島根・出雲散策と出雲蕎麦。そして熊本の塩トマトは、そろそろ出荷後半になります。

2009年3月23日 from 出張


先週は島根県にて二泊三日。またもや濃い生産者の面々と会うこととなった。それにしても、石川県でも同様に感じたのだけれども、県の農政課の人たちがアテンドして廻ってくれる生産者さん達は、ものすごく優秀でパワフルな人たちばかりだ。だから一瞬、日本の農業後継者問題なんて、じつは存在しないんじゃないか、などと思ってしまう。けれどもそれは、ごく一部の篤農家をピックアップしているから、なんだけどね。

でも、こういう人たちがもっと増えて、わけのわからん株式会社が参入するような必要が全くなくなるような世の中になるべきなのだ。

と思いながら、最終日の飛行機の便を少し繰り下げて、出雲市内を散策。

あっと
この花、本当は薄紫色なのに、デジタルカメラだとその色が青になってしまう。これはニコンのせいではなく、どのカメラでもこうなる。画像補整する時間がないのでお許しを。


ほんに、春ですのう。

さて、以前週刊アスキーの出雲編で取材させていただいたことがある、出雲蕎麦の「羽根屋」へ。

実は読者の松本さんという方から、「島根にいらっしゃってるんですね。私は出雲ソバリエなので、お薦めの店を、、、」と、10店舗以上の出雲蕎麦の名店を列挙したメールをいただいたのである!

ただ、出雲市駅から徒歩で行けそうなところが羽根屋くらいだったので、二度目の訪問となった。松本さん、どうもありがとう!今度行くときは、一緒に蕎麦喰いましょう。

出雲そばといえば割子蕎麦が有名だが、ほんとうに出雲っぽい蕎麦といえば、釜揚げ蕎麦ではないだろうか。

蕎麦を茹で上げたのをそのまま、丼に湯と共に入れたのが運ばれてくる。これに、徳利に入った濃いつゆをかけていただくという、おそらくこの地域でしかみられない食べ方である!


じゃっかんつゆが甘めなのだけど、これが絶品の美味しさ。江戸前の、角がビンと立った蕎麦もいいけれど、茹で上がりたてのふんわりした蕎麦を、香りたっぷりのそば湯とともに食べるのだから、これは美味しいに決まっている。堪能いたしました。

そういえば、告知し忘れたので書いておく。
毎年、オーガニックサイバーストアというオンラインショップで販売している、熊本県のフルーツトマト「塩トマト」の販売が始まっている。

 
■オーガニックサイバーストア Yahoo!店

http://store.shopping.yahoo.co.jp/organic/oca1577.html

熊本県八代市の干拓地では、海水の塩分が濃く土壌に残り、いまでも地下水位の上昇とともに塩分が土に補給される。そこでトマトを栽培すると、大玉トマトの品種であってもギュギュッと小さく引き締まったものができる。そして、それは信じられないほどに甘さと酸っぱさが濃い。

これが「塩トマト」である。フルーツトマトの元祖の一つといってよいだろう。

この塩トマト農家の中でも、僕が一番好きな味をだしてくれるのが、鶴山さんだ。


僕の好きな味とは、糖度が高いだけじゃなく、酸度も強く、そしてアミノ酸含有量が多く旨味が濃いもの、である。

高糖度トマトの世界では、とにかく糖度が高ければ売れるから、ということで、甘さだけを追求したものが多い。まあ、わかりやすいからね。けれども、そういうトマトは決して美味しいといえるものではない。美味しいトマトは、糖度と酸度のバランスがいいことが第一条件で、これに加えてアミノ酸含量が多くなることが望ましい。

鶴山さんの塩トマトは、糖度優先型ではない。アミノ酸優先型である。ひきしまった実にかじりつくと、ジュッと汁が口中に弾ける。酸味と旨味が濃いため、甘さがマスキングされるけれども、ほぼ9度以上の糖度なのである。だから、とにかく甘さ重視の人には勧めない。それよりも「旨さ」を求める人にはいい選択になるはずだ。

僕は贅沢なことに、この塩トマトをトマトソースにしてしまう。これが絶品なのだ。

オリーブオイルを熱してつぶしたニンニクと鷹の爪を加え、香りが出てきたら四つ割りにした塩トマトを3個分加える。弱火にして蓋をし、数分たったらへらでつぶして海塩で味を調える。堅めに茹で上げたリングィーネをソースと和えて、バージンオリーブオイルを絡めて、さっさと食べる。もう、脳天突き抜けるほどに旨いのである!イタリアのトマトが旨いっていったって、向こうではこんなトマトは作らない。だから、塩トマトのソースは日本でしか味わえないのである。

今年は数量限定で、しかもあと3週間程度で出荷が終了する。食べてみたい人はどうぞ、お早めに。