岩手ツアー前に学習の好機! 「ほぼ日」にて雑穀生産者・高村さんのインタビュー企画連載始まる。

2008年9月 5日 from

P8030405 
雑穀を使った食品が静かにブームになっている。しばらく前までは、輸入物の雑穀がほとんどだったが、最近は国内産地のものが使われている商品も出回り始めていて、活況を呈してきた。だいたい、「雑」などと書いているけれども、ヒエやアワ、キビなどは実にものすごいポテンシャルを秘めた穀物なのだ。時代がようやく追いついてきたといえるだろう。

そんな雑穀の世界で、岩手県北部は重要な位置を占める。他の地域と何が違うかと言えば、それは一言。

「昔、この辺ではコメがとれなかったから、雑穀食うしかなかった」

ということだ。温暖化でじゃんじゃんと産地が北上している今からは想像もできないが、日本全国で潤沢にコメが栽培できるようになったのはそれほど昔のことではないのだ。そんな岩手県北~青森の蝦夷文化圏では、とにかく必然的に雑穀を食べてきた歴史的蓄積がある。そこらの新興雑穀産地とは重みが違うのである。

そんな地域で、ひときわ大きな存在が高村英世さんだ。初めてお会いしたときには、いきなり40分くらい「雑穀と蝦夷とこの地方の食」についてレクチャーをいただいた。

「もうね、これを理解していただいてからでないと、私は取材を受けたくないんです」

と強い意志を持つ高村さん。その半世紀を伺うと、自然とこうべが垂れてしまう。その詳細は、これからのほぼ日刊イトイ新聞の連載で明らかになるだろう。なかなか充実した企画になっているので、僕も楽しみだ。

■ほぼ日刊イトイ新聞 「雑穀の人。」
http://www.1101.com/store/zakkoku/index.html

で、10月5,6日に岩手ツアーに参加する皆さんは、この高村さんの畑にお邪魔することになるのだ。10月にはすでに収穫シーズンになる(もう、終わってるかも)わけだが、雑穀の種を蒔いて、どのように生育してきているのかを追っておくことは重要だろう。

まず、これが種まき前の圃場だ。P6010420 二戸市内から山を少し登ったところ。一山の区画が高村さんの畑だ。高村さんのすごいところは、日本で最初に雑穀で有機JASの認証を取得していることである。それは、この環境が他からの農薬散布の流入の心配がほとんどないこともある。もちろん、雑穀はそれ自体が非常に肥料の要求率が低く、かつ病害虫にも強いという特性もあるのだが。
P6010480 
ヒエの種は極めて硬い殻に包まれている。だから、長期貯蔵にも耐えうるのだ。従ってこれを脱穀するのは骨が折れる。コメと同様の精米器では難しいらしい。P6010476 このヒエの種を、播種機を使ってコロコロと種まきしていく。
 P6010451 P6010452 P6010455 この時期は見渡す限り更地だった。これが6月初旬だった。
それが、2ヶ月後の8月初旬には、、、こんなになっているのである!
P8030348ss P8030354ss
「どうですか!雑穀の力はすさまじいんですよ!」
という高村さん。ちなみにこれはアマランサスだ。
P8030360ss P8030363ss P8030405 こちらはヒエ。もう高村さんの背丈くらいまで伸びている。ちなみに、乾燥したヒエの実はよく見たことがあるだろうが、まだグリーンの未熟状態のヒエを見たことがある人は少ないだろう。これがその自然の造型だ。
P8030392 きれいにスパイラルを描いている。尖った実にもっと寄りで写した方が佳かったかな。
この高村さんのすごいところは、脱穀から選別・袋詰めまで徹底して自分でやっていることだ。P8030483
P8030480  ピンセットを使って毎日遅くまで石などの混入物を取り除く作業を手で行っている。そのために、白内障になりかけているくらいだというから心配だ。そこまでしなくていいですよぉ~と言いたいところなのだが、それが高村さんの信念なのだから仕方がない、か、、、P8030489 ちなみにお隣にいらっしゃるのが奥様で、タカキビを使った「へっちょこだんご」の作り手として、地元でも有名な方だ。おしどり夫婦である。

こんな生産者さんが丹精こめた畑を観に行くのだ。皆様心してくださいませ。畑に遊びに行くんじゃなくて、あくまで「見せていただきにあがる」のだから、真摯に向き合いに行きましょうね。
P8030396 ちなみに先ほど、応募者全員の抽選を終えた。78名のみなさん、後ほど連絡が行きますが、恨みっこ無しでお願いいたします。