2008年4月 4日 from 日常つれづれ
僕の高校時代からの友人である山田一博が、「遙か咲く」という、この桜の時期にちょうどぴったりな楽曲を録音した。デモテープの音源なのだけども、本人がたくさんの人に聴いて欲しいという意向なので、下記にmp3形式でダウンロード可能にしておきます。右クリックで「対象を保存」でダウンロードできると思います。
もし「お、これいい曲じゃん」という感想あれば、ぜひメールください。
曲自体に加工などしたりしなければ配布自由です。商用利用はお控えください。
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
以下、この山田という人間について書きます。読みたい人だけどうぞ。僕の音楽遍歴まで書いちゃってますが、、、
(続きは下記↓をクリック)
僕が通っていた高校は授業で和太鼓やインド音楽などをやっていたのだけども、そこで異彩を放っていた人間がいた。それが山田一博だ。
山田は西荻窪から通っていたのだけれども、なんと小学校時代にインド音楽に強烈に惹かれ、南インドの弦楽器であるヴィーナという楽器を親に買ってもらい、勉強を始めた。
ちなみにインドの楽器で有名なシタールは北インドのもので、華美な音色のものだ。ヴィーナは装飾音があまりなく地味な印象ともいえるが、実に深い音色で、名手とよばれるナゲシュワラ・ラオ氏の演奏などを聴くと、北インド音楽よりも日本人好みではないか、と思ったりする(私見ですが)。
山田の音楽への探求はヴィーナに留まらず、ペルーやチリ、エクアドルなど南米の音楽である「フォルクローレ」にも傾倒し、ケーナという笛の演奏も始める。高校に入学し僕が出会った頃にはすでに笛も弦もどちらもなんでもござれというかんじだったから、音楽的には相当に早熟だったということだ。
高校時代ぼくらは和太鼓に熱中していて、グループで演奏をしていた。そのメンバーは太鼓以外の世界では山田の持ち込む音楽世界に圧倒的に影響を受けた。
その頃、静かなムーブメントになっていたウインダムヒル・レーベルの音楽(ウイリアム・アッカーマンというギタリストが拓いたレーベルだ)に傾倒したり、パキスタンの宗教歌謡であるカッワーリーの大物だった故・ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのCDが日本で初めて発売された時は、みんなで訳もわからず円陣を組んでコピーして熱唱した(今でも「ナミダーナム」という曲は、歌うことができる。意味はわからないけど)。
トルコのセタールという美しい音色の楽器のCDなど、どこにもなさそうなものを山田は入手してきた。
アフリカ音楽も全方位的に好きだった。ドゥドゥ・ニジャエローズというセネガルのタムタムという太鼓を30人以上のオーケストラで演奏するライブには、はるばる新潟まで渡って聴きに行った。とにかく音楽ということでいえば、通常の高校生が聴かないようなものばかり聴いていたということだ。
選択制授業だったインド音楽講座では僕はタブラという太鼓で、彼はシタールを弾いた。ちなみにそのインド音楽の授業を教えていたのは、常味祐司さんといって、ウードという北アフリカの弦楽器の日本での第一人者だ。なんとこの頃、常味さんは自由の森学園の寮監をしていたのである。なんともおかしな高校だったのだ。
で、高校卒業後、山田はいろんな音楽を遍歴した。津軽三味線の師匠のもとで下宿しながら勉強したり、奄美大島に歌を習いに行ったり。そして当然のようにインドへ音楽修行に向かった。向こうの大学でインド古典音楽を、バンスリという笛で学んだのである。ただしこのインド修行は大変だったようで、二年後に重度の腱鞘炎にかかり帰ってきた。
その後、音楽的に放浪しつつ、一昨年あたりから音楽的パートナーと腰を据えて、作品を作り始めている。現在のメイン楽器は、ハジュジュというアフリカの極低音が出る弦楽器を改造し、アンプリファイできるようにしたものだ。
しかし、ここでダウンロード可能にした「遙か咲く」は、上記のような民族音楽的なアプローチは無く、楽器もギターである。初めて聴かせてもらった時はフォークミュージックか?と僕も唖然としたが、しかし音楽としては実に聴きやすく素晴らしいものだ。なので、ぜひ紹介したいと思ったわけである。
ということで、本当にこの音楽と山田一博に関心があるひとは連絡をください。
ちかじか、新しい録音も行うそうです。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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