歩き、鳥居を超えて商店街を抜け、またもや公園にさしかかる。ジブリの美術館の近く、公園の内部に面した絶好のロケーションに建つ瀟洒な一軒家がキッチンスタジオ「イノサンク」だ。
この、バルコニーが最高な食空間になるイノサンクの正体は、超初心者から優雅なマダムまでが集う料理教室だ。到着するとすでに木村先生がフル回転ですばらしき料理を準備してくれていた。
ごぼうと鶏の揚げたのの南蛮漬け?かな、もちろん甘酢は富士酢。
ザウアークラウト風キャベツ酢漬け、もちろん富士酢!?
野菜のあっさりピクルス、きっと富士酢だ(笑)そして、、、
絶品のちらし寿司。もちろんこれには富士酢プレミアムが使われているはずである。
飯尾醸造の5代目見習いである飯尾彰浩君は、木村先生のことを「東京の母さん」と呼ぶが、ほんとそんな感じである。
ピータン豆腐のカナッペ風前菜。かりっと揚がったせんべいは、ワンタン皮を揚げたものだ。
次から次ヘとご馳走がやってくる。すでに飯尾醸造ファン達も、思い思いに飲み食いにいそしんでいる。
この日、もっとも木村先生のセンスがかいまみえた一品。
「やまけんさん、私のオリジナルクロックムッシュ、食べて欲しいの!」
「サンドウィッチ用のできるだけ薄いパンを買ってね、そこにレバーペーストたっぷり塗ります。うちは吉祥寺の○○○って店(センセ申し訳ありません、忘れました)で買ってる! ここにパルミジャーノレッジャーノをおろすのね。これをね、フライパンでこんがり焼きます。」
こんがり焼き目が付いて、内部に熱が通ったらできあがり!
こんがり焼けたら、まな板で食べやすい大きさに(センセは四角く4等分に)切るだけ。
レバーペーストを具に使うという発想が実に素晴らしい!パルミジャーノレッジャーノとともに、レバーがトロリと溶け加減になってイケル!
それにしても料理研究家または料理家の方々のパーティは最高だ。だって、、、
「はい、デザートね」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
僕はロールケーキには目がないのである。スポンジからふわっと卵の香りがするやつ。センセイのロールは実にそれであった!
楽しき仲間と記念写真。
美味しいものを食べた後だからか!?みんな、いい顔!
いいお料理教室、あるかなぁ、と思っている方はぜひイノサンクのWebを覗いてみて欲しい。
■イノサンク
http://ino5.com/
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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