2008年5月18日 from
以前、宮崎県で講演をした際に聴きに来ていただいた田中さんご夫妻から、日向夏(ひゅうがなつ)が届いた。 日向夏はあまたある柑橘類のなかでも珍しい食べ方をするもので、ご覧の通り内果皮と呼ばれる、皮下の白いスポンジ状の部分も食べられる果物だ。
「そんな部分をわざわざ食べなくてもいいのに、、、」
と思われるかも知れないが、実は日向夏の内果皮は香り高く、食感もフカッとした感じが全く違和感なく、美味しく食べられる。というより、この食べ方をしなければ意味がないと思われるくらいの味だ。糖度も酸度も高く派手な香りを持っているので、そのふんわりした内果皮の部分を一緒に食べないとちょっとくどい。内果皮と一緒に食べると、ちょうどよいあんばいになる。
だから、写真のように皮を薄めに剥き、中心部にある種を避けるように実を切っていくとバランス佳い。
実は柑橘類は異様に品種が多く、一般に流通しているものは栽培されているなかのごくごく一部だ。250品種以上の柑橘がマイナーリーグにいる。日向夏は、知名度的にはメジャーリーグの中の方だといえるだろう。
ちなみに宮崎県では「日向夏」だが、高知県では「小夏」、愛媛では「ニューサマーオレンジ」というように、違う呼称がなされる。同じ品種だけど、産地が違うとやっぱり少しずつ違う。これから果物がいい時期だ。初夏の味わいを楽しもう。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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