2008年3月13日 from 食材
モミダレ・ツケダレを使用した本格派焼き肉も大好きだけど、一方でエバラに代表されるような、いわゆる「焼き肉のタレ」も大好きだ。
これまでのマイベストなタレは、宮崎県日南市の「とむらのたれ」だ。このタレ、素材がどんな肉であってもとむら味に染めてしまうという超・ストロングなタレであり、宮崎県の日南周辺のスーパーではエバラ焼き肉のタレがあまり売れないというところまで支持されている味なのである。
しかし、最近非常にはまりつつあるタレが出現した。
それは、、、青森県~岩手県でかなり絶大に支持されている「上北農産(かみきたのうさん)」のタレである。
こいつがまたやたらめっぽう旨い!
とむらのタレは、トロッと粘度十分でどんな素材にもからみつき、完全にとむら色に染めてしまう破壊的な味なのだが、上北農産のタレはサラリとしていて、かつストロングな風味を持つ。
ニンニクやタマネギといったユリ科香味野菜の香りがブワッと立つなぁ、と思ってWebで検索してみて驚いた!
なんと上北農産とは、農協組織なのである!
それも、全国的にも希な、農産加工品に特化した農協だという。
■上北農産加工農業協同組合
http://www.jongara-net.or.jp/~miso-shoyu/member/kamikita/top.html
その理念をみて深く感動してしまった。
青森県の生産者の素材に付加価値をつけ、安定的に生産者を支えるために加工品を造っているという。
農家から直接仕入れることができるメリットとして、なんと生の原料素材を使うことができる。実は焼き肉のタレなどは乾燥野菜を原料にすることが多く(ニンニクなどは明らかにその方がコストが安くなる)、そのため、なんとなく違和感のある香りが出てしまうことが多い。上北農産のタレは、やけに風味が濃いなぁと思ったのは、そういうワケだったらしいのである。
この上北農産のタレに初めてであったのは、例によって岩手県二戸市の浄法寺地区で短角牛を担当する男・杉澤ちゃんの家でパーティをしてもらったときのことだ。
短角に命を捧げた男・杉澤ちゃんは全く僕と同い年。ここにも居たぜS45/46年生まれ!
彼の自宅ではしょっちゅう短角を焼いて食べるという。それだけに、すさまじい焼き技をいくつか持っている。
たとえば、、、サーロイン4枚重ね切り!
短角ヒレ肉二枚重ね側面焼き!
さすが手慣れた技術。こんな焼き加減に仕上げてくるのである。ううむやるな。
で、この辺の肉は塩でシンプルに食べてもいいのだけれども、後半にタレが非常にマッチする局面があったのだ。
「野菜の上に薄切り肉を並べて焼くと、野菜は蒸し焼きになり、肉には軽く熱が通り、あとはサクッと混ぜると柔らか焼きになります」
またもや技を出しやがったわけだが、この肉&キャベツという黄金コンビを上北農産のタレで食べたわけである。これが実に最高!ブワッと広がるタマネギ&ニンニクのストロングな香り!しかし短角は強い味があるので、タレにも負けてない。
「じゃあなに、短角牛と上北農産のタレはベストマッチってことかい?」
「いやー それは言い過ぎかもしれませんけど、、、」
いんや言い過ぎではない!
上北農産のタレ、短角と食べるとまた旨し。
もっと安い肉と食べれば、肉の欠点を補う。
それに、子供の頃に母に「そんなことしちゃダメ!」といわれた、禁断の味である「白いご飯にタレだけかけて食べる」をやると、絶品に旨い!
農協としての使命感にも惚れた。
上北農産の直営Webショップを紹介しておこう。
■上北農産
http://store.shopping.yahoo.co.jp/kamikitanousan/index.html
※でも、このサイトにはいちばんポピュラーなタレが売ってないんだよな、、、「業務用 スタミナ源たれ1リットル」1,050円(税込)を買えということなんだろうか。
ちなみに冒頭の写真に3種類のタレがあるが、実際にはもっといろんなタレが販売されている。このタレをくれた二戸振興局のS藤氏いわく「塩だれがベストに旨いですよ!」とのこと。たしかに塩だれも旨いわ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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